佐賀空港へのオスプレイ配備の必然性は?森本元防衛相と伊波元宜野湾市長が議論

 先月24日、佐賀県の山口祥義知事が佐賀空港への陸上自衛隊のオスプレイ配備を受け入れると突然表明した。着陸料は20年で約100億円、横田基地に米軍のオスプレイが正式配備されるという発表の2日後のことだった。


 オスプレイが佐賀空港に配備されれば、一度の空中給油で佐世保の陸自駐屯地と尖閣諸島とを直接結ぶことができ、離島防衛能力の飛躍的な向上が期待される。防衛省では2021年度までに17機を配備、他国に侵攻された離島奪還などが任務で"日本版海兵隊"とも呼ばれる水陸機動団の輸送に使用する計画だ。

 この日、小野寺防衛大臣は佐賀県庁で山口知事と会談、「陸上自衛隊の水陸機動団との一体的運用等の観点から、ぜひとも佐賀空港に配備させていただきたいという考えだ。日本の安全保障上、大変重要なことだと認識している」とコメント。山口知事は「空港管理者としても、佐賀県知事としても、今回は国防・安全保障という観点から受け入れるという判断をした」と述べた上で、受け入れの条件について「着陸料として防衛省が(20年で合計)100億円を支払い、県はそれを財源として有明海漁業の振興と補償のための基金を創設する」と説明した。


 山口知事が述べたとおり、懸念の一つが漁業への影響だ。県は佐賀空港建設時、地元の漁協と"自衛隊と共用しない"という主旨の協定を締結していた。山口知事はすぐさま漁協を訪れ、協定の見直しを申し入れるも、"寝耳に水"だった漁師たちは困惑の色を隠しきれない様子だった。


 また、空港に隣接、オスプレイの飛行ルートにあたる福岡県柳川市も「事前協議がなく、一方的な対応だ」として県に抗議文を提出した。朝日新聞によると、金子健次・柳川市長は「完全に裏切られた。怒り心頭で、怒りの矛先を収めることができない」と述べたという。

 8日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した元防衛大臣の森本敏氏は「横田基地に配備されるのは、米軍特殊作戦軍の空輸部隊のオスプレイ(空軍仕様のCV-22)。佐賀空港に配備されるのは陸上自衛隊のオスプレイ(海兵隊仕様のMV-22)。日本がオスプレイを採用し、アメリカから購入、第一番目の運用部隊を佐賀空港に置こうという話」とした上で、次のように説明する。


 「例えば日本の本島からも、沖縄からもかなり離れている尖閣諸島で何かが起きた時、これを奪還するための陸上部隊を船で輸送していると数十時間がかかってしまい、話にならない。その間、相手国がどんどん兵力を増強すれば取り返しのつかない状態になる。結局、佐世保にある水陸機動団を短時間で一気に投入することが必要だ。その点で、オスプレイは1000キロの距離であっても無給油で飛べるので、それが可能になる。普通のヘリコプターのおよそ2倍の速度と4倍の航続距離、そして3倍の搭載量があり、非常に便利だ。また、航続距離から見て、九州に置く必要がある。離島奪還は簡単ではない。しかし、離島をきちんと守るのが国の責任だ」。

 参議院会派「沖縄の風」幹事長の伊波洋一参議院議員は、アメリカ海兵隊がオスプレイを運用している普天間基地普を抱える宜野湾市長の経験を持つ。伊波氏は「"離島奪還"というのは、敵の占領を前提にしている。そもそもアメリカ軍がいるのになぜ占領されるのか、ということに気づかないといけない。それはつまり、日米安保の範囲だが、アメリカは日本の島々を守らない、それは日本の役割だ、ということに日米で合意しているということだ。来月、安倍首相が中国を訪問するが、これは40年前に締結した日中平和友好条約を再確認するようなもので、中国との間では戦争をしないという約束ができている。それなのに、あえて水陸機動団などを置いて戦争の準備をするのか。なぜ横田にオスプレイを配備するのか。こんなことをやっているのは日本くらいのものだ。他国からは、なぜ日本はオスプレイを購入し、アメリカに便宜供与をするのかと思われている。何のための米軍基地、何のためのオスプレイなのか」と疑問を呈した。


 伊波氏の指摘に対し森本氏は「中国は国際法上の武力を使わずに南シナ海で島をどんどん取っている状態だ。現代の国際紛争は宣戦布告もなく、いつの間にか漁船が来て、"漁民を守るための人道支援だ"と言ってそれを守るための船が来て、いつの間にか国旗が立つ。そういう紛争が起きている」と反論していた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


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