キャリア女子に見てほしい胸キュン映画『ガルム・ウォーズ』~イマドキ女子たちの座談会~

【『ガルム・ウォーズ』公開記念特集 その1】

責任ある役職でバリバリと仕事をこなし、稼ぎもバッチリな「バリキャリ女子」が話題となっていますが、映画『ガルム・ウォーズ』の主人公・カラもバリバリと任務をこなす優秀な戦闘パイロット。いつものように任務で激しい戦いを繰り広げるなか、不思議な老人(ウィド)、そして敵対する部族の青年(スケリグ)と、まさに運命としか言いようのない出会いを果たします。そこでカラは、体を気遣われること、身を挺して守られること、さらには急にファーストネームで呼ばれることなどを初めて経験し、生じたことのない感情に戸惑います。

そうこれはカラに突然訪れた情動だったのです――!


押井守監督作品はその圧倒的な世界観に男性ファンが多く、入りにくい印象を受けますが、女性でもハマっちゃう“胸キュンポイント”があるのです。

そこで5月20日(金)に公開がスタートする映画『ガルム・ウォーズ』を押井守作品初心者と、制作・宣伝の各代表者が語り尽くします! 写真の6名と広報の井上さんを加えた計7名の女子会は必見です(!?)

――(作品を視聴して)初心者おふたりの感想はいかがでしたか?


松本(観客代表):いいところで終わってしまい、この後のことがすごく気になりました。


相良(観客代表):CGもすごくキレイで、映像面はさすがProduction I.Gさんって感じがしましたね。


松本:冒頭の映像は本当にかっこいい!


石田(制作代表):序盤はアニメの力全開な感じで、すごくかっこいいですよね。メカ好きな人は萌えるやつです。


松本:『マクロス』かな~、『FF』かな~って類似作品を思い浮かべながら見てました。


相良:私はロボット系アニメが好きなので、最初の戦闘シーンの躍動感がいいなーと思いました。空中戦がすごくかっこいい!! それと、登場したときは機械的だったカラが、犬のグラに触れたことによって女性的になった瞬間は印象的でしたね。初めて得る感覚っていうのが、あの瞬間にカラの中で生まれたのかなって。そこからだんだん人らしくなっていくさまが、話が進むにつれて感じられたので、機械的な戦う女性……例えるなら仕事に没頭していた人がある日をきっかけに「女性」にコロッと変わってしまう、それこそ恋をしてるみたいな。


井上(広報):それ、周りの女性にすごく説明したんですけど、最初みんなあまりわかってくれなかったんですよ~!


野中(宣伝):わたしも井上さんから聞いたときは最初ポカーンってなっちゃってました……。


――宣伝チームの皆さんは、どのタイミングで見られたんですか?


野中:私たちは先に英語版を見ました。その後に完成した日本語版も見たんですけど、印象は全然違いましたね。


高藤(宣伝):字幕を追っている間に物語が過ぎていっちゃう。


野中:そういう意味だと、すごく日本語版は見やすいなって思いますね。


――スケリグとカラのやり取りって、結構胸キュンポイントなのかなって思うんです。特に見張りをしているシーンのスケリグのたどたどしい感じが。


高藤:初めて女性とふたりきりになって、なにしゃべっていいのかわからなくて、「グラのよだれはベタベタする?」って聞いちゃう。


野中:あれきっと校舎裏設定ですよね!


板垣:そこで男女に置き換えて言うんだったら、「わたしのこと聞いてくれたらいいのにグラのこと聞いてくるの?」って思いますよね。

石田:今まで部族の中にしかいなくて、クローンたちの中で生きていたカラとスケリグが出会った初恋ストーリーだから。あそこの台詞聞いてると、なんかかゆい感じが!


井上:そうやって思うと、本当に部族名とかを必死に覚えなくてもいいんです(笑)。


野中:世界設定をがんばって覚えようとしてたんですけど……いいんですね。


井上:押井さんは腕を組んでキリッとした写真が多いので、なんか小難しい人が小難しい作品を作ってるっていうイメージが強いんですけど、そんなことはないんです。ただそのイメージが強くて、女の子にはあんまり見ていただけていないんですよ。


石田:『ガルム』は巨匠が送る初恋物語みたいな感じ。


野中:超完全にプラトニックですもんね。


松本:アダムとイブじゃないですかー! 林檎がグラになるのかな?


