TBSの中国人マナー問題などの討論番組が「恣意的な編集」と大炎上

5月23日に放送されたTBSの討論バラエティ番組で中国の特集が組まれた。その設定されたテーマや出演した中国人の発言などが酷いと、国内のみならず中国のネット上でも大きな波紋を呼んでいるという。

■中国で炎上したTBSの番組内容とは

中国は日本にとって重要な国だが、コミュニケーションがとれていないのも事実としたうえで、「今気になる中国の3つの問題」として、「食品偽装問題」「PM2.5が飛来する大気問題」「トラブル頻発のマナー問題」をピックアップ。

これらについて、中国人のパネラー50人が、東国原英夫氏や北村晴男弁護士ら、日本人出演者と激論を繰り広げたのだ。「中国で(危ないため、自分は)食べないもの」など、パネラーが赤裸々告白するなか、とりわけ激しい応酬になったのは、マナー問題。番組では、日本人が訴えた日本に住んでいる中国人や観光客のトラブルとして、

「マンションの自転車置き場に停めていた自転車を勝手に使われていた」

「団地の共有スペースでバーベキュー」

「スーパーで、会計前のものを食べる(後で支払いはする)」

「ゴミを(道端に)捨てる」

などという例をあげ、

「(自転車は)借りる前に紙に書いて名前とか電話番号とか書いて、共有すればいいじゃない。節約ですよ。お互いに使えばいいじゃない」

「共有スペースだったらいい。ほかの人もやればいい」

「(会計前のものを食べるのは)どうせお金を払うからいい」

「(買い物をしてくれている中国人のために)ゴミ箱を置けば良い」

「日本人はものごとを解釈する思いやりが足りない」

などとパネラーが主張する姿を映し出した。

すると放送後、番組に中国からの批判が殺到したという。出演した中国人パネラーに対しては「自分の国のことを海外のテレビで悪く言うなんてひどい!」、放送したTBSに対しては「悪い面だけに焦点を当てるなんて、許されるのか!」などの内容だった。

■TBSに聞いてみた

AbemaTV『AbmeaPrime』では、TBSテレビ広報にこの件について質問をしたところ、TBSから返ってきたFAXは、「お答えすることはありません」という一行。

対応はしてくれたが、恣意的な編集や、さまざまな声があがっているということについてはコメントすることはないという姿勢をみせた。

■番組に抗議した中国人「放送内容のレベルが低い」

スタジオには、中国上海生まれで、日本の企業で活躍しているプロパティエージェント株式会社の最高情報責任者・何書勉(ホー・シューミエン)さんが出演。番組について、中国人について見解を話した。

――何さんは、番組を見て率直な感想はいかがですか?

何:本当に驚きましたね。19年前に日本に来た当時、密航などというニュースはあったが、現在はそういうことはなくなり、マナーがおかしいとか、嫌いとかいうワードが頻出していて、中国人として驚きました。

――何さんは番組に抗議をしたとのことですが、どのような抗議をしたのでしょうか?

何:日本を代表するメディアとして、放送内容のレベルが低い。番組で使っている根拠となる素材は本当かどうか知りたい。例えばマンションで他人の自転車を勝手に使うとか、中国でもなかなかない。これを見た人が、中国人を嫌いになる、許せないと思いました。

テレビという、発言力をもつメディアは内容を大事にしてほしい。

今回の番組について、ツイッター上でもこうつぶやかれている。

さらに、中国最大のSNSであるWeibo(ウェイボー)でもこのような意見が。

何:スーパーで会計前のものを食べるということはしないですね、普通は。少なくともスーパーの中ではありえないですね。確かに、「都市伝説」はありました。20年前、中国にはスーパーという売り方はあまりなかった(そのため、買い物の仕方がわからない人がいた)。今は、みんな買い物の仕方をわかっていると思います。

■出演したパネラーは…

番組には、実際に出演した李小牧(り・こまき)さんがスカイプ中継にて登場。

――実際の番組収録当時の状況を教えてください。

李:50人くらいいて、3時間半くらい収録しました。批判の雰囲気は何もなかった。(でも)編集したあとのものをみると、完全に方向性が変わって、中国が良くないというイメージにいっちゃって、参加したことをすごく後悔しました。

パネラーにはSNSを持っていない人もいるので、全部(批判が)私のところ(Weibo)にきました。ちゃんと謝罪しなければと、自分が言ったことについても素直に謝ろうと思って、謝罪しました。

批判の方向もなかったし、日本人のキャスター達と、中国はこうじゃないとか討論をしていたんです。確かに2〜3人は中国人の悪いところをあげる人もいましたが、大半は違う。

何:割といい雰囲気のなかでそういう会話がなされたのにかかわらず、編集する人間の意思で悪いイメージになったのは残念ですね。(自身は)日本の国の奨学金をいただいて博士号をとり、日本の企業に就職し、とても日本に感謝している。相手のことをよく理解したうえでもっともっと仲よくしていこうと思っています。

■単純なTBSの恣意的な偏向報道と片付ける問題でもない

ただ、観光客などで、マナーの悪い中国人がいるのも事実だ。火のないところに煙は立たないという言葉もある。そういう現状も見据えながら、間違ったイメージを根絶していかなくてはならない。

何さんは、

「例えばツアー客が日本に行く際に、ガイドはマナーを伝えなくてはならないとか、また中国の外務省は行く人に、日本のマナーを守らなくてはいけないよという呼びかけをショートメッセージで送っています」

と、国として努力はしていると説明。コメンテーターの日経BPヒット総合研究所上席研究員の品田英雄氏は、

「面白くしようというのはわかるんですけど、この国だからこうだっていうのは個人差が大きかったりするので、笑いの範囲で済むのならいいが、文化的な摩擦が起きたり、国家の問題になるようなことは気をつけて扱わなければいけない。もう少し考えてほしかったですね」

と、慎重な番組作りをする必要性を説いた。


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