超タブー「神父の幼児虐待」に斬り込む実録映画 オスカー受賞作『スポットライト 世紀のスクープ』

第88回アカデミー賞で、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や、レオナルド・ディカプリオ主演最新作『レヴェナント 蘇えりし者』などの並み居る強豪を抑え、作品賞と脚本賞をW受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』。

『マッドマックス~』や『レヴェナント~』などと比べると、どうしても「地味そう……」とか「小難しそう……」とか思いがちですよね? いま「ですよね?」って、読者を巻き込むイヤな書き方をしましたけど、何を隠そう、これを書いてる俺がそうなんですよ。もう長らく「予告編で爆破シーンがないと観る気失せちゃう病」っていう例のアレ。……ダメ! 食わず嫌いはダメ!そう奮起して観てみたら、これが信じられないぐらい熱くなれる映画でした!


舞台は米マサチューセッツ州ボストン。地域密着型の新聞「ボストン・グローブ誌」の特ダネすっぱ抜き連載コーナー「スポットライト」は、4人の少数精鋭チームが取材、執筆を行っていた。そんな中、ボストングローブ紙に新しい局長がやってくる。

彼は赴任早々「ねぇねぇ。神父が幼児虐待して裁判になった事件があったよね。アレ、どうなった? 続報は?」と切り出してきた。「神父が幼児虐待」なんて超タブー。警察も弁護士も裁判所も教会も必死の隠蔽大作戦で、真実は闇の中なのです。

しかし、怖いもの知らずの新局長はスポットライト班に、神父の幼児虐待事件を追うことを緊急要請。こうしてスポットライト班が地道に事件を暴いていくわけですが、この事件、追えば追うほど胸クソが悪くなることだらけ……。敵は多いし、巨大すぎる! どうする!? スポットライト班!


というわけですが、本作は実際にあった出来事を基にした実録映画。なので、カトリック教会の神父が幼児虐待を行っていたというのも実話。そして、スポットライト班がそれを追ったということも実話!

そんなデリケートな題材なので、この映画は常に冷静、淡々と進行していくんです。それでいて、中高生なんかが観たら「俺、記者になろう!」とか夢描いちゃうぐらいの熱いジャスティスがそこかしこに充満。「カトリック教会? ピンとこないよ~」とか敬遠せずに観て! 気軽に観れる類の映画ではないけど、少数の正義が巨悪と戦う熱いヒーロー映画です!

文・市川力夫


『スポットライト 世紀のスクープ』4月15日(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国公開

Photo by Kerry Hayes (C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

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