危険な品々、ネットで簡単に購入可能状態に…法律で取り締まることの難しさ

 今年1月、放射性物質であるウランがインターネットのオークションサイトに出品されていたという衝撃のニュースが報じられた。出品者の男性が警察の聴取に対し「海外のサイトで購入した」と話したとされ、原子力規制委員会が「ウランなどの放射性物質の許可・届出がない取引は法令違反」と注意を呼びかける事態に発展した。


 ネット関連の問題を取材している『ラジオライフ』誌の小野浩章編集長は「研究機関や専門業者などが正式な手続きを踏まないと買えなかったものが流出、それを悪用する人が増加している」と指摘、表面化しているのは氷山の一角だと警鐘を鳴らす。

 番組が動画投稿サイト上で見つけたのは、マッチや紙に火が付くほどの強力な威力がある高出力レーザーポインターの映像。法律で販売が禁止されている製品だが、これもネット経由で海外の事業者から簡単に購入することができるという。


 日本語で書かれた中国の業者の通販サイトを見てみると、車の防犯装置「イモビライザー」を無効化できるツールとして車窃盗団が使用していた通称「イモビカッター」や、パソコン本体とキーボードの間に接続すると、入力した内容がそのままテキスト化されるという「キーロガー」など、国内のオークションサイトでは出品が禁止され悪用すれば犯罪になってしまう製品が購入できる状態になっていた。

 こうした製品の売買は、いまや匿名化ソフトを使用しないと閲覧できない通称「ダークウェブ」からチャットアプリにまで広がっているというが、闇サイト問題やIT系の犯罪に詳しい深澤諭史弁護士は、その根絶の難しさを指摘する。


 「大手通販サイトの中にはフランチャイズのような形で個人が製品を販売しているものもあるが、出品前にOKなものかどうかを一つひとつ調べるのは現実的に難しい。企業としても利益に繋がる作業ではないので、極端な話が優先順位は高くならない。また、刑事弁護の現場では、独特の業界用語、隠語を使う方も多く、用語解説した弁護士向けの本が出ているくらいだ」。

 また、販売することが違法とされるものを購入した場合はどうなるのだろうか。


 「けっこう難しい問題だが、販売だけを禁じていて、"購入してはならない"ということが法律にしっかり書かれてない場合は適法になる可能性が高い。売る側がいれば、絶対に買う側がいるので、あえて買うことを禁止していなければ、法律を作る側が今のところ買うところまでは規制していないのではないか、という解釈になる」。

 また、先に挙げたような製品については、単純に所持しているだけでは取り締まることができないという問題もある。


 「規制が甘すぎるんじゃないか、とか、持っているだけで逮捕したらどうか、といった意見もあると思う。ただ、法律というのはある意味で強力なものなので、何でも禁止にしてしまうと自由が制限されるし、場合によってはイノベーションも制約を受けるだろう。例えば汚い言葉を使うのだって悪いことだが、"汚い言葉を使った人間は刑務所に行け"は、厳しすぎるだろう。だから法律を作る人たちの基本的な考え方として、世の中の悪いモノ全てを禁じるのではなく限定して法律に定め、中でも特に悪いものを犯罪としている。例えば不倫は違法行為だが犯罪ではない。これは"不倫は文化"どころか犯罪だった時代もあるが、個人の私的な場所に規制が立ち入りすぎることになるので、違法だけれども犯罪ではない、ということにしている。バランスが大事ということだ。ただ、例えば誰か殺すために製品を用意したとなれば、また別の法律や罪がある。銃刀法に違反しないような小さい刃物であっても、正当な理由なく隠し持っていれば軽犯罪法違反になる可能性もある。基本的に適法だけれども、別の法律でいきなり規制されることはあるので、直接禁ずる法律はなさそうだからといって安易に持っているととんでもないことになるので気をつけてほしい」。

 最後に深澤弁護士は「残念ながら国境を越えてしまうので、ちゃんと情報交換ができるような仕組みを作っていくことが必要だし、ダークウェブでやっているのは足がつかないから。韓国との間では最近、サイバー犯罪条約というものができたが、日本一国の問題ではないので、情報交換、情報取得する仕組み、国際的ルールを作っていくことを頑張る必要があるのではないかと思っている」と話していた。


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