【後編】現場取材5000件のリポーター 元・ひめゆり学徒隊の壮絶な過去を取材


沖縄慰霊の日だった6月23日、AbemaTVのニュース番組『AbemaPrime』では、特集コーナー「所太郎の今だから言える“真実”」にて、レポーター・所太郎氏が「沖縄の話」を取り上げた。このコーナーは、現場取材5000件をこなしてきた所氏が、過去に取材した事件事故を振り返り、若い世代に、「本当に伝えたい真実」を語るというもの。なお、この記事は、先に公開した「【前編】現場取材5000件のリポーター 元・ひめゆり学徒隊の壮絶な過去を取材」の後編となる。



■「ひめゆり学徒隊」解散後に待ち受けていた地獄

それは壕から彼女たちを追い出し、無責任に隠れる場所もない戦場へ放り出す命令。仲間であるはずの日本軍に追い込まれた少女たちは、砲弾が飛び交うなか、更なる地獄に追い込まれていった。

宮城さんたちは、手榴弾を2個もらって外に出たそう。一個は敵に投げろ、一個は自爆しろという意味だと宮城さんたちは思ったという。当時、生きて辱めをうける「捕虜」になるということは、死ぬこと以上に恥ずかしいことだという教育がなされていたからだ。



宮城さんは仲間である日本兵に追い出され、友人を置き去りにして、「ガマ」を出ざるを得なかった。次々と倒れ、息絶えてゆく学友たち。追い詰められたのは最南端の荒崎海岸だった。

「いつの間にか攻めてきて。倒れた私のうえに4名が倒れこんできて、動けない状態でした。奥で3名の先輩たちが『もう撃たないで!』と叫んでいるのが聞こえました」(宮城さん)

もっていた手榴弾のピンに手をかけた。死体のなかで抜こうとしたけどなかなか抜けず、手間取っているうちに、アメリカ兵に手榴弾をとりあげられた。「一緒に逃げてきた人たちは手榴弾で命を絶っていた。血の海ですよ」(宮城さん)

命はつないだものの、「あの悲しさ、悔しさ、絶対許さないという気持ちは、ずっと消えないですから。戦争が終わっても終わらないんです。ずっと続いているんですよ」(宮城さん)

あまりにも辛い記憶。宮城さんがこの体験を話す心の準備ができるまで、40年あまり時間がかかったという。



終戦から44年後にひめゆり平和記念資料館が開館。あまりにも時間が経っている。ひめゆり学徒隊は222名の女学生と、18名の教師が動員された。そのなかで、123名もの女学生が戦死。教師は、13名が死亡した。生徒と教師を合わせた全死亡者136人のうち、その約8割の100人が、6月18日に出された解散命令後の数日間に亡くなったという。


「宮城さんは、44年の間にも何度か語ろうとなさったことはあったそうです。でも語ることはできなかった。それは『辛すぎるから』。同じように逃げながら、亡くなった方のご遺族に、『あの方はこうでした』という話を何度かしたときに、『何故生き残ったのがうちの子ではなくてあなたなのか』ということを言われたそうです。自分でも『どうして自分なのか』と責める日々が続いたが、自分たちが語らなくては、『何もなかったこと』になってしまう…と」

「私は宮城さんに、『生き残ったんじゃないんですよね。生き抜かれたんだと思います』と申し上げました」(所氏)


戦後から71年。沖縄の若者達は今日の「慰霊の日」や、「沖縄戦」をどう伝えていくのかを聞くと、「6月23日」と「8月15日」の区別がつかなくなっている若者が多いという印象という。ただ、「伝えていかなくてはいけない」という大事な意識はみな共通してもっているとのことだ。


▪︎所氏が語る

ここ数年も、戦没者の遺骨が毎年約100柱あまり、沖縄では見つかっています。道路工事や宅地工事で出てくるのです。


戦没者の遺骨収集は終わりが見えません。遺族は身内が見つかる事を祈っています。そんな中、2016年4月1日、「戦没者遺骨収集推進法」が施行されました。厚生労働省は2003年から戦没者の身元を判明させるために、遺骨からDNA鑑定を始めていましたが、今回「国として責任をもってやりましょう」という動きになりました。


もう遺族も高齢化、親族が生きている場合もあるが、残された時間がない。積極的にやらないと間に合わない。強く思ったのは、記憶というのが歴史にいま変わろうとしているという気がするんです。だからこそ、その生の記憶を、時代を、次の世代に伝えていくのが課題なのだろうと。


戦争を体験していない世代は、この戦争の記憶をどう受け継いでいけばいいのか? 忘れない為にどうすればいいのか? これが、私たちに渡されたバトンだと思います。


ひとつだけお願いしたいのは、沖縄の現場に1回行ってみていただきたい。そのときにどんな風がふいてくるのか、どんな声がきこえてくるのかに、耳を傾けていただきたいと思います。


「AbemaPrime」は毎週月〜金曜日 20:00〜21:50「AbemaNews」チャンネルにて放送中

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