AV出演の違約金で最大2400万円請求も 業界の実態とは?

「AV出演を強要した」などとして、AVメーカー社長らが逮捕される事件が発生。これについて18日に生放送されたAbemaTVの報道番組『みのもんたのよるバズ!』内の「今週のバズselect」のコーナーで「AV出演強要で“人権侵害”」というテーマで議論された。

実態としては、元々グラビアモデルとして契約したのに、契約書には小さな文字で「アダルトビデオに出る」という記述があり、「約束が違う」と拒否しようとしても「契約書にある」として押し切られてしまうというもの。ほかにも「親に言うぞ」や「違約金が発生する」などと言われる例もあるという。今回逮捕されたのは、業界ではよく知られた有名AVプロダクションのマークスジャパン社長らだが、この件について岩沙好幸弁護士が事情を解説する。

「契約書の中身をしっかり読んで、どんなものに出演しなくてはいけないかをしっかりと把握すべき。プロダクションやメーカーによっては、きっちりしているところも違法なところもある。取り締まる監督官庁がない。今後はここの法整備が進む可能性もある」

一方、AV業界からは「良心的な業者も多い」と反論も出て、強制について「あった」「ない」という両方の意見が出ている。女優や元女優らからもツイッター等で「私の周辺でそんなことは聞いたこともない」「いつの時代の話してるの」といった声が多数出ている。

ある団体への相談被害件数が93件もあったと番組では紹介され、「騙されてAV出演した」が21件で、「AV出演を強要された」が13件、「高額の違約金を請求された」が12件で自殺に追い込まれたケースもあるという。ここで「ポルノ被害と性暴力を考える会」の金尻カズナ氏が登場し、現状を説明した。

「先月の時点で累計で120件の相談を受けています。具体的には、典型的なケースでは、スカウトを受けて、事務所に『やりたくない』と述べても説得される。性的な未経験の方もいるので、『セックスレスになるよ』とか言われてしまう。今回逮捕されたマークスは業界内では良心的とされている会社ですが、私達のところには(同社に対する問い合わせが)5件以上来ています。意に反した販売方法もあり、断ると違約金が請求されます。多い場合で2400万円です」

それに対し、AV業界は「AV制作本数は年間約2~3万本」「相談件数が4年間で93件は限りなくゼロに近いレベル」「最近のAV現場は女優が第一」と反論しているとの意見を番組では紹介した。そして、スタジオには元日経新聞記者で元AV女優の作家・鈴木涼美氏がいたが、同氏もこの問題について意見した。

「何を『強要』と取るかだと思うんですよ。ものすごく何回も年齢確認されるし、慎重すぎるぐらい慎重な業界だと思います。面接時にも身分確認、年齢確認はしています。『奴隷のように働かされている』と言われても、実感はないですね」

ここで、番組コメンテーターの漫画家・倉田真由美氏が「2時間ドラマやるからうちの事務書は入れ! ってのがあったらしいですが?」と聞くと、鈴木氏は「スカウトは言葉もうまいし、モデルの仕事興味ない? 女優の仕事興味ない? とかは言う。最初からエロ業界興味ない? みたいなことはない」と述べ、最初の段階ではAVとは別の話をすることもあるとしたが、基本的にはその後は本人の同意がないのに無理矢理強要することは珍しいのではと指摘した。

また、金尻氏はハンコをついたら違約金が発生する上に、契約自体も怪しいものであると語った。番組MCのみのもんた氏(71)も、逮捕者が出たほどのことだけに、実際は強要があったのでは、と鈴木氏に問いかけた。鈴木氏の答えはこれだ。

「(撮影の)前の日になって『やっぱイヤだ』と言う人がいます。事務所は、撮影クルーをすでに組んで現場を押さえています。『そんなこと言わないでやろうよ。多くの人に迷惑かけるよ』とか言います。これを『強要』と取るか、『説得』と取るかです。そこで本当に強固に出演を拒否した場合、弁償は必要かもしれません。でも、2400万円はおかしいです。私の友人で何本取ると決めていたけど、途中で結婚して穏便に辞められた。辞めるのであればカネ払えってのはどうかな…」

このように「解釈」の問題もあるのではという元当事者からの意見だった。


『みのもんたのよるバズ!』はAbemaTVにて毎週土曜日20:00~21:50にて放送中

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