アジアカップ初戦・トルクメニスタン戦が簡単に勝てない試合になる理由とは?

 絶対に負けられない戦いがそこにある――。あまりにも有名になったサッカー日本代表戦のキャッチコピーだが、今日(1月9日)、日本代表は「絶対に負けられない戦い」アジアカップの初戦を迎える。

 アジアカップというのは4年に1回、アジア王者を決める大会として行われる。ヨーロッパにおけるEURO、中南米におけるコパ・アメリカ、アフリカにおけるアフリカ選手権と同じ位置付けだ。


 日本は1992年、2000年、2004年、2011年と4回の優勝を誇る。これはアジアカップでは単独の最多だ。ただ、オーストラリアで行われた2015年大会ではベスト8でUAEにPK戦の末に敗退。今大会では「アジア王者」の称号を取り戻すことが求められる。


 チームを率いるのは、ロシアW杯終了後、西野朗監督の後任として就任した森保一監督だ。サンフレッチェ広島でJリーグ3度の優勝を成し遂げた実績を買われた50歳は、トルクメニスタンとの初戦を控えてこのように語っている。


「経験の浅い選手たちには自分の未知を切り拓いて、新たにステップアップしていく意気込みを持ってプレーしてもらいたい」


 アジアカップのメンバーには、ロシアW杯で日本を引っ張った本田圭佑、香川真司、長谷部誠、川島永嗣といった30代の選手はほとんどいない。森保監督は日本のW杯史上最高成績のベスト16となったチームから大幅にメンバーを入れ替えた。


 新生日本代表の象徴となっているのが、中島翔哉、南野拓実、堂安律の“新ビッグ3”だ。森保監督はロシアW杯に出られなかった若手アタッカー3人を2列目に並べた。


 多彩なテクニックを生かして相手を手玉にとる中島、ゴールへ貪欲な姿勢とキレのある動きが持ち味の南野、小柄ながらも強烈なシュートで打開する左利きの堂安。3人が組み合わさった、技術とスピードが組み合わさった攻撃は、日本サッカーの新時代への期待を膨らませた。


 コスタリカとの初戦で3-0という華々しいスタートを切ると、10月には世界的強豪のウルグアイに4-3で打ち勝った。森保ジャパンの戦績は5戦4勝1分。ここまでは順風満帆といっていい。


 しかし、アジアカップは簡単に勝てる大会ではない。思い起こせば、優勝した2011年のカタール大会は苦戦の連続だった。


 アルベルト・ザッケローニ監督就任後、同じように無敗でアジアカップに挑んだチームの初戦は、ヨルダンと引き分けから始まった。第2戦ではGK川島が「中東の笛」とも呼ばれた不可解な判定で退場。準々決勝のカタール戦も2度もリードされながら3-2で勝ち切った。


 2011年大会は、オーストラリアとの決勝で李忠成の美しいボレーシュートで勝った場面が印象的だが、一歩間違えればグループリーグで敗退していてもおかしくなかった。


 当時を知る長友佑都は「今の雰囲気は2011年にちょっと似ている」と警鐘を鳴らす。

「2011年の時は優勝したんですけど、ホントにギリギリの戦いで僕ら上がっていって、その中でみんなが成長していって、優勝できた。あの時もすごい気持ちいい状態で入ったんですけど、足元をすくわれかけました。今回とちょっと似ているなと。若手の選手には『気を引き締めないと』っていうのを伝えたいと思います」


 “新ビッグ3”のうち、中島は大会前に負傷してメンバーから外れたが、南野、堂安、20歳の富安健洋など、今大会で主力として活躍が期待される選手には、アジアの厳しさを肌で感じたことのない選手も多い。


 初戦で当たるトルクメニスタンはFIFAランク127位(日本は50位)と、実力的には格下といっていい。しっかりと守備を固めてカウンターを仕掛けるというスタイルを得意としており、日本はボールを持って攻める時間が長くなると予想される。


 これまでの相手とは異なる割り切った戦い方や、タイトルのかかった真剣勝負の雰囲気、日本の歯車を狂わせる要因はいくつもある。


 初戦で戦うのはトルクメニスタンだけではない。アジアの難しさを肌で感じ、個人としてチームとして一つずつ乗り越えていく。その先にアジア王者が見えてくる。


 予想サイトの『SUPERCHOICE』では、今回の日本代表戦で「初戦に勝利なるか アジア杯の日本代表対トルクメニスタン代表で勝利するのは?」、「この試合で日本代表のファーストゴールを決めるのは?」という投票を開催中。日本代表の勝利は1.15倍、トルクメニスタンの勝利は14.04倍、引き分けは13.87倍となっている。


文・北健一郎(SAL編集部)

写真・田村翔/アフロスポーツ


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