野中:見張りの場面も、グラが寝ていたカラを舐めたから起きたじゃないですか。やっぱりグラがキューピッドなんだなぁって。船が攻められた時にカラが生き残ったのも、グラが原因だからで。


板垣:より人間に近づいてるから、アダムとイブの話にすごくシンクロしていきますよね。それが祝福だったって思ったら、人間になることの第一歩だったのかもしれないですね。


高藤:スケリグとのバトルで、殺されそうになったときに守ったのもグラですよね。


松本:なんだかキュンキュンしてきますね。もっかい見たいな。


――出てくる犬はキューピッドである、と。


野中:そういえば、キューピッドで普段可愛いのに、カラが鳥を撃ったらすんごい勢いで走っていきましたよね。


一同:(爆笑)


相良:餌ー!食い物ー!鳥だー!みたいな!


野中:ちょこちょこツッコミどころあった、この物語(笑)。

石田:森でスケリグが「カラ」って名前を呼んだ時の、「初めてわたしの名前呼んだ」ってセリフもいいですね。


板垣:あれはすごいドキッとしました。人間に置き換えると「初めて下の名前で急に呼ばれた。今まで苗字だったのに!」って。


野中:わたしはその直前の「何かあったら俺に知らせろよ」って(スケリグに)言われるのも、「はい…(キュン)」って思いました!


井上:マナという自分の生命線を1個あなたにあげるっていう話は、ものすごいラブコールですよね。


――めっちゃ強がってますよね。


相良:スケリグが巨人に立ち向かっていく前に1回だけ仮面外して、自分の目でカラを見て――「お前のこと守っていくからな」っていう感じの視線で立ち向かっていくところも胸キュンポイントでしたね。


野中:スケリグが自分のマナをも渡すほどの、カラの魅力って何かな?


石田:カラって強そうで弱いですよね。「強く生きてます」って感じで。


野中:そう、そこがまたずるいんですよね。強いけど、ちょっと弱い隙を見せるっていうやつ。ギャップがいいんですかね?


井上:監督は強い女性が好きなんだと思います。


相良:『攻殻機動隊』とかすごいわかりやすいですね。


石田:強い女に尻敷かれる男好きですよね。


一同:(笑)


高藤:押井さんが敷かれたい、から?


井上:まあ本人の好みは反映されると思います。


――おかっぱ然り。

井上:おかっぱは監督の趣味ですね!(笑)あとはちゃんと話しがデキる人が好きだと思います。


――教養のある女性が好き?


井上:女性に限らず教養のある人って、物事をきちんと話せますよね。教養があって言葉をいっぱい知っているから。だからそういう人が好きで周りに増えていくんです。


野中:なるほど。


井上:何か言いたいことがあるならいつでも来ればいいじゃんって仰るタイプなので。そういう意味ではカラは特に自立してる女の人として描かれていますね。実は押井さんの作品って基本的に女の人は精神的に自立してますよね。


高藤:信念があるっていうんですかね。


相良:もしかしたら、スケリグにとって初めて反抗された女性だったのかもしれないですよね。


高藤:そうなるともう鉄板のシチュエーション!


井上:カラにとっては、初めて対等な男の人なんだろうなぁと。彼女は強いんですよ。ひとりで敵のところに向かっていく。スケリグは初めて敵わなかった相手でもあるのかもしれない。


板垣:ハッとしますよね。そういう人が現れた時って。


相良:強い女性であればあるほど、自分より強い男性が出てくると惹かれるところは出てきますよね。


井上:(物語に出てくる)世代番号っていうのは、死んだり古くなってメンテナンスするために廃棄されると、番号が増えていくんですね。だから世代番号が新しいってことは、交換が少ないってことなんですよ。もちろん、生命体として新しい人もいるんだけど、戦争しているわけだからそれだけ番号が浅いってことは死んでないんですね。ただ強いんですよ。


高藤:あー!長く生きているってことじゃないんですね。


石田:序盤で、カラが1回死んで世代番号が22から23になりましたって出てきた場面は、死んで睡眠巣に入って新しく出てきたから。それが23のまま生き続けられる人だったらその分キャリアっていうか。


野中:じゃあ(世代番号が大きい)スケリグのほうが弱いってこと?


