竹田恒泰氏、父・恆和会長の会見受け胸中「悔しい思いをしていると思う。父は曲がったことが大嫌い。私も”嘘だけはつくな”と言われてきた」

 15日の記者会見で身の潔白を主張したJOCの竹田恆和会長。


 「JOCは綿密なヒアリング調査を実施し、契約は適正な手続きを経て締結されたと確認している」

 「私自身は契約に関していかなる意思決定プロセスにも関与していない」

 「私はブラックタイディングス社と国際陸連会長およびその息子がいかなる関係にあったことも知らなかった」

 「当該コンサルト契約は日本法において違法性はない」


 と、手元の資料に目を向けながら淡々と贈賄疑惑について説明。会見はわずか7分で終了し、質疑応答は一切行われなかった。これに対し、詰めかけたメディアからは批判が殺到。対応にあたったJOC広報企画部長の柳谷直哉氏に対し、「これだけ人を集めておいて非常に失礼だ」「言えないことがあるなら、質問に答えられないって言えばいいじゃないか。それができないってことは頭悪いのか、会長は。それすら判断できないのか?」など、厳しい言葉が投げかけられていた。

 報道各社向けの案内には質疑応答について明記されてはいなかったが、通常の記者会見ではその時間を設けることが多いため、今回の批判につながったとみられる。広報担当者は会見開催について「事実だけ竹田から説明したいから開催した」「会見をやりたいと決めたのは竹田元理事長」と説明、疑惑の詳細については「フランス当局が調査中の案件のため」との説明が繰り返された。

 竹田会長への批判が高まる中、同日夜放送のAbemaTV『AbemaPrime』に長男の竹田恒泰氏が緊急出演、騒動に対する自身の見解を語った。


■「清廉潔白をちゃんと説明しかっただろうし、悔しい思いをしていると想像する」

 竹田氏は「記者と広報担当者のやり取りを拝見していると、もともと質疑応答を含めて30分ということだったが、未明に質疑応答はしないことに急遽決まったようだ。"ヒマじゃないんだよ"とか、結構どぎつい言葉も飛んでいたが、30分のところが7分で終わったら、あれっとなるのは当然だと思う。最終的には、対フランス、ということであのような会見になったんだと思う。つまり喋れば喋るほど、フランスの捜査当局に揚げ足を取られることになりかねない。会見すらも開かず、何も語らないのがベストだった。オリンピックはJOCのものでも、いちスポーツ団体のものでもないので、ここで味噌がついてしまうのは国家的損失だ。父としては清廉潔白をちゃんと説明しかっただろうし、悔しい思いをしていると想像する」と話す。

 一方、スポーツコンサルタントの春日良一氏は「はっきり言って会見自体には失望した。今回の会見内容は調査委員会の過去の説明と同じだし、リリースとも一緒だ。竹田会長がやるべきことは、国内に向けて"自分が正しかった"ということを繰り返すのではなく、開催国の責任者として、オリンピズムに基づいたステートメントを発言すること。喋れば喋るほど不利になるという状況であるにも関わらず記者会見を開く意味は、度肝を抜くような声明によってこの状況を革命的に展開すること。そうすればIOCやフランス当局にも響くと思っていた。だからそこはJOCの広報も考えないといけなかったと思う」と指摘した。

 竹田会長は会見で「招致委員会の元理事長として説明する」と前置きしている。


 これについて春日氏は「JOCと招致委員会は別組織だ。開催権を得る戦いのために作られるのが招致委員会で、IOC総会で開催国が決まった瞬間、組織としては解散する。そしてJOCと開催都市である東京都が一体となって組織委員会を作ることになる。つまり、今回の問題で責任を負わなければいけないのは、すでに消滅している招致委員会だ。竹田会長は招致委員会の理事長だったし、JOCのトップとして責任を取ろうとしている。そもそもJOCがもっとちゃんとしていたら、コンサルタントを使わなくても招致活動ができたという問題もある」と説明した。


■「あまりにも無理くりな、不自然な話」

  今回フランス当局は、そんな日本の招致委員会がシンガポールの会社に支払った2億円あまりが集票工作の賄賂に使われた疑いがあるとみている。この疑惑の焦点となっているこの「コンサルタント料」とは、一体どのようなものなのだろうか。

