アリ氏が死去、猪木「闘った後に培った友情は深かった」

6月4日にボクシングの元世界ヘビー級チャンピオン・モハメッド・アリ氏(74)が亡くなった。現役時代は「蝶のように舞い、蜂のように刺す」が代名詞で、軽快なフットワークと強烈なジャブで知られた選手だった。この訃報を受け、1976年6月26日に「格闘技世界一決定戦」としてアリ氏と対戦したアントニオ猪木参議院議員(73)がアリ氏との試合や思い出について会見を行った。

「今日、『元気ですかー!』と言うかは迷いました。ただ、元気があれば旅立ちもできるということで、ご冥福をお祈りしたい。本当に、モハメッド・アリも色々な試合を繰り広げた。異種格闘技ということで、闘った後の友情を培ったのはボクシングの選手よりも私の方が深かったかもしれません。

パーキンソン病を患ってから(今日まで)長い間だった。6月26日が『世界格闘技の日』になることとなったが、できればその日に日本に来てもらいたいという思いはあったが、そのかわり、家族を招待していました。こういう状況ですから、来られるかは分かりませんが、時間が過ぎて、この試合も評価され、俺自身もアリとのあの試合については素直に「あの試合は本当によかった」と。人生を戦い抜いたリングの友として、ご冥福を祈りたいと思います」

試合は、アリ側の示したルールが猪木にとって不利なものであり、プロレスルールではできないことだらけだった。そのため「アリキック」と呼ばれる、猪木がマット上に寝転びアリの脚にキックを繰り出す場面が終始見られた。15ラウンド・フルタイムで引き分けとなり、試合当時は「世紀の凡戦」と言う向きもあったが、後年、この試合が総合格闘技に大いなる影響を与えたことなどから名試合という再評価もされた。猪木氏はアリ氏の人柄・思い出をこう続けた。

「人柄からいえば、ある意味プライドのものすごい高い人物でした。私と似てる部分と言うか、私も人生の戦いと言う意味では、ボクシングだけでなく社会的な意味も含めて、人柄で言えば素晴らしいものを感じていました。お互いに素直に認め合い、『あんな怖い試合はなかった』と彼は言ってくれた。俺自身も緊張と興奮がありました。評価というのはご存知の通り。終わった後はたいへんな酷評で茶番劇と言われた。時間が経ち、評価が変わっていった。闘いを通じて自分が学んだことは、その時に評価されたいというのはありますが、一つの信念というのは、時間が経って人から認められることもあるな、とこの試合を思い出して思うこともあります。

偶然なのか。必然なのかというのを聞かれれば、『必然』だと思います。この試合で猪木の名前は世界に売れた。外交をやって、アリと試合をしたということの説明があると、相手が姿勢を直したり、『あっ、そうだ』と覚えている。これは、アリのお陰。『元気で旅立てよ!』ということ。我々もいつ迎えが来てもおかしくないです。アリは1年先輩なので、アリに見送られるのはイヤだな、と思っていましたが結局見送ることになりました」

猪木氏の会見を受け、『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)司会・みのもんた氏(71)は、「改めて見ると、タダの試合ではない。世界の格闘技の頂点を見た2人の試合ですね」と試合のダイジェストを見た感想を述べた。


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