『翔んで埼玉』ブラザートム×島崎遥香 埼玉県民インタビュー「世の中のディスられている人たち、埼玉を見てみなさい!」

 「埼玉を取り上げてもらえることが嬉しい」魔夜峰央の伝説の“埼玉ディス”ギャグ漫画を実写化した映画『翔んで埼玉』(2月22日公開)出演にあたり、そうポジティブに語るのは、埼玉育ちのブラザートム(Bro.TOM)と埼玉出身の島崎遥香だ。


 『翔んで埼玉』は、埼玉県人が東京都民から迫害を受ける架空の世界を舞台に、東京都知事の息子で名門校の生徒会長・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)と、埼玉出身の容姿端麗なアメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)が“埼玉解放戦線”のメンバーとして埼玉県人の自由と誇りを手にするべく、関東一帯を巻き込んだ戦いに挑む革命の物語。そんな伝説をラジオから耳にする「現代パート」に登場する、埼玉県在住の菅原親子(好海・愛海)役をブラザートムと島崎遥香が演じる。


 一見“都会指数(※)”高めに見える二人だが、もともとは埼京線で東京に繰り出し、池袋を埼玉だと勘違いしていたほどの生粋の埼玉県民。しかし、「埼玉県民は“プライド”という言葉を知らない」と言い切り、どんな形であれメインになったことが嬉しいと喜ぶ。二人は故郷・埼玉についてどのような思いを抱えているのか、上京時のカルチャーショックから埼玉が他の都道府県に与えている意外な影響についてまで話を聞いてきた。


(※その人間が、どれだけ都会的な環境で生活しているのかを表す指標)

ブラザートム「埼玉県民は“プライド”という言葉を知らない」

ーー最初にオファーがきたときはどのように思われましたか?


島崎:原作をテレビで見て知っていたので、「あ~きたか!嬉しいな」って思いました。「実写化するんだ」という驚きもありました。

トム:なんだかよくわかんないんですけど仕事がきて、『埼玉』って書いているので、それだけでこれは面白いぞと。マネージャーも「とんでもなくディスってるものをやるんですけど……」って言うから。その埼玉側だっていうから喜んでやりました。


ーー埼玉ディスに対して、埼玉ご出身&育ちのお2人は抵抗はありませんでしたか?


島崎:全くないですね。


トム:ないよね。


島崎:嬉しいです。ありがたい。


トム:どんなことでもいいんだよね。埼玉って言ってもらえることが、取り上げてもらえることが嬉しいみたいな?今回、埼玉は取り上げてもらったわけですから。(映画の中で)変に取り上げられた茨城とか栃木の人たちの方がかわいそうだよ。(埼玉は)メインですから。


島崎:今回勝ちですね。


トム:勝ちですよ。腐っても鯛ですから。埼玉は主役なんだもん。


島崎:そうですよ。だって「埼玉」って書いてありますからタイトルに。東映で「埼玉」って。


ーーこのお話は関東だから成り立ちましたよね。


島崎:他府県だと怒る人がいると思うんですけど、たぶん埼玉には怒る人はいないと思います。


トム:我々はけなされても喜ぶっていう県民性なので。なんでもいいんです埼玉は。


ーー埼玉プライドみたいなのはありますか?


島崎:プライド…?どこにプライドを持てばいいんですか(笑)。


トム:「プライド」という言葉を知らないよね、埼玉は。


島崎:埼玉に来てご飯なに食べます?なにが美味しいとかもないですよ。


ーー深谷ネギ、美味しいですよね?たまに鍋とかで食べます。


島崎:ふっかちゃん(深谷市イメージキャラクター)頑張ってますね。


トム:そうね。「山田うどん」を見た瞬間に帰って来たなって思う感じだよね。「びっくりドンキー」を見て「あっ、これは(東京から)外れて来たな」と思って、「山田うどん」を見て「(埼玉に)入った!」って確信するわけですよ。境界線はコレだっていう。


島崎遥香、中学生まで「池袋は埼玉だと思っていた」

ーー東京に来てカルチャーショックを受けたことはありますか?


島崎:山手線を見たときに来る本数とか間隔が早すぎてすごいなって思いました。


ーー最初に見たのはいつ頃ですか?


島崎:埼玉県民って、基本早い時期に東京に行きがちなんです。1本の電車でいけるので。


トム:僕は渋谷と六本木で「今日は祭りですか?」って聞いたことがあります。若い頃ですね。20歳過ぎていてもあれぐらいの人がいることは祭りだと思ってましたから。


ーー我々も地方出身なので、母は表参道の人通りをマラソン大会と言っていました。


トム:そうでしょ?山手線でも待っていましたからね、何本も。いつか空くんだと思って。ずっと混んでるとは信じられなくて。


ーー埼玉の方は早い段階で東京に行かれるとおっしゃっていましたが、だいたい何歳ぐらいで行かれるんでしょうか?


島崎:私は小学生のときです。


トム:僕は中学生のときですね。(島崎に)どこに行ったの?


島崎:池袋に。1本で行ける場所に。私、池袋は埼玉だと思ってたんですよ。電車1本で行けるもんだから!でも「東京だったんだ…」って知って。池袋は多分埼玉県民しかいないと思います。


ーー(笑)それはいつぐらいまでそう思っていたんですか?


島崎:中学生ぐらいまでですかね。弟が中学生なんですけど、副都心線で今は渋谷まで一本で行けるんです。私のときは乗り換えなきゃいけなかったので渋谷は憧れの東京だったんですけど、今の子はいいなと思います。


「クラブ(語尾上げ)」「彼女(語尾上げ)」は東京の言葉にあらず 浸透する埼玉イントネーション

(レディの肌には気安く触らない、ギリギリの位置で構えるブラザートム)


ーー東京以外の関東に対するライバル心はありますか?


