OKAMOTO'Sインタビュー 狙うは逆転ホームラン!自分たちのセンスを信じ続ける

OKAMOTO'Sがニューシングル「BROTHER」をリリースした。タイトル曲はNetflixのオリジナルドラマ「火花」の主題歌だ。誰にでも1人はいるであろう、憧れの存在について歌ったこの曲には、バンドとして新たなステージに突入した4人の様々なこだわりが詰まっている。彼らの現在の心境について忌憚なく話してもらった。

AbemaTIMESに掲載されているオカモトレイジの連載「俺はマジでテレビ見ない」とともにお楽しみください!


ネットの感想を読んで驚いた(ハマ)

――タイトル曲「BROTHER」はNetflixのオリジナルドラマ「火花」の主題歌ですね。

オカモトショウ(以下、ショウ) そうですね。「火花」では主人公と師匠という2人の関係性が描かれています。師匠とは言っても、憧れの先輩や友人の様な存在。そういう人は誰にでもいるじゃないですか。前作『OPERA』でパーソナルなことを歌いましたが、聴いている人に楽曲のメッセージが届いた時、これまでより深く刺さる感覚がありました。俺自身、歌詞自体がすごく良くなったと思っていたし。なので今回のシングルでは、自分にとって身近なことを歌いたいという思いが最初からありました。


――「BROTHER」のニュアンスは“兄弟”というより“マイメン”ですかね?

ショウ まさに。自分にとってはそれが父親で。俺の父もミュージシャンで、いつもツアーに出てるからほとんど家にいなくて、会うのも年に1回くらい。しかもアメリカ人なので英語でしか話せない。そんなこともあって、俺にとっては父というより師匠の様な存在なんです。普段電話でしか話せないけど、たまに会うとポロっと大事なことを言ってくれる。なので「火花」を読んで、ドラマの1~2話を観て、父のことを歌おうと思いました。


――メンバーの皆さんにとっての「BROTHER」は誰ですか?

オカモトレイジ(以下、レイジ) 俺はコウキかな。

オカモトコウキ(以下、コウキ) えっ!? じゃあ……僕もレイジ(笑)。

ハマ・オカモト(以下、ハマ) なんだよ、その流れ(笑)。そういえば「BROTHER」のMVを観た人が「サビの歌詞のタイミングでメンバーが全員出てくるのが良かった」という感想をネットで書いていたんです。


――「Yeah! 会いたいぜ 俺を誰よりも わかってくれてるあなたに」というラインですね。

ハマ それがすごい驚きでした。僕ら、世間からそう見られてるんだって。その感想を読むまで、本当にそんなこと考えたこともなかったので。

レイジ 俺もあの歌詞についてはバンドメンバーではなかったね。

ハマ コウキじゃないのかよ?(笑) こういうことは自分たちには絶対ないアイディアなので、MVを撮ってくれた監督はすごいと思いました。


一緒に合唱できるギターリフ(コウキ)

――「BROTHER」はギターリフが印象的ですね。

レイジ もともとはダイ・アントワードみたいな曲だったんだよね。

ショウ テクノっぽいアレンジというか。

ハマ でも僕がデモのベースラインを聴き間違えて弾いてしまったところ、サビのギターリフの元になるベースラインができたんです。

コウキ 僕はこのギターリフがすごく気に入ってる。最近日本のロックシーンでギターリフを押し出した楽曲ってあまりないじゃないですか? だからこそ僕らがやるべきだと思ったし、この曲ではその試みが成功していると思う。このリフはライヴでお客さんが一緒に歌えるんです。海外フェスなどでは、ザ・ホワイト・ストライプスの「Seven Nation Army」のリフなんかを観客が合唱していて。日本にはそういう文化があまりないけど、リフも歌えちゃうようなキャッチーなリフで、さらにかっこいいというのは意識したところですね。

レイジ そもそも当初はリフで合唱してなかったんです。でもかっこいいリフだったので「リフを合唱するアレンジにして、サビみたいにしたら?」って提案したんです。それがハマった。ライヴで合唱が巻き起こるパートには、もともと曲に合唱が入ってるところだと思うんですよ。キャロルの「ファンキー・モンキー・ベイビー」のイントロのギターは超かっこいいけど、みんなで合唱はしませんよね? 海外のフェスでアークティック・モンキーズの新譜を、サッカーの応援かと思うくらいリフを大合唱していて。そういうエッセンスを入れられたのは良かった。


――ちなみにコウキさんはなんでリフを前面に出した曲をOKAMOTO'Sがやるべきだと思ったんですか?

