「異教徒」殺害に国籍は関係なし ダッカ人質事件で日本人7人死亡

1日の午後9時30分(日本時間2日午前0時半)頃、バングラデシュの首都ダッカの高級住宅街で武装集団が飲食店を襲撃し、外国人を含む数十人を人質にして立てこもった。その後治安部隊が現場に突入したが、人質20人が死亡。その中には日本人男性5人と女性2人も含まれていた。犯人グループ6人が射殺されて1人が拘束された。今回の犯行については、イスラム国(IS)が犯行声明を出している。

3日に生放送された『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)には、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が出演し、今回の事件の背景について、イスラム国の関与について見解を述べた。黒井氏によると今回犯行にかかわったのは厳密に「イスラム国」というよりは、2つの可能性があるという。1つはすでにバングラデシュからイスラム国に多数入っている、その思想に影響を受けて帰国してきた人間及び、その周辺の人間の関与の可能性だ。もう1つはイスラム過激派思想を持っている人間が、イスラム国との組織的関係はないものの自発的に実行したという見方だ。

そうした見方がある中、今回多くの外国人が狙われたのはなぜか。黒井氏によると、彼らは外国人を狙うという発想があるそうだ。イスラム過激派以外から見れば今回の事件はテロだが、彼らからすれば聖戦=ジハードで、良いことをしている感覚がある。彼らは欧米系の人々のことを『十字軍』と呼び、欧米系を倒せば倒すほど良いことをしていると捉える。彼らはイスラム教徒ではなく異教徒を殺害するが、日本人も異教徒という認識になり、今回7人が殺害されたという認識を示した。

また、イスラム教徒にとって重要な月であるラマダン(断食月)にこうしたテロを犯すことが懸念されていたが、今年の期間は6月6日頃から7月5日頃まで。番組MCのみのもんた氏(71)がその時期に不穏な動きがあるものかと問うと、黒井氏はこう語った。

「いつもやっています。ラマダンの時にやれという声明はあります。ただ、ラマダンが終わったらテロがなくなるというわけではなく、その時々に(機を見て)やれよってことです。まず狙った場所は外国人が集まる襲いやすい場所です。その中で、地元の人よりは外国人を選別して襲撃した可能性はあります。ダッカの治安自体は問題はあります。ただ、地元のイスラム過激派組織はあまりなく、これまで大きな事件は少なかったですが、小さいものは去年でも10件ぐらいはありました」

こうしたテロの事前察知は難しい。6月28日にはトルコ・イスタンブールの空港で44人が死亡するテロ事件があった。そんなこともあり、今回当局は様々なネットワークを監視していた。アメリカやトルコの情報機関はテロリストの動きを把握していたが、バングラデシュでは把握するのは難しかったかもしれない。

テロを防ぐには、各国の治安機関がどれだけ事前に計画を掴むかということが鍵となる。過激なグループというものはある程度分かっており、彼らを盗聴したりして未然に防ごうとする。ただし、6月12日に発生した49人が死亡した米・フロリダの銃乱射事件と同様に今回も事前に犯人が事前の対策に引っかからなかった。

イスラム国が関与している場合は、漠然とした指示が来るのだという。彼らは「自分達のいる場でジハードをせよ」と伝えるそうだ。各地に仲間が5人や6人いる場合、自分達で何ができるかを考えろということだ。こういった事件は流行もあり、模倣犯が出てくる傾向になる。実際にやる人間が出ると「あいつらやったな、すごいな」と仲間内で話題となり、自分達もやろうか、というマインドになる。だが、日本はそういったグループの下地はなく現在は安心だが、東南アジアのリゾート地などは狙われる可能性がある。その場所が狙われても、日本人だからという理由で助けられることはない。あくまでも異教徒は倒せという話なのだ。今回の犯人像について黒井氏はこう指摘する。

「本国(バングラデシュ)の人間の可能性が高いと思う。元々そこにいるグループ。その中にはシリアやイラクから戻ってきた人間がいるかもしれません。イスラム過激派のテロは、911の時みたいに、工作員を送り込んでやるテロはあまりなく、呼びかければ志願者がやるってのが主流になっています。彼等の目的は世界をイスラム化することにあります」

みの氏が「(テロの標的に)日本人は構想に入っていなかったのですか?」と聞くと、黒井氏は「入ってなかったです。たまたま襲撃した時にいたというのが不運でした。日本人がいたから狙ったわけで、そこにいた外国人がたまたまイタリア人と日本人だったということです」と答えた。なお、他にもバングラデシュ人、インド人、韓国人も犠牲になったという。


次回放送は10日(日)20:00 ~ 23:00 選挙特番「みのもんたの選挙でよるバズ!」です

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