ファイナルファンタジーXIVプロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏に聞く麻雀のポテンシャル「24時間、数秒でマッチングする」

 「ドラゴンクエストX」「ファイナルファンタジーXI」と並び、日本を代表するMMORPG「ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)」。全世界で1400万人以上(※)がプレイする大人気ゲームに1月8日、「ドマ式麻雀」と呼ばれる日本式ルールの麻雀コンテンツが実装された。国内外に多くのファンがいる麻雀とはいえ、特定のオンラインゲーム内だけという限られた空間でプレイヤーも相応の数かと思われたが、これが想像を遥かに超える大反響。今や24時間、いつでも数秒以内に麻雀をする4人がマッチングされるという状況で、日々多くのプレイヤーがFFXIV内の麻雀卓に向き合っているという。自らも麻雀ファンというプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に、麻雀が持つ力について聞いてみた。

 小学2年時に両親から麻雀を教わり、高校3年間は部活終わりに熱中した吉田氏が、FFXIVに麻雀を搭載しようと考えたのは、今から約2年前のことだ。もちろんスクウェア・エニックス、さらには日本を代表するRPGのナンバリングタイトルだけに、オリジナルコンテンツをどんどん楽しんでもらうというのが本業ではあるが、プレイヤー同士のチャットツールとしての役割も果たすオンラインゲームの世界においては、その他の遊びがあることの重要さも感じてきた。そこで、本筋のゲームの隙間、プレイヤー同士の会話の隙間を埋めるものとして、麻雀を思いついた。「今の30代ぐらいの人って、『麻雀格闘倶楽部』で麻雀を覚えたという人がすごく多くて。ゲームとの親和性も高いんですよね。その後に民放でも役者さんとかが、ギャンブルではなく、テーブルゲームとして本気で打つ様子が流れるようになって。今だとAbemaTVさんとかも、麻雀のギャンブルイメージを払拭されようという活動をされていますよね」。かつてのギャンブルイメージも薄れた今、ゲームとして提供をしても支障はない。吉田氏はそう判断した。


 いざゲームに実装しようと考え、社内でメンバーを探してみると、やはり同世代には麻雀を“通ってきた”者がいた。中には猛者もいた。「実質4、5人ぐらいでドマ式麻雀を作ったんですけど、リードしたのは麻雀が好きなやつばっかりでしたね(笑)開発なんか、鼻息が荒くて。ちゃんと3Dのキャラクターにツモをさせたいと言うんですけど、袖のある装備だったら牌の山を崩しちゃうし、だったら袖を持つ仕草までやるのかとか。気持ちは分かるんですけどね(苦笑)」。それだけ作り手の思いが強くなる麻雀だからこそ、実装後のヒットもある程度は想定していた。


 ただ、いざ実装してみるや、その反響は非常に大きなものだった。先述の開発陣や運営スタッフが8人集まり、ドマ式麻雀の実装を記念したネット番組を配信してみると、それだけで(アーカイブ含め)19万視聴を数えた。「こんなに潜在的なお客様がいるんだと思いましたね。今の一般的な麻雀コンテンツは、ちょっと玄人志向なものばかりな気はするので、真剣勝負もそれはそれですごく重要ではあるんですけど、興味はあるけど毎日じゃなくていいとか、たまにでいいから思い出したようにやりたい人向けのものがなくて、そこにちょうどドマ式麻雀がハマったんだなという実感があります」と、ライトな麻雀ファンの受け皿としてヒットしたと分析した。

 日本のみならず北米、さらには欧州から多くのプレイヤーが、ドマ式麻雀が楽しめる「ゴールドソーサー」という場所に集まってくる。膨大な量の対局が毎日行われるだけに、超低確率の最高役・役満もちらほらと出始めた。吉田氏自身も、このゴールドソーサー内で、他のプレイヤーと卓を囲んでいる。「そろそろ終わろうかなと思うんですけど、すぐに次がマッチングされちゃうんで、やめられないんですよ。1分ぐらい間が空けば、他のことやろうかなと思えるんでしょうけど」と、うれしい悲鳴を上げている。


 改めて数々のゲームを手がけてきた吉田氏に、麻雀というゲームについて問うと「バランスが絶妙だと思います」という答えが返ってきた。「人によって、その割合は違うとは思いますが、運が7割、実力が3割のゲーム。ただ、その3割がすごく強く出る時もあるし、でもどんなに上手く打ち回そうとも、どうにもならないことがあるのが麻雀で、それが素晴らしいんです。どんなに上手い人も、初心者と打って、いきなりアガられることもある。何度も対戦すれば実力差が出てくるんでしょうが、一発勝負した時に必ずしも上手い人が勝ち切れるわけでないところが、新規の人が入っていくのに絶妙ですよね」と、一気に語った。吉田氏にとって、大きな目標でもあり課題でもあるのが、FFXIVという人気タイトルを、より多くの人に知ってもらい、楽しんでもらうこと。プレイヤーの新規参入のハードルが、絶妙な高さとなっている麻雀に、何か通じるところもあっただろう。駆け出し冒険者が、熟練冒険者とともに旅に出て、いきなり運よく大活躍。そんな麻雀的なRPGが誕生する時が来るのも、夢ではないかもしれない。


◆ファイナルファンタジーXIV


 2010年9月30日にサービス開始。以降、改修もあり2013年8月27日から「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」としてサービスが再開され、拡張パッケージとしては2015年6月に「蒼天のイシュガルド」、2017年6月には「紅蓮のリベレーター」を発売。今年1月8日のパッチ4.5「英雄への鎮魂歌」が公開された。全世界累計では、1400万人以上がプレイしたMMORPG。6種族、2部族、男女の24タイプから自身のキャラクターをカスタマイズすることが可能で、豊富なアバターも人気となっている。


※日本・北米・欧州・中国・韓国の5リージョンの累計アカウント数。フリートライアル版のアカウントを含む。


(C) 2010 - 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

LOGO ILLUSTRATION:(C) 2010, 2014, 2016 YOSHITAKA AMANO

続きを見る

0コメント

  • 1000 / 1000