井上:世代番号が大きいのは必ずしも弱いってわけじゃないです。戦闘経験が蓄積されているという証でもあるので。ただ数字が1上がる寿命が1年って決まっているわけじゃない。死ななければ個体は1が10年あるかもしれないし、死んじゃったから3日で1が終わってるかもしれないし。ちょっとそこが伝わりにくいんですけど、今回の物語の本題に世代番号の意味はあんまり関係がありません。でも逆に言えばカラの数字が浅いのには強さの象徴でもあるんですよ。


相良:番号で言うと、ナシャンの番号が666だったことに引っかかりがきました。666って悪魔の番号なので。


野中:え、そうなの?


相良:その番号は不吉な感じはしました。ずっと黙ってるけど、ただの人物じゃないぞと。


――やばいヤツ感が(笑)。

井上:他には「妬む神」っていうのは聖書に出てくる話です。そんな小ネタはいっぱいあるんですけど、その知識を知らないとおもしろくないってことはないんです。ただ、それを「知らないから見れない」と思ってる方々はすごく多くて……。


相良:知っておくとちょっと引っかかる点が多くなるだけで。


井上:あとで「そうだったのか!」って思った瞬間が、知っている人のプラスの楽しみなんですよね。


石田:だから何回でも見れるんですよ!


――知らなかったことをそれで学ぶ、みたいな感じですよね。


高藤:私も何回も見てますけど、こういうカットあったっけって毎回何かに気付きます。


井上:例えば、よく見るとグラは結構スケリグのそばにもいるんです。ただ、手は触っていない。


野中:キューピッドだから、カラとの相手の男を一応見ておかないと。


――キューピッドっていうか、仲人のおじさんみたいな(笑)。


板垣:見張りの夜にふたりきりにさせるぐらい、グラにも責任はあるわけだから。


野中:たぶんガルムたちは睡眠欲も、痛みなどの感覚もあるので、絶対気持ちいいっていう感覚もあるはずなんです。スケリグもあるはずなんですよ!


石田:知らないだけで。でもそういうのがないからこそのそわそわ感かも。


相良:すごくピュアな恋愛! まだ何も知らない中学生の恋模様みたいな。


松本:周りから「それって恋だよ」って言われないと気付かないですね。言ってあげたい!


石田:押井さんの作品って男性が見守ってること多いと思います。

――『パトレイバー2』なんかは失恋の恋愛物語ですしね。


高藤:『パトレイバー2』が恋の話だって知らないですよね。ロボットの話ってみなさん思ってません?


井上:だからもったいないなって思うんです。『スカイ・クロラ』もラブストーリーの側面があるんですけど、やっぱり戦闘シーンもすごい作品なので。


板垣:あれすっごい究極のラブストーリーですよね。


野中:……ロボットの話だと思っていました。ラブストーリーだと聞いて、改めて見てみたいです!


井上:『ガルム』は、お仕事ちゃんとしてて、精神的な自立をしていて、異性にも負けない強さを持つ女性たちもすごく感情移入できると思うんですね。わたしのほうが頑張ってるんだぞって感じがあるんだけど、そういう思い込みを潰してくれる男の人に出会うことで恋に落ちているので――。


板垣:いいですね、思い込みを潰してくれる人!


井上:カラは戦士なので、初めて背中を預けられる強い相手がスケリグだと思うんです!


相良:素子とバトーですね。


――押井守作品ってけっこうピュアですよね。


井上:特に男性側がピュアだと思います。


石田:男性側が追っかけて、でもそれに構わず女の人はやりたい放題やる。やりたいことに真っ直ぐっていう感じが多いですよね。


高藤:常に同じテーマですけど、それは何故ですか? そのテーマが好きなんですか? それとも世の男性に気づいてもらいたい?