コウキ リフを付け焼刃ではなくきちんと鳴らせるバンドは、日本では僕らくらいしかいないと思ったからです。あと前回のアルバムで自分たちのやりたかったことがしっかりとやれたので、今回はシンプルにかっこいいものがやりたかった。OKAMOTO'Sを聴いたときにどういうものが残るかを考えながら制作に臨めました。


デモをみんなでぶっ壊していく(ショウ)

――「BROTHER」は曲の構成も変わってますよね。

コウキ それは制作してる僕らも思っていました。そもそもサビはどれなんだという議論もメンバー間でありましたが、「それはとりあえず置いておいて」って感じで作業を進めていきました(笑)。

レイジ 実はイントロの「イエイイェイイェイ……」というフレーズはBメロかもしれない。こんなこと言い出すとワケわかんなくなってきますが、2番の構成がAメロ、Bメロ、サビって考えると、イントロに付いているのはそれが崩れたものだとも考えられて……。

ショウ デモをみんなでぶっ壊していく感じでした。まずリフができて、それを合唱できるようにして、さらにこの曲を持ってツアーで47都道府県を回るのでライヴを意識して生っぽくしたり。

ハマ あとラジオなんかでこの曲を聴いた人が「日本語の歌詞が入ってくるまで洋楽だと思ってました」と言ってくれることが多いです。僕らは洋楽っぽさにばかり意識を向けていたわけではなかったのですが。


――逆に言うとちょっとテンプレ化した「邦楽」という枠ではない、ただ「かっこいい音楽」として評価されたのかもしれませんね。

ハマ コウキも言ってましたが、「BROTHER」は自分たちの原点に戻って作れた楽曲なんです。今回「OKAMOTO'Sってこういうバンドだったんだ」とよく言われますが、実はそれがすごくうれしい。


何をやってもOKAMOTO'Sらしい(レイジ)

――「BROTHER」で原点に戻れたとのことですが、別のインタビューでバンドとしての試行錯誤や、その挫折について話していましたよね。

ショウ ああいうことは今までも言ってきたつもりなんです。初期三部作をリリースしたあと、それが受け入れられなくて挫折を味わったので、4、5枚目のアルバムを出した時に今こういうことをやっているという話もしましたし。

レイジ やっぱり『OPERA』がデカいんじゃない? 挫折をテーマにしたわけじゃないけど、『OPERA』はそういう内容の作品だから。インタビューで話すのと、作品として残っているのとでは説得力が違うというか。初期三部作で挫折して、それでUターンで帰ってきた終着点に『OPERA』があって。次のスタートとしての「BROTHER」。


――初期三部作での挫折というのは、具体的にどこで感じたんですか?

ハマ 初期三部作は円周率を全部覚えてますというテンションというか。


――円周率?

ハマ つまり「僕らはこういうタイプの曲もできちゃうんです」「音楽的歴史も知ってます」「カルチャーもわかった上でやってます」というか、そういう熱量しかなかった。今でこそ各々色々なバロメーターを持っていますが、当時は本当に音楽にしか興味がなくて、「音楽が好き、音楽が詳しい」ということだけに自分たちのブランド力があると信じ切っていました。


――なるほど。

ハマ 僕らは同じ括りのバンドと一緒にフェスなどに出ると、ステージの大きさでわかりやすく立ち位置を提示されるわけですよ。「あなたたちはまだここです」って。僕らより大きいステージに立っている人には、歳が上の人も、同世代もいる。そういう人たちが大きいステージに立てる理由は痛いほど理解できた。だから方向転換をしたけど、それが全く伝わらない。中二病的な僕らは現実を見せられるわけです。

レイジ 例えば流行りの四つ打ちにチャレンジしてもOKAMOTO'Sらしいロックと言われて。売り上げも伸びるわけでも減るわけでもないっていう。そういう時期が長く続いたんです。


――「何をやってもOKAMOTO'Sらしい」って褒め言葉じゃないの?

