就活ルール廃止は「学生にメリットなし」“日本型雇用”に変化は

 経団連は9日、2021年春入社の学生から“就活ルール”を廃止することを決めた。現在のルールでは、大学3年生の3月に会社説明会、4年生の6月に面接が解禁されているが、現在2年生の就活からはそうした縛りがなくなる。


 就活ルール廃止の背景には、経団連に加盟していない企業がより早い時期から採用を始め、ルールが形骸化している実態がある。さらに、就職の時期を固定しない通年採用を実施する企業もあり、新卒一括採用という形態にも変化の兆しがあるという。

 世耕経済産業大臣は「当然こういった日程の取り決めの議論も必要だと思うが、それに加えて中長期的な視点からしっかりと議論していくことも重要」だと述べ、一括採用の見直しや中途採用の拡大など、日本型の雇用慣行についても議論すべきだと主張。一方、柴山文科大臣は、学生の不安解消のため早期に結論を得る必要があるとした。


 就活ルール変更で影響が出るのは企業だけではない。大学側からも「就活の前倒しは学業の妨げとなる」「度重なるルール変更は関係者を混乱させる」といった声があがるが、東京工業大学准教授の西田亮介氏は、学生が見通しを立てられないことが一番の問題だと指摘する。


 「ルール廃止後のことが決まっていないと、周りが就活を始めたから自分も始めようという、いわゆる普通の大学生は右往左往してしまう。今の人事の人たちもそうやって就職活動をしてきたわけで、学生が混乱することが一番の不利益」

 では、大学1年生から就職活動を行うような学生も出てくるのではないか。そのような疑問に西田氏は、「全体的に大学は授業の回数をきちんとこなす、出席をきちんと取るという流れがある。学生がバラバラに就職活動をしてしまうと、3年生は(就職活動で)出席を多少猶予できる、といった対応ができなくなるので、大学側からしたら勉強に支障が出ると思う」と懸念点をあげ、「新卒一括採用、年功序列、終身雇用の“3点セット”は、1つが揺らぐと全体に影響が出てくる。海外同様にスキルを身につけてから労働市場に出ていく形になるかもしれない。今回のルールの改正は、あまり学生にとってはメリットがないのでは」と、“日本型雇用”が変化する可能性に言及した。


 なお、昔と今では大学生が置かれている状況は異なるといい、「大学は授業にたくさん出るように、産業界からはインターンや留学に行くように言われていて、アルバイトに恋というのはなかなかできなくなっている。30代後半の人がイメージする『大学生=サークル』でもなく、今はサークルの参加率が落ちている。そういう大学の姿を知ってほしい」と訴えた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)


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