初代女流“最速最強”伊藤沙恵女流二段!里見香奈女流四冠をフルセットで下す/女流AbemaTVトーナメント

 女流棋界の「最速最強」決定戦、女流AbemaTVトーナメントの決勝、里見香奈女流四冠(26)と伊藤沙恵女流二段(25)の対戦(三番勝負)が1月3日に放送され、伊藤女流二段がフルセットの末、2-1で勝利し、優勝を果たした。伊藤女流二段は、男性棋士によるAbemaTVトーナメント(持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算)への出場権を獲得した。

 大きな壁を乗り越えた。フルセットの末に果たした“里見超え”。普段は落ち着いた様子で語る伊藤女流二段だが、直後には「もうずっとドキドキして、本当に(対局が)終わるまで。ちょっと今もまだドキドキしてるんです」を、頬を染めた。誰もが認める最強女流と、お互いの持ち味を出しつくした三番勝負を制しての優勝は、公式のタイトル戦にも匹敵する胸の高鳴りを呼び起こした。


 第1局は、作戦が見事にはまった。伊藤女流二段が採用したのは、古風な戦型。里見女流四冠を抑え込みにかかり、手も足も出させなかった。解説を務めた橋本崇載八段も「意外な差がつきました。何も悪いところがない会心譜だったかと思います」と語るほどの完勝だった。1回戦から無傷の4連勝で勝ち上がってきた最強女流に初黒星をつけたことで、精神的にはまず一歩リードした。それでもあっさり越えられるほど、その壁は低くなかった。第2局は一転して里見女流四冠のペース。今度は逆に完敗した。

 そして運命の第3局。伊藤女流二段が選んだのは、積極的な戦いだった。これまで激戦続きで勝ち抜いてきたが、それらと比べてもさらにアグレッシブに動いた。居玉のままで果敢に動き、その指し手には迷いなし。どんどん指し進め、考える時にはしっかりと時間を使う。持ち時間が増減する今回のルールに一番適応したのも、伊藤女流二段だった。


 女流棋士として、真っ先に目標として口にするのタイトルの獲得。どうしても欲しいものを、目の前の相手は34回も手にしたことがあった。「里見さんのこと考えるとあんまりいい思い出がないので、昔のことを思い出さないようにというか、何局か戦ってみて、里見さんの強さが出やすい将棋にはしたくなかったです」と、これまで何度となく苦渋をなめてきたことを思い出していた。「いけそうなところから負けた将棋もたくさんありましたし、悔しい思いをしてきているので、いくら非公式戦とはいえ、勝ちたいなという思いは強かったですね」と、参加した女流棋士の中でも、ひときわ“打倒里見”の思いは強かった。


 2018年の公式戦では、男性棋戦にも女流枠で参加し、里見女流四冠、渡部愛女流王位といったタイトルホルダーと肩を並べるように白星を挙げた。今回の優勝で、AbemaTVトーナメントへの出場権も得た。「(男性版は)持ち時間5分で(加算が)5秒って、どれだけ短いんだという恐怖はありますが、やっぱり放送できるものにならないといけないなという感じなので、トーナメントが始まる前に練習したいと思います」と、意気込みを語った。新たなステージを迎えようとしている女流棋界。その中心にいる女流棋士の中に、伊藤女流二段は確実に入っている。

◆女流AbemaTVトーナメント 持ち時間各7分、1手指すごとに7秒が加算される、チェスでも用いられる「フィッシャールール」を採用した女流棋士による超早指し棋戦。推薦枠の女流棋士、予選を勝ち抜いた女流棋士、計8人がトーナメント形式で戦い、1回の対戦は三番勝負。優勝者は、第1回大会で藤井聡太七段が優勝した持ち時間各5分、1手指すごとに5秒加算の「AbemaTVトーナメント」に、女流枠として出場権を得る。


(C)AbemaTV


▶【見逃し視聴】女流AbemaTVトーナメントついに決勝!

続きを見る

0コメント

  • 1000 / 1000