“卒業”徳永有美アナד後任”大木優紀アナ 出産と復帰、キャリアを通して変化したニュースとの距離感

 今年10月からテレビ朝日系『報道ステーション』のキャスターに復帰するフリーアナウンサーの徳永有美。徳永アナは約12年ぶりにキャスター復帰を果たしたAbemaTV『けやきヒルズ』を卒業、後任はテレビ朝日の大木優紀アナウンサーが務めることがわかった。


 アナウンサーで2児の母親でもある2人。“ママ先輩”徳永アナから大木アナへのアドバイスや復帰時の心境、育児と仕事への向き合い方などについて、2人に語ってもらった。


■徳永アナ「復帰初日は手が震えた」

――お二人ともAbemaTVが“復帰後”の初仕事でした。復帰初日のことは覚えていますか?


大木:私は2人目の時に(産休・育休で)1年半休んでいて、いま復帰して1年ちょっと。休みに入る時にはなかったAbemaTVという新しいジャンルが当たり前になっていて。


徳永:私は結構長い時間を経て、しかもAbemaTVっていう全くわからないメディアで、スタッフも非常に若いし「誰なんだこの人は」みたいな(笑)。「すみません、頑張ります」っていう気持ちで始めました。


大木:12年ぶりの「オンエア」はどうでしたか?


徳永:初回は口紅を直そうと思ったら手が震えてて、結構キてるなって思った。それこそスタッフとの距離感もまだ遠いし、何にも頼るものがない状況の中で普通にやらなきゃいけなかった。やっぱり年上だからできると思われていたけど、そういうのが本当に嫌で(笑)。AbemaTVが挑戦するメディアだから「私も挑戦しよう」って思ってシンクロさせてきたのに、私だけ「できますよね?」っていう雰囲気で。

――お二人は一緒にお仕事をされたことはあるんですか?


徳永:(大木さんの)同期の前田有紀とかいっちー(市川寛子)とはそれぞれ仕事をしていたんですけど、大木さんとはそんなに一緒になることがなく。この間久しぶりに子どもの体操教室で偶然会ってびっくりして!


大木:最近はどちらかというと、アナウンス部の先輩というより“ママ友”の先輩なのかなという気持ち。今日も直前まで子どもの話をしてました(笑)。


徳永:大木さんは昔からとにかく元気で笑顔を絶やさない感じ。体操教室で会った時もキラキラした笑顔で「徳永さーん!」って言われた(笑)。


■「私がというよりはみんなが挑戦できる場に」

――キャスター復帰した『けやきヒルズ』での2年弱はいかがでしたか?


徳永:私は元々、仕事を完璧にやってスタッフを引っ張っていくっていうよりは、共有してみんなの力になりたいタイプ。半年経った頃からようやくみんなの考えていることと自分の性格が伝わるようになって、その辺りから自分がやりたいことをスタッフにぶつけるようになりました。スタッフも独自のことをやっていこうというのが芽生えてきたのか、そういうのが重なって「徳永リサ―チ」というコーナーができた。けど、私が私がというよりはスタッフが挑戦したいこと、スタッフが企画したいことをやる場になればいいなと。


 『けやきヒルズ』は子どもがいるママさんディレクターもすごく多くて、彼女たちが頑張って企画して取材して編集したり、他のみんなが挑戦したりする場があるというのはとても楽しかったです。


――印象に残っている放送回や企画はありますか?


徳永:「徳永リサーチ」の和田夏実さん(手話が第一言語のクリエイター)の回津野青嵐さん(「3Dペン」ドレスを生んだデザイナー)の取材が楽しかったです。オンエアでいえば、『新潮45』が杉田水脈議員を擁護した企画について、ゲストに松岡宗嗣さん(ゲイを公表し活動)をお呼びした回。(コメンテーターの)ハフポストの竹下さんも興奮を抑えて話していたし、松岡さんも傷を受けてきたけど「感情的に返しても意味がない」と冷静に言葉にして訴えようという意思を感じた。存分に話を聞けたことも良かったし、その後に東京都議会のLGBTへの取り組みも紹介できて、みんなそれぞれの分野で戦っていることをひとつの流れの中で伝えられたのは震えるような良い形でした。


――後任の大木さんへ何か助言はありますか?


徳永:地上波とAbemaTVの違いってよく言われるんですけど、同じような部分もあるし違う部分もある。違う部分で言えば、スタッフの挑戦心や自由に狙えるところが大きい。だから、大木さんの興味があることとか取材してみたいことがすごく大事なのかなと。彼女はスキルもありますし、『日曜スクープ』(BS朝日)で米朝首脳会談をシンガポールからリポートした時も、自分の言葉で伝えていてすごく上手だった。伝える技術はあると思うので、何を伝えたいのかということと、スタッフの考えをうまく吸い上げていくのがこの番組ではできることだしすごく楽しい作業だと思う。


大木:逆に、徳永さんが好きなジャンルとかこだわっていた部分はあるんですか?


