「舛添おろし」が難しい理由 都議会の代表質問は「学芸会」

舛添要一東京都知事の政治資金をめぐる数々の疑惑(公用車を私用に使う、上海の空港で14万円の「消耗品」を買う、美術館めぐりが多過ぎるなど)について、知事経験者はどう思うのか。元鳥取県知事で元総務大臣の片山善博氏がAbemaTVの報道番組『みのもんたのよるバズ!』に4日に出演。呆れた様子で舛添氏について語った。

「日本の地方自治体では、選挙で直接知事が選ばれます。議会の議員も直接選ばれますが、これを『二元代表制』といいます。本当は、議会VS知事という対立構造で、知事に疑惑があれば、議会が都民の代表として追及しなくてはいけないのです。しかし現実には、前回の知事選では、(政権与党の)自民と公明が次の知事を決めるというものだったため、いわば自分達が作り上げた身内みたいなもの。都民が変だなと思っても、「自分達が作ったからな」ということになってしまうのです」

そして、片山氏は、これから始まる一般質問・代表質問については、「ほとんど儀式」だと説明。質問する議員の側も、質問を事前に知事側に見せていて、知事答弁も役人が書いたもの。これを「ほぼ学芸会状態」とも称し、議員は厳しい追及に慣れていないのだと言う。

「首長が色々聞かれても答えられない。事前に擦り合わせをする、とかがある。シナリオを作って読み合うだけ。カッコイイ質問をして、カッコイイ答えをしてオレがやった、というパフォーマンスの場になる。ほとんど全部そうです。実につまんないです」(片山氏)

これには、中継で登場した東京都議会の音喜多駿議員(無所属)も「与党最大勢力が動かないので、知事を本気で追及する空気がない」と同意。

しかし、この時期こそ都民は議会の様子を真剣に見るべきなのだ。というのも、今回、知事おろしの都民の声が強まっている中、本来都民の代理たる議員はどんな態度をしているかを見ることにより、次の選挙での判断に繋げられるから。本気で追及しているのか、追及するフリをしているが何もしていないのか、あるいは明らかに舛添氏を擁護しているのか――。こうした点を次の選挙の際の参考にするのが建設的だろう。

3年前に不正献金疑惑で猪瀬直樹都知事(当時)が議会から追及されたが、今回はどうなるのか。音喜多氏は展望を語る。

「猪瀬氏の時は集中審議を12時間やりました。3年前は、自公が積極的に追及しました。今回、野党はやろうやろうといってますが、与党がかばっている状況で、野党が申し入れをしている段階です。今求めているのは、総務委員会への知事の早期出席を議会として申し入れようということ。これを与党に働きかけていますが、まだ返事は来ていません」

◆百条委員会と不信任案は効果あるの?

また、地方議会では「百条委員会」を設置して知事を追及することができるが、これはいわば国会における「証人喚問」のようなもの。嘘をついたら偽証罪となり、禁錮もあり得るので、徹底的に追及できる。だが、音喜多氏は、これが辞任に繋がるかどうかは未知数だと語る。

「舛添氏は道義的には真っ黒ですが、刑事罰を問える明確なものはありません。これで百条委員で謝罪を求められるが、それで終わり。謝罪して終わり、ということになります。最終カード『不信任案』に行くことも予想されている」

ただし、不信任案で辞めろと議会が詰め寄った場合、解散をさせられ、自分達の職が失われる可能性もある。だからこそ議員の側も追及の手を緩める傾向にあり、さらにはここで知事が失職すると2020年の東京五輪直前に都知事選挙が実施されるので躊躇する人もいるそうだ。そんな最終手段ともされる不信任案について、音喜多氏はこう語る。

「不信任案は、議会最終日に誰かから出る。それに、最大勢力の自公がどうするかに注目して欲しい。自公は127議席中70議席ほどの3分の2を取っています。世論の8割近い人が辞任を求めているのは、政治家が活動してはいけないレベルなんですけどね…」

片山氏は「こんな状態になったら恥ずかしくてしょうがないと思う。やってる意味ない。この仕事ってキツい仕事なんですよ。志がないと続かない。『住民のために』と思うのに、住民から『やめろ』と言われたら、他の仕事した方がいいと思う。理解できない」と呆れ顔。

音喜多氏は、「世間の追及は、都議会にも向けられていると思わなくてはいけない。我々に怒りが向いていると分かれば、自公も理解すると思うので、(自分は)野党の立場から活動していきたい。与党議員は解散失職を恐れています。『議会解散を恐れずやりましょうよ』とプレッシャーをかければ、と思う。自己の保身に走ったらダメなので、身を切る覚悟でいくべき」と決意を表した。


『みのもんたのよるバズ!』はAbemaTVにて毎週土曜日20:00~21:50にて放送中

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