「リーマン級」の経済不安が安倍政権の“追い風”に? 総理が描く“ベストシナリオ”とは

 株式市場が災厄ともいえる急落に見舞われた。日経平均株価の動きを見てみると、10月2日の最高値は2万4270円62銭だったのに対し、12月25日の終値は1万9155円74銭とおよそ3カ月で5000円も下がった。


 アメリカの動きに引っ張られた日本の株式市場。アメリカのトランプ政権は、野党との対立から予算案が通過せず、一部政府機関が閉鎖。加えて、マティス国防長官が政権を去ることが発表され、人事的な不安からマイナスの影響を及ぼした。「一時休戦」したかに思えた中国との貿易摩擦も、12月初めに中国の通信大手「ファーウェイ」の幹部が逮捕され、再び先行きに不透明感を与えている。


 日経平均株価が「リーマンショック級」とも言われる下げ幅率を記録する中、安倍総理は今年1月に「リーマンショック級の出来事がない限り、消費税率を2%引き上げ、10%としていきたい」と発言しており、今後凍結があるのか、注目されている。


 社会学者で東京工業大学准教授の西田亮介氏は、政治的にあり得る今後の展開としてこう述べる。

「安倍総理は『消費増税をやりたくない』と再三言っていた。ただ、麻生副総理は財政再建を重視して『消費増税は必要』と繰り返し訴えていた。政治的にも『(消費増税を)やるしかない』というところに来ている。けれど、今回見方によってはリーマンショック級の経済的な影響が出た。これによって“消費増税再々先送り”を問う衆議院・参議院、同日選挙が実施されるのではないか」


 “消費増税再々先送り”を問う選挙によって議席を増やすことができるかもしれない安倍総理の狙いは一体どこにあるのか。「2018年の国会の議論では憲法改正について活発な議論ができなかった。選挙を行って、多数の議員数を獲得することができれば、憲法改正の足掛かりになる」と西田氏はいう。


 しかし、憲法改正の足掛かりとするためには、与党・自民党が選挙に勝ち残らないといけない。西田氏によると、現状は「与党有利」だといい、“安倍総理のベストシナリオ”にこう言及する。


「もともと来年は統一地方選と参議院選挙が重なる年。12年に一度あるこの年は、組織選挙を展開する自民・公明両党に不利だと言われてきた。セオリーではそうだが、いま野党は全国に地方組織を作れていないため、逆に与党有利だといえる。安倍総理は自民党の総裁選ルールの中で3期目の“最後の期”。経済危機の規模と選挙結果によっては“危機管理内閣”として、特例として4期目に突入する可能性もある。安倍さんは歴史に名を残したい、憲法を変えたいと思っている人ですから、在職日数最長内閣ということもあり得る」

 安倍総理が4期目に突入するには、総裁選の任期を変える必要がある。アメリカのトランプ大統領を発端とする経済不安が追い風になる可能性もあるが、西田氏は“諸刃の剣”だという。


「安倍総理は、いままで株価の回復を自身の成果のように言ってきた。もう誰もアベノミクスという言葉を使わなくなったが、安倍総理は株価を回復することに大きな重きを置いてきた。しかし、株価の下落があると『安倍総理の政策に何の意味があったのか?』と言われかねない。“諸刃の剣”とも言える」


 安倍総理はリーマンショック級の経済不安を味方につけられるのか。今後の動きが注目される。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)


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