レイジ 今となってはそう思えます。そもそもOKAMOTO'Sらしさというのは自分たちが提示するものではなく、聴いてくれる人の中で勝手に生まれるものなんですよね。それがようやく理解できた。

ショウ 当時の俺らにとって「四つ打ちの曲を作るなんてセルアウト」くらいの心境でした。4枚目以降は俺が中心になって曲を書くようになって、俺が心から音楽センスを信用する3人が曲を選ぶわけです。時にはプロデューサーも迎えて。当時の俺は「こんなにセンスいい曲を出したら世の中が震撼する」と信じきっていました(笑)。


――でも世間は震撼しなかった、と。

ハマ そうなんです(笑)。確かに現実的指標でそういう中二病感は折られましたが、僕らもそこで折られっぱなしでいるわけにもいかないので、続けながら自分たちのやり方が見つかってきたんです。そしたら少し楽になりました。そもそも僕らがいくら方向転換したところで、世間が震撼するほどのバカ受けはしないと思う。


――それはつまりOKAMOTO'Sがヤバいと思うものと、世の中がヤバいと思うものに決定的な相違があるということ?

ショウ そうです。小学校の頃なんかにものすごく流行っていたような曲は全然好きになれなくて、ブルースを聴いていましたから。そんな人間が「世の中を震撼させてやる」という思いで曲を作っても、そりゃ世の中は震撼しないというか。

ハマ メインストリームには行きたいけど、大衆的にはなれないんですよ。


テトリスのように? いや戦い?(レイジ)

――OKAMOTO'Sみたいなスタンスで活動するのって、もう戦いみたいな感じじゃない?

レイジ ……戦いなんですかね。なんて言ったらいいのかな……、テトリスの様な感じ。終わらないゲームをずっとやってるというか。なるべく地味にスコアを上げていく感じ?

ハマ もちろん僕らは「BROTHER」がバカ受けして「次はアリーナツアーだね」となってほしい。だけど僕らのやり方ではそれがなかなか起こりえないこともわかった。だったら僕らができることは、いまやってることをやり続けること。瞬間的な爆発ではなく、今の温度感を忘れない。つらい思いもしてきましたけど、おかげ様で変な飛躍もしてないし、身の丈にあった活動ができてると思います。

ショウ 本当に誰もわかってくれなくていいと思って作り続けるやり方もあると思います。それは否定しないし、なんなら自分はそっち側の人間だと思っていました。でもそうじゃない場所に立てるチャンスを手にしてしまった。だったら自分たちが本当にかっこいいと思う音楽をわかってほしいという思いがあって。デビュー当時はそのかっこいいものを歴史そのままに伝えようとしていたんです。ストーンズそのまま、フーそのまま……。

レイジ 俺ら、1日1回、かならずストーンズって言うよね。

ハマ 話の腰を折るな。

ショウ ……とにかく(笑)。俺らは様々な音楽の歴史やカルチャーを知っていますが、とりあえずそれは置いておいて、単純に2016年のバンドとしてかっこいいものを、今の音楽シーンでも伝わるようにやろうとしています。いわゆる「Aメロ、Bメロ、抜けるサビ」というだけではなく、しかもただの自己満足にはならないような楽曲。


――ストーンズそのままだったら、OKAMOTO'Sがそれをやる必要ないですしね。OKAMOTO'Sならではの工夫があるから面白いっていう。

レイジ やっぱ戦いか……。

ショウ テトリスじゃないの?