徳永:あんまりないんだけど(笑)。ただ、今までにない感性だったり、自分の知らない領域で挑んでいる人に会ったりするのは、楽しいし刺激になる。それぞれがやりたいことができる番組で、私も企画を積極的に出すようにしていて100本打って1本ホームランになるかならないかだと思うけど、「やりたい」という気持ちをスタッフと共有して少しずつ紡いでいく形を体現できる。


大木:楽しみになってきました。まずはスタジオをちゃんと回せるようにならないと。コメンテーターと2人きりですもんね。びっくりしたのが、それぞれの項目に対して読み尺を出してないですよね。


徳永:読み尺ってなんだっけ?(笑)

大木:この項目56秒かかります、みたいな。地上波だと読み尺を出すのが当たり前で、(スタジオ)受け17秒ですとか刻んで言われるじゃないですか。でも読んだとこ勝負というか、それはスゴイなと思って。1時間パニックな時はないですか?


徳永:全然あります、頭の中がパーっと白くなりかけて(笑)。でも自分が死んだら何も進まなくなっちゃうから。でも、大木さんは『日曜スクープ』も続けるから(ニュースを扱う)バランスとしてはとてもいいよね。


大木:あの番組を始めてから、苦手意識があった政治とか経済とか外交といったネタに関して、初めて自分の言葉で喋ってみてもいいんだって思えるようになりました。まだまだそのレベルですけど。


■出産・育児、キャリアを通してニュースの見方に変化

徳永:大木さんの子どもが5歳と2歳で、ウチが9歳と5歳。子どもができて、仕事の育休や復帰があって、見えてきた景色は違ったりする?


大木:違いますね!それこそ年金とか国の財政問題とか外交問題とか他人事だったのが、50年後もいい国であってほしいなって本気で思えるようになりました。あまり自分には関係のない話だと思っていたのが、グッと近づいてきた気がします。政治とかもそういう観点で見るようになりました。


徳永:私は子どもよりも年齢の方が大きいかな。40歳を超えたあたりでスタジオがすごく楽になった。昔は肩肘張っていたのが、今は生放送の空気感の中で自分が最終的に何を思うかということを大事にするようにしているし、大事にできるようになってきた。それは20代の時には全く見えてなかった。


大木:その境地はまだかもしれないです。何て言っていいかわからない事件とかあるじゃないですか。言葉選びがものすごく難しいシーンとかありますよね?


徳永:どう表現していいかわからなくて、とんでもない言葉を引っ張り出して失敗することもあるけど、自分が感じていることに素直にいればそんなに失敗しないで済むと思う。

大木:その辺の自分の中の常識・良識みたいなものに、40歳という年齢で芯ができてくるんですかね。そこがぶれないから自分が感じたままの言葉を出せる。


 徳永さんは生活時間が変わりますよね。働きながら子育てって体制が全てだと思っているんですけど、体制さえ整えばというところありますよね?


徳永:あります。あと、どんどん人に頼っていくこと。バトン方式みたいに「はいっお願いします」「無理ならあの人に」みたいに(笑)。そういう保険を作っておくと、お互い負担にならない。あとはみんな無理がないように目を光らせるのが私の役目。


大木:家庭内でも司令塔ですよね、わかります(笑)。夫は的確で細かい指示さえすれば、全て完璧にやってくれる。家事も今までできなかったことをどんどんできるようになっていて、パパ猛成長中(笑)。ただ、「600ワットで1分50秒温めて」ぐらいまでものすごく細かく。なんとなくとかフワッとした指示はだめ。


■大木アナ「何をやってもうまくならない…もう16年目ですよ(笑)」

――ここまでのお話を聞いて大木さん、『けやきヒルズ』への意気込みをお願いします!


大木:(番組が)生まれた瞬間から徳永さんが大切に育ててきたものを受け継がせていただく。子育てじゃないですけど、ちょうど可愛い年齢で引き継ぐ感じになります。


 正直に言うと、非常にやりがいがあるという反面、任されている部分が大きくて、言葉は悪いですけど不安になっています。話を聞けば聞くほど私にできるのかなとか、大丈夫かなって。でもきっと、ある程度自分のペースがつかめた時に、その先にやりがいがあるのは約束されているような気がします。とにかく初めは正確にニュースを伝えるという一番の基本を頑張って、それから自分がやりたいことや話したいことに着手しようと思います。


徳永:大木さんはくりぃむしちゅーさんとバラエティをずっとやっていたよね。


大木:バラエティはバラエティでその難しさがあるというか…仕事は何をやっても難しいです! 全然うまくならない…もう16年目ですよ(笑)。


徳永:そういう考え方私大好きです(笑)。


大木:あと衣装とかメイクとかで気をつけることはありますか?


徳永:スタジオはチークいりません!チークをすると痩けて見えちゃう気がするのよね(笑)。口紅は普段つけないような明るめの色を付けるといいかも。


大木:気をつけます!(笑)

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