井上:うーん、どっちでもないと思いますよ。押井さんの思う男性像、女性像的なところは作品に出てるかもしれませんが、それを意識して作品を作っているわけではないので。


石田:世界観を作った上で、キャラクターをどう動かすか、どう遊ばせるかってところで、ピュアな恋話になっているだけかと。世界観第一。「この世界を伝えるんだ」の中のキャラクターたちがそうなるだけです。


――世界観があって、押井監督の世界観っていうのが全面に出たときに、その中に付属してピュアなストーリーもある。そういった意味で『ガルム』や『パトレイバー2』、『スカイ・クロラ』を見ていくと、これも恋バナじゃんっていうところが見えてきますよね。

相良:案外女の人もすんなり見れるんじゃないかって思います。


井上:シュッとした俳優さんたちもかっこいいですけど、全然ワイルドもいけると思うんで、スケリグいけると思うんですよ!


松本:スケリグは萌えポイント高いですよね。不器用さありつつ、ワイルドさありつつ。


井上:リーダーシップもあって。


相良:でもちょっとカワイイところもある。犬のよだれとか茶目っ気ポイントですよね(笑)。それと世界観が出来上がってる中に恋模様がスッと盛り込まれてるのは、とても好感触です。よくよく考えてみればここのふたりってこうなんじゃない?っていう、伏線を探すのがすごく好きで。『ガルム』にも伏線がたくさん張り巡らされていそうです。


井上:押井さんの作品って、そういうのいっぱいありますよ。


石田:わたしこの作品10回くらい見てますけど、いっぱい見つかるから何回でも楽しめる。


松本:考察するの楽しいですよね。


井上:ぜひ英語版と比べていただきたいです。英語版から日本語版の順で見るとびっくりすると思うんです。カラって名前を呼ぶシーンも、どのテンションで呼んでいるっていうのが文字だけではうまく伝わらないかもしれない。吹き替えではイントネーションでかなり入ってきやすいんです。逆に日本語版を見てから英語版を見ると、思っていたよりもわかりにくいじゃんっていうことはないと思います。


石田:英語版は文字で平坦になっている分、考察する力の高さを求められたりするかも。


――教養を深めるなら英語版を見て深めていこう、と。


井上:例えて言うなら、日本語版と英語版で違いを探すことができますね。ニュアンスが違うとか、日本語のほうが楽しめるとか。なので、わたしはどっちも見てほしいです。

――では、最後におすすめポイントなどありましたらお願いします。


高藤:井上さんと話していたことを共感してくださる方がいて、嬉しかったです(笑)。


石田:意外に女性目線で見てみると、また違った感じに見えてきました。女の人だと後半がメインなのかなーと。最初は音楽と絵を楽しんで、後半の恋愛模様も楽しんでください。


野中:戦隊ものとかヒーローものとか、そういう男が好きそうな映画ですけど、全然女性でも楽しめるポイントがあるって断言できますね。


板垣:「恋だよそれは」って突っ込みながら見てもらえると、女性はすごい楽しめる映画かなって思います(笑)。


松本:今までは難しい世界観っていう印象が強くて手が出し辛かったんですが、今回実際に見てみて、すごく純粋で入りやすい作品なんだなという真逆の感想を持ちました。帰ったら『攻殻機動隊』など、押井さんの他作品も見てみようと思います。


相良:用語や設定がいっぱいあって消化しきれていなかったところが、みなさんと話すことによってこれはピュアな恋バナだと気付けました。見た後に誰かと共有するのも結構大切なのかなと。ひとりじゃなくて誰かと一緒に見に行くのが、この映画はいいのかもしれない。女の子同士でもいいし、それこそ男の人と見に行って恋のシーンを振り返るのもいいのかもしれないですね。


井上:監督の今までのイメージを一度忘れていただくには最適な作品だと思います。女性でもとても見やすい点がたくさんあるので。特に最近のお仕事を頑張る女性にはぜひ見ていただきたいです!


女性目線で押井守作品の魅力を改めて認識した『ガルム・ウォーズ』。ひとりでじっくり鑑賞するのもいいですが、誰かと感想を共有されてはいかがでしょうか? ピュアな恋の話に発見がたくさんあるかもしれませんね。

(C)I.G Films

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