島崎:千葉は「東京ディズニーランド」のことばっかり言うじゃないですか。それはちょっと違うんじゃないかなってずっと思ってます。だって本当に(千葉であることが)恥ずかしくないんだったら「千葉ディズニーランド」でいいわけじゃないですか。でもディズニーランド側がちょっと恥ずかしいなって思ったから東京の名前を借りたと思うんですよ。ちょっとそこがね、悔しいなと思います。


トム:茨城・栃木の方は関東の方なんですか?僕たちは西東北の方だと思っていたので……。関東は埼玉・東京・横浜なので。西東北の方々のことは言われてもあんまり……。


島崎:茨城は違いますね。意識するとしたら、千葉・神奈川あたり。あ、でも、神奈川には負けてるか(笑)。


ーー私は地方出身なので、上京するまで関東は「全部東京」というようなイメージでした。


トム:どこ出身なんですか?


ーー大阪です。


島崎:大阪栄えてるじゃないですか!


トム:大阪の人は埼玉の人と恋をする率が高いんですよ。


ーーそうなんですか!?


トム:六本木とか渋谷のクラブで遊んでいる人は大阪の人がすごく多いじゃないですか。あと、埼玉の人が凄く多いんですよ。東京の人はほとんどいないです。なので東京に憧れてやって来た大阪の方々は埼玉の方と交際しちゃうんです。そしてそれを東京の人だと思ってるんです。それで、あの言葉を東京の言葉だと思ってるんですよ。「クラブ(語尾上げ)」「彼女(語尾上げ)」とか。


ーーえ、東京の言葉じゃないんですか!?


トム:茨城・栃木ですよ。


ーー東京ではどう発音するんですか!?


トム:「クラブ(平坦)」だし「彼女(平坦)」ですよ。なので、いつの間にかみなさんが憧れてるのは東京じゃなくて埼玉なんですよ。


一同:(爆笑)


トム:「クラブ」、「彼女」、「行くべ」!


ーー東京の人はみんな気づいてるんですか?


トム:東京の人は知っていますよ。これは東京の言葉じゃないって。みなさん西東北の方や埼玉の方と交際して「東京の人ってかっけぇ」って言っていますけど。


ーーテレビとかでもそういったイントネーションな気がしたんですけどね。


トム:その人たちが東京というものに憧れて東京の言葉だと思ってるんですけど、それは違うんですよ。なので、いつの間にかあなたたちが憧れているのはこの2人(島崎とトム)なんですよ。


埼玉県民は神に授かった血を持つ人々

ーーお互いの第一印象を教えてください。


トム:可愛い子だなと思いました。素敵な静かな子だなと。


島崎:だんだん話すようになったんですけど。私は最初はネコかぶりがちです。


ーー打ち解けた瞬間はなにがあったんでしょうか?


トム:ずっと車のシーンなので車内で一緒なんですよ。


島崎:そうなんですよ。ほとんど車の中だったんで。私は(トムさんのことを)「本物だ~」って思いました。


ーー埼玉のことをお互い話したりすることはありましたか?


島崎:なんとなく埼玉の話はしました。


トム:お互い埼玉っていうことだけで、神に授かった血を持ってる人たちなんだって思っているので。特別な血を。埼玉の人は東京人になろうとするじゃないですか。それができるじゃないですか。東京の人は埼玉に来ようとしないでしょ?それだけ俺たちはすごいということなんですよ。自由なんですよ。


ーーもし実際に2人が親子だったら、どんな親子になるでしょうか?


島崎:私たちは埼玉から出てますかね?


トム:もし(娘である島崎が)「埼玉から出る」って言ったらすすめるでしょうね。「どっか1度行っておいでよ。埼玉の良さは1度外に出ないとわからない」って。


島崎:で、帰って来ないんですよね。


トム:なので人口が減ってるんですよね。けど100年ぐらいたったらみんな帰ってくると思うので。すごく増えると思いますよ。


ーーそれで埼玉が発展するという?


トム:発展……どこまで発展したらいいかわからないぐらい発展してるじゃないですか。だって埼玉には高速道路が通ってるんですよ?(笑)


ブラザートム「世の中のディスられてる人たち、埼玉を見てみなさい!」

ーー最後に映画の見どころと一押しポイントをいただけますか。


島崎:これは埼玉県民以外の方が観てどう感じるのかっていうのが今1番気になっているところなので感想が知りたいなと素直に思っているのですが……埼玉県民の方がこれを見て少しでも誇りを持ってもらえたら嬉しいです!持ってもらえるんじゃないかなと思います!


トム:僕は今年日本一当たる映画だと思います。きっと『ボヘミアン・ラプソティ』を抜くと思います。世界興行収益もすごいと思います。それほど本当に面白い、やっと笑えるものができた!世の中のディスられてる人たち、埼玉を見てみなさい!ディスられようがなにしようが、笑ってるんですから。素晴らしいです。


島崎:本当に。まさかの大ヒットみたいに言われても面白いから、本当にヒットして欲しいです!


ーー楽しいお話ありがとうございました!


ストーリー

 娘の結納のため一路東京へと向う、埼玉在住の菅原家。その道中車内のラジオで、ある伝説の物語が流れ始めた。それは、東京屈指の名門校・白鵬堂学院を舞台に、生徒会長・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)と、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出会いから語られる――。見るからに東京都民の麗は、実は手形制度の撤廃を求める“埼玉解放戦線”のメンバーだった。埼玉県人を庇い立てする麗を怪訝に思っていた百美だが、何故か麗に心を惹かれていき、次第に東京と埼玉、そして千葉までも巻き込んだ抗争に巻き込まれていく――。


テキスト:AbemaTIMES編集部

写真:mayuko yamaguchi

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