 一般に、オリンピック招致のコンサルティング業務には(1)助言(2)プレゼンテーションの演出(3)PR・ロビー活動がありとされている。


 春日氏は「IOCにいる100人くらいの委員がそれぞれどこに投票するのか、招致活動の中で情報収集し、票読みをする。当時、東京に足りなかったのがアフリカの票だ。そちらの情報収集に強いというコンサルティング会社からのオファーを受けるかどうかだが、お金に余裕があれば契約しようという話にならざるを得ない。ロビイングや票を獲得しようというコンサルティング契約のお金についての報告義務はないし、コンサルタントとしては報告するほどの動きはしたくない。だから"全部自分たちに任せてくれ"という話になるし、竹田会長が任せたというのも正当だ。IOCとしても登録されたコンサルタントであれば大丈夫としている。だからそこに不正はないと思う。問題はその後だ。IOCの倫理規定では、委員に金品を送るような招致活動を厳しく制限している。にもかかわらず、当時IOC委員だったディアクさんの息子にお金が渡ったという疑惑がある。さらに息子はお金をフランスで高級時計に変えていて、それがマネーロンダリングの一端なのではないかとフランス当局は問題している」。

 竹田恒泰氏は「この件は3年前にもさんざん話題になったが、そこから新しいことは何もない。国会でも衆参で参考人招致され、東京地検も動いたが、結局終わっている。賄賂の目的を持ってお金を渡したら贈賄になるが、本人はそんなことは意図していないと言っている。すでに第三者委員会がヒアリングして、問題なしという報告も出ている。フランスの司法当局からも2年前の段階でヒアリングがあったが、それも終わっている。あまりにも無理くりな、不自然な話なので、なんなんだろうなと思っている」と話す。

 「ディアク氏にお金が渡った可能性は高いと思うが、問題はお金をばらまくことによって票を獲得するつもりだったかどうかで、それを父がやったのかどうかだが、私の見解だが、はっきり言ってあり得ない。うちの父は曲がったことが大嫌いだ。石橋を叩いて壊してしまうような人だし、とっぽいようなところにスッと乗るようなタイプでは絶対にない。私も小さい時から"嘘だけはつくな。曲がったことはするな。都合のいいものには絶対に何かあるから"と言われてきた。過去に文部科学大臣が国会で答弁していたが、ある大手広告代理店の推薦でブラックタイディング社を勧められ、招致委員会で正当な稟議規定で上がって決まったもので、最終的に理事長である父が承認した。会見でも言っているように、正当な手続きを踏んでいる。ディアクさんたちは、そもそも別件で国際指名手配されている悪い人たちだ。父はその2人が絡んでいるとは思わずに承認した。それなのに、今の段階で犯罪者扱いされるのはおかしい」


■「"いっちょやったるか"という、ゴーン氏逮捕への報復だ」

さらに竹田氏はフランス当局への不信感を露わにする。


 「私は法学者なので、その見地から見ても、普通に見たら起訴不可能だ。フランスは一体何を捜査して、どんな新しい情報を手にしたのか。父が賄賂を渡した証拠が一つでも出てきたのか。日本では捜査していないようだし、あまりにも不自然。父からヒアリングすることは去年の夏から決まっていたということだが、ゴーン氏が逮捕されるといきなりトーンが変わって、いきなり犯罪人だと推定しながら詰めてくる感じになっている。ゴーン氏の待遇にフランス人が相当怒っているので、フランスの司法が"いっちょやったるか"となったんじゃないか。報復ではないことを願っているが、もし報復だったらやっかいだ。国策捜査となると、"日本人をちょっとビビらせてやろう、やった、いけ"と、犯罪者ではないものを無理やり国ぐるみで犯罪者に仕立てることも起こりうる。日本人はもう少しフランスに対して怒った方がいいと思う」。


 春日氏は竹田氏の見解を受け「僕はゴーンの報復ではないと思っている。竹田(恒泰)さんは証拠がないとおっしゃるが、おそらく何かを持っていたから、予審に踏み込んだ。それは竹田さんを挙げるためではなくて、ラミン・ディアクを挙げたい、そのための仕事を一生懸命にやっているということだと思う。私も竹田さんに罪があるとは思っていない。また、今回のことでオリンピックの開催自体には問題ないということははっきりと言っておきたい。IOC会長もお墨付きをしている。竹田さんの保護にも乗り出すと思うので、そこは楽観的に見てもいいと思う」と述べた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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