違法ダウンロード対象拡大に有識者ら“緊急声明” 「政府の目的みえず、あまりに拙速」

 「漫画村」などで社会問題になった海賊版サイトへの政府の対策に批判が集まっている。


 これまで違法ダウンロードの対象となっていたのは動画と音楽。今回新たに無断で投稿された静止画も違法ダウンロードの対象となるほか、著作権を侵害するものと知ったうえでスクリーシショットを撮ることも、ダウンロードに含まれるとして違法となる。


 この政府の対策に「やりすぎ」と批判の声があがっていたが、海賊版サイトの“被害者”である漫画家らも反発している。『のだめカンタービレ』作者の二ノ宮知子氏は「誰が頼んだよ、こんなの…」、『ラブひな』作者の赤松健氏は「今回の「違法ダウンロードの対象拡大」については、(1)漫画村タイプの海賊版サイトには効果無し、(2)電子書籍ストアの作品スクリーンショットは結局合法のまま、(3)無関係な国民に広く影響が及ぶ…と『副作用が大きい割には薬効が微妙』というマズい構成」とそれぞれTwitterに投稿。また、日本マンガ学会の竹宮惠子会長は1月25日付の朝日新聞で「公権力による強力で広範囲な法制化は、今まで著作権法上グレーな領域で行われてきた個人活動の一切を拒否するものになる。著作権上グレーな領域での活動が文化発展を支えてきた側面も大いにある。一刀両断の法制化は避けてほしい」と訴えていた。

 さらに19日、著作権・知的財産権の専門家たちが共同で緊急声明を発表。中山信弘東京大学名誉教授を呼びかけ人に、「あくまで被害が深刻な海賊版サイトへの対策に必要な範囲に限定すべきで、国民を萎縮させないことが不可欠」と違法範囲を絞る必要性を訴えている。


 各所から批判があがる政府の対策について、政治学者で東京大学先端科学技術研究センター助教の佐藤信氏は次のように話す。

 「何を対策したいのかよくわからないことが大きな問題。緊急声明の賛同人には、有力な法律学者などの知財の専門家や政府の審議会に入っているような先生も多く、かなり重要な提言をしている。規制拡大は海賊版サイトへの対策ということだが、普通に閲覧する分には規制がかからず、ダウンロード(スクショ)しなければ問題にならないのであれば『規制できていない』『何を規制したいのかわからない』というのはもっともな話」


 また、今回の議論は12月に突如出てきたものだとし、「すでに方向性も決まっているというのはあまりに拙速。パブリックコメントも出してはいるが、意見を十分に反映できているかはわからず、もう少し考えるべきではないか。我々国民にも関わってくるので、問題意識を持って、必要であれば声をあげていくことが重要だと思う」と指摘した。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)


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