ハマ 結局戦いかよ(笑)。

ショウ 最初はじわじわ攻め入ってこっちの領土を広げるつもりでしたが、それも違うなと思いまして。俺らが本当に大勢の人たちから支持されるようになるには、もう革命がおこって全部がひっくり返るしかない。それは難しいかもしれないけど、俺らは常にハングリーでありたい。常に濃いエッセンスが詰まった作品を作り続ければ、ひっくり返った時に「あの人は間違いなかった」となる。俺がOKAMOTO'Sのファンだったら、そう思いたい。逆転サヨナラホームランを狙っていきますよ。

ハマ ただ、僕らも提示したものが受け入れられつつあると思っていて。「オカモトーーーク」(毎月更新しているメンバー4人によるYouTube番組)の様な番組を盲目的におもしろいと思ってもらえているというのはすごいことですよ。ありがたい。

コウキ とはいえ、本当はこういうインタビューではなく音楽だけで納得させたいです。


レイジは連載タイトルを覚えてなかった(ハマ)

――レイジくんがいまAbemaTIMESで連載してるんですよ。みなさん読んでいただけましたか?

一同 いいえ。


――えっ!?

レイジ 文章ヘタクソになっちゃったね、俺。

ハマ 上手だったことあったっけ?

コウキ 僕、実は読みました(笑)。街でよく知り合いに会うって、それは知り合いが多いだけじゃないかと。

レイジ いやいや、知り合う前の人にも会うんだよ。

ショウ ただ、バンドメンバーとしては困るところもあって。せっかく知り合った人が、みんなレイジと知り合いなんです。あれはこっちの意欲を削ぐよね。みんなそれぞれの領域があると思うけど、レイジの陣地は広すぎる(笑)。

ハマ そういえば、レイジが連載を始めた件は聞いていたので、この前ライヴのMCで振ったんですよ。そしたら、タイトルを覚えてなかったという。


――えぇっ!?

レイジ いやいや……。

ハマ 振り損でした。

レイジ 「俺はマジでテレビ見ない」でしょ。きちんと覚えてますって……。

OKAMOTO'S「BROTHER」

初回生産限定盤(BVCL 724~5):1,667円+税(CD+DVD / デジパック仕様)

通常盤(BVCL 726): 1,111円+税(CD)

CD収録曲

01. BROTHER(Netflixオリジナルドラマ「火花」主題歌)

02. Lagoon 03. なんかホーリー DVD収録内容(初回生産限定盤) 01. OKAMOTO'S MOVIE 11 LIVE BOOTLEG SERIES(OKAMOTO'S 2015-2016 “LIVE WITH YOU” 2016.1.30 ZEPP Diver City)

02. オカモトーーーク特別編 ヤバコウキ〜実録!本当にやっていた曲作り 2015~


■ツアー情報

「OKAMOTO'S FORTY SEVEN LIVE TOUR 2016」(終了分は割愛)

2016/07/02 長野LIVEHOUSE J

2016/07/03 横浜club Lizard

2016/07/07 十三FANDANGO

2016/07/10 高知X-pt.

2016/07/12 広島SECOND CRUTCH

2016/07/17 浜松FORCE

2016/07/18 和歌山CLUB GATE

2016/07/21 さいたまHEAVEN'S ROCK VJ-3

2016/07/23 福井CHOP

2016/07/24 神戸VARIT.

2016/07/30 宇都宮HEAVEN'S ROCK VJ-2

2016/08/19 仙台darwin

2016/08/24 岡山LIVEHOUSE IMAGE

2016/08/27 宮崎SR BOX

2016/08/28 鹿児島SR HALL

2016/08/31 熊本B.9 V2

2016/09/03 高松DIME

2016/09/10 米子AZTiC laughs

2016/09/11 松江AZTiC canova

2016/09/14 柳ケ瀬ants

2016/09/18 金沢AZ

2016/09/19 甲府KAZOO HALL

2016/09/22 高崎club FLEEZ

2016/09/24 郡山CLUB#9

2016/09/25 盛岡CLUB CHANGE WAVE

2016/09/28 札幌Cube Garden

2016/10/01 奈良NEVERLAND

2016/10/02 名古屋CLUB QUATTRO

2016/10/05 松阪M'AXA

2016/10/08 長崎Drum Be-7

2016/10/10 佐賀GEILS

2016/10/13 福岡Drum Be-1

2016/10/15 大分Drum Be-0

2016/10/16 周南LIVE rise

2016/10/19 京都磔磔

2016/10/21 桜坂セントラル

2016/10/29 日比谷野外大音楽堂

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