「チャートは右肩下がりでも、技術の面では右肩上がり」”億り人”ブームが終焉した仮想通貨は今後どうなる?

 ちょうど1年前、仮想通貨交換業者「コインチェック」から約580億円相当の仮想通貨NEMが流出。さらに昨年9月には、交換業者の「Zaif」から67億円分が流出するなどし、仮想通貨の信頼性は大きく揺らいだ。

 騒動後、仮想通貨のマーケットは冷え込み、一時240万円まで高騰したビットコインも、現在は30万円台を推移しており、もはや人々の関心は薄れているのかと思いきや、まだまだその可能性に期待を寄せるひとは多いようだ。スマートニュース社の松浦シゲキ氏も「コインチェックの大塚元COOと知り合いで、ビットコインの話を聞いて買った。お金儲けのつもりはなかったし、今売っても儲かるが、仕組みに未来を感じている」と話す。

 金融庁が仮想通貨を「暗号資産」に改める動きも出る中、30日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、仮想通貨の現在と未来を探った。


■「億り人になりたいです!ちょっとワクワクしています!」

 30日、横浜でアジア最大級の仮想通貨関連イベント「ジャパンブロックチェーンカンファレンス」が開催された。仮想通貨関連の技術を持つ国内外の企業が最新情報を発信する催しで、開催は今回が2度目となる。

 「億り人になりたいです!ちょっとワクワクしています!」

 「私も億り人になりたいなっていうのもあるし、やりたいことがたくさんあるので、そのためにも使っていけたらなと」

 「仮想通貨は世の中的には終わったとか言ってる人とかけっこう多いんですけど、これからなんですよ!インターネットが出始めの時も全然だったんですから。全部がこれからなんで、本当に仮想通貨はこれから伸びしろしかない!」

 仮想通貨の未来にそんな期待を寄せる人もいる一方、セキュリティに不安を覚えるとの話す人もいた。


■「銀行ではシリアのジャーナリストに送金できなかった」

 ジャーナリストの堀潤氏が司会を務め、外資系IT企業業務執行役員の澤円氏や参議院議員の藤巻健史氏らが参加して行われたイベント、「仮想通貨『大反省会』」も、100席ほどの客席はすべて埋まった。福岡から東京・渋谷の会場に駆けつけたという女性は「怪しい情報は怖いので、ちゃんとした情報を知って動いていきたいなというのが思ってはるばる来た」と話していた。

 堀氏は「投資家やZaif立ち上げ前の創業者の皆さんお話を聞いて、取材のために買った。当時はものすごい夢を描いていたし、色々なシステムに使えるブロックチェーンという技術を動かす仮想通貨、という感覚だった。それがいつの間にか逆転し、"どう稼ぐか"という話になってしまった。その基幹技術であるブロックチェーンの話も一緒に後退してしまったのはもったいないと感じる。少額だったから大した額ではなかったが、麻薬のようになるはいけないと思ってバブルの時に売った(笑)」と話す。

 「先日、シリアの状況について現地のジャーナリストの方々とやりとりをして、日本に映像を送ってもらった。報酬を海外送金するためにメガバンクの窓口に行って説明すると、"うちの銀行ではシリア関連の取引は危なくてできません"と言われてしまった。そういうときに仮想通貨の口座をお互いが持っていればすぐにやりとりができたと思う。これからは電子マネーがもっと使いやすくなるし、国が管理しながら現実の通貨と仮想通貨をセットにした運用をしていくのが良いのではないか」。


■「借金をしての投資は絶対にやめた方がいい」

 "仮想通貨バブル"では、1億円以上の資産を築き、"億り人"と呼ばれた人たちもいた。


 「寝てたらお金が増えてくみたいな時もあった。MAXで1億円を超えて、どこまで増えるんだろうという感じだった」。

 そう話すのは、仮想通貨バブルに沸いていた頃、「億り人」として一世を風靡したポインさん(32歳)だ。もともと大手企業に勤める普通のサラリーマンだったが、激務がたたって心身を壊し、3年前にリタイアニート生活に突入し、多額の借金も抱えてしまった。親にも言えず、1人で悩みを抱え込んでいたときに、仮想通貨に出会う。さらなる借金という勝負に出たポインさんは、2017年1月、銀行系カードローンで100万円を集め、仮想通貨への投資を開始。これが奏功し、0.6円で購入したリップルは1年後には400円を超える。借金まみれのニートから、億り人へと見事な転身を果たした。

 ピーク時に比べ、1000分の1くらいに資産を減らしてしまった人もいる中、ポインさんの資産も数千万円程度までに減少しているという。それでも仮想通貨の価値は上がるだろうと考え、一部はそのまま保有している。「暴落したと言われているが、実は2017年6月くらいの水準。バブル期がすごかったので下がったように見えるが、僕が取得した単価の10倍以上にはなっている」。


 現在はプロブロガーとして仮想通貨に関するブログを運営するポインさんだが、「数千円から始められるので、買ってもいいけれど、借金をしての投資は絶対にやめた方がいい」と警鐘を鳴らした。


■「金融のチャートは右肩下がりだが、技術や実証実験では右肩上がり」

 昨年5月に国税庁が発表したデータによると、仮想通貨取引を含む収入(雑所得)について税金を納めた人のうち、1億円以上の収入があった人は331人にものぼる。

 『暗号通貨VS国家 ビットコインは終わらない』の著者、慶応大学経済学部の坂井豊貴教授は「これは1億円の収入があり、なおかつそのうち1円以上の収入が仮想通貨だったという人の人数。"億り人"と呼ばれた人の中で、実際に多くの資産を残している人はそんなに多くない」と指摘する。また、現在2000種類以上も存在する仮想通貨も、自然に淘汰されると話す。

 「ビットコインは象徴。ベネズエラのようなとんでもないインフレ状態になるとビットコインの取引量が増えるし、リラが暴落したらトルコでもビットコインにお金が行った。だからビットコンは残るし、ブロックチェーン技術を応用したスマートコントラクトのプラットフォームで使えるイーサリアム、別の国に送金する時に置き換えて、それから別の外貨に置き換えて、という橋渡しのためリップルは残るだろう」。

 その上で坂井氏は「法定通貨であればある程度は国家が取り締まれる。一方で電子送金の場合、企業にプライベートな情報が筒抜けになる。そういうのが嫌で、もっとプライバシーを大事にしてくれという思想がビットコインの思想の背景にはある。どうしても金融、投機の側面だけ見られるが、技術=ブロックチェーンの部分についてはゲームに応用したり、土地取引に応用したりという動きがすごく盛り上がっている。金融のチャートは右肩下がりだが、技術や実証実験では右肩上がり。その釣り合いが取れてくるのが2019年だと思っている。その点では、価格が落ち過ぎかなと思う」と期待感を示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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