「ブラックバイト」 学生を使い潰す企業の実態に迫る

昨今、過酷な仕事をアルバイトに強いる「ブラックバイト」が問題となっている。この件について、ブラック企業対策プロジェクト共同代表の今野晴貴氏が、21日に生放送されたAbemaTVの報道番組『みのもんたのよるバズ!』に出演し解説した。また、ブラックバイトをしていたという女性・藤田さん(仮名)と、男性・加藤さん(仮名)も登場し、窮状を訴えるとともに今野氏らとともに解決策を探った。

藤田さんは大学生で、個別指導塾で働いていたが、「コマ給」という仕組みで給料が発生していたという。つまり、授業時間以外では給料が発生しないのだ。だから、授業の準備や生徒の相談にのること、各種雑用等は無給ということになる。その結果、実際に働いている時間も含めて総労働時間で割ると、実際は最低賃金を下回っていたという。しかし、室長に文句を言っても改善されなかったという。なぜなら給料を決める権限は、本元ともいえる運営会社本社が握っていたからだ。

今野氏は、ブラックバイトについて「これで人材が育つのかというレベルで大変な問題。過重な責任、低賃金で働かされ、テスト・就活に影響します」と語った。

さらに厚労省が大規模に行った調査がVTRで紹介され、アルバイトで労働条件などの何らかのトラブルを経験した学生が60.5%もいることが分かったという。調査の結果、アルバイトを使い潰す企業の存在が明るみになり、残業させても賃金を払わなかったり、長時間勤務させたり、社員と同じ責任を負わせるなど、ますます卑劣になっているという。この問題について今野氏は「労働市場に出る前に使い潰される」と危惧した。そんなこともあり、今年の春、早稲田大学はブラックバイト対処マニュアルを新入生9500人に無料で配ったという。

「今、アルバイトのあり方が変わってきていて、VTRにもありましたが、社員並みに責任を持たせるという話です。どれくらいひどいかというと、最近大学の先生から言われるのが、要は授業中に出ていくってこと。授業の真っ最中に電話で呼び出しがかかって出ていくんですよ。ゼミ中に職場から電話、ということで出ていくのも珍しくない。テストの時間にシフト入れられテストを受けられない。テスト前にシフトが入り、留年、ひどいと退学ってこともあります」(今野氏)

また、ブラックバイトを経験した男性・加藤さんは、牛丼店でアルバイトをしていたが、人手不足で、いわゆる「ワンオペ」(一人で店を運営すること)をしていたという。研修もあまりなく、仕事内容を覚えていなかったのに店舗を任されたそうだ。牛丼店なのに牛丼の作り方を知らなかったので酷い見た目の牛丼を作って客に渡したこともあるという。常連からは「いつもと盛り付け違う」とも言われたそうだ。

「人が少な過ぎて、文句を言おうとしても、そこにいる社員さんも死にそうな顔をして働いていたので言えず……。給料は基本的にはちゃんと出ましたが、シフトが終わって、手伝って、みたいな時は、無給で働きました。30分ぐらい残された時は出なかったみたいなことはありました」(加藤さん)

ここで、今野氏はブラックバイト対策について言及。フリップには「最低賃金割れ・残業代未払い」「罰金・ノルマ・自腹購入」「偽装求人」「中心的戦力になった場合」とある。

「最初の2つは労基法違反。これは、行政や学生が訴え出ればある程度は解決できる。2つ目の無理矢理買わせたり、罰金・ノルマは労基法違反。皿割って弁償もダメ。違反行為です。問題は3つ目、4つ目です。偽装求人ってのは当初と話が違うってことです。『お前は一人前の働きをしていないから、時給600円で働いて下さい』とかそういうのはザラ。4つ目の『中心的戦力になる』という話は労基法に入らないので、その人が労働組合に入るということ。なかなか解決できない問題です」

ここで番組コメンテーターで弁護士の佐藤みのり氏が「勤務先とバイトの間で明確な契約を決めておけばいいのでは?」と質問。ただし、今野氏は悲観的だ。

「おっしゃることはよく分かりますが、契約書はかなり周到に作られています。『辞めた場合は賠償を……』とかあるんですよ。そんなものは無効なんだけど、そんなことを書いている。すごいのは『3年間の有期雇用』とか、『賠償金払わせるぞ』となっている」

佐藤氏は、「期間に定めのある場合は、やむを得ない事情があれば、解除できるという法律の定めがあります。3年間の有期雇用がある場合、1年後は解除できるってことになっています。法律とか知識を知って自らを防御するのが大事」と語った。


『みのもんたのよるバズ!』はAbemaTVにて毎週土曜日20:00~21:50にて放送中

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