元AV女優の作家・鈴木涼美が「アダルトビデオ出演強要問題」を語る

女性にアダルトビデオ(AV)出演を強要したとして、労務者派遣法違反の疑いで、AVプロダクション「マークスジャパン」の元社長・村山典秀容疑者ら3人が逮捕された。女性はグラビアモデルとして契約したものの契約書には、小さい文字でAV出演をほのめかす文言もあったという。拒否すると「違約金が発生する」や「親に言うぞ」と脅された。

昨今、AV出演の強要の有無について「あった」と述べる弁護士や人権団体と、「ない」と述べる現役AV女優や元AV女優らの意見がツイッター等では対立しているが、果たして実際はどうなのか。AV出演の経験を持つ作家の鈴木涼美氏が、13日に生放送された報道番組『AbemaPrime』(AbemaTV)に出演し、自らの体験を語った。


鈴木氏は、「(今回の逮捕は)なんか変な感じしませんでしたか?」とまずは切り出した。

「5年間で何本も出演した人が、このタイミングで名乗りをあげましたが、自分が仕事を了承していなかったとは思えないんですよ。どれだけの脅迫めいた言葉があったかは実際のところ分からないですが、ある程度やってみて、納得していたのでは? と私は思います。AVの仕事を経験した者としては…。

このタイミングについては、AV女優の経験として分かります。AV業界の仕事がイヤになったり、別の仕事をやったり、結婚したいほど好きな人ができたり、AVと関係ない業界に行く時、出演の過去が足枷(あしかせ)になり『あの時、私AV出るつもりなかったんじゃないかな…』、と不満が表出したのでは? と思いました」


このように、ある程度同意はしていたものの、女性の状況が変わったことから、過去の出演歴を否定したくなった可能性もあるのではとの見方を示した。また、出演を希望する人と事件化する場合の割合についてはこう語る。

「自由意思の人と強要の人はきれいにわけられません。なんとなくスカウトの人についていって、イメージビデオみたいなものだと言われて撮影現場に行っているうちに楽しくなる人もいる。でも、率先してAVメーカーに売り込んだわけではないから、強制性があるとも言えます」

また、この日は、こうしたAV出演の強要事情に詳しい「ポルノ被害と性暴力を考える会」の金尻カズナ氏が中継で登場し、状況を説明した。同氏によると、これまで5件以上マークスジャパンは同様のことをやってきたのだという。最初はコスプレモデルやアイドルなどに憧れている人を渋谷駅などでスカウトし、段々と断れないような状況にして撮影を余儀なくされていると語った。そして、今回こうして事件が表面化した背景には、2015年にAVプロダクションから「出演拒否」を理由に2460万円の違約金を請求された例を挙げる。被害者が裁判では勝ってお金を払わないでよくなったことからこの問題が可視化され、被害を訴える人が増えたというのが金尻氏の見解だ。


また、マークスジャパンが悪質かどうかについては「まだノーマルだと認識しています。もっと悪質なところもあり、事件化されていない」と語った。そのうえで、被害に遭った人には支援団体などに相談するよう呼びかけた。これに対して鈴木氏はこう語る。

「本当に悪質な業者は、過去に『バッキー事件』(2004年に発生したAV制作会社によるモデルやAV女優に対する強姦致傷事件)というのもあります。業界自体は健全になってきてはいますが、『口がうまい』というのと『騙す』というのの線引きはどこにあるのか? 段々と『AV女優っていい仕事なのでは?』と思うのを洗脳だととるのか、やる気を出すマネジメントと思うかは微妙なところです」

また、この日は、AVメーカー「プラム」の田原禎久社長が登場し、作品に出演するまでの手順を解説した。田原氏によると、女性とはまずは面接してアンケートを取り、仕事内容に合意してから契約に至るという。そして、前出「バッキー事件」にも言及したうえで、「無茶苦茶な会社は過去にありましたが、今はみんなしっかり台本から起こして、内容を女優と共有してからやっていると思う」と語った。

さらに、看板を出して事業を行っているメーカーからすると、問題を起こすことによって商品を引き上げることになるほどしんどいことはないという。だからこそ、今回マークスジャパンが大きな看板を出して事業をしていたにもかかわらず、このような事態になったことが腑に落ちないと述べた。


「AbemaPrime」は毎週月〜金曜日 20:00〜21:50「AbemaNews」チャンネルにて放送中

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