竹田恒泰氏「沖縄の基地負担が大きいというのは幻想だ」津田大介氏、森本敏氏らと沖縄問題を議論

 今月30日に投開票されることになった沖縄県知事選挙。米軍普天間飛行場の辺野古移設について推進派の佐喜真淳氏が是非を明確にしていない中、選挙の争点としては経済問題も重要なファクターとなりそうだ。3日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、識者を交え、基地問題について議論した。


 ジャーナリストの津田大介氏は「基地問題か経済振興か、という問題は今に始まったことではなく、沖縄が日本に復帰して以来、国政選挙や県知事選挙で常に争点にされ続けてきたこと。今回の構図を見て思い出すのは、辺野古がある名護市長選挙(2010年)だ。"あまり辺野古の移設を争点にしたくない"という気持ちがあった現職の島袋市長が主に経済振興の話をしたのに対し、移設反対派の稲嶺氏は基地移設反対を強く主張するようになり、結果、1588票という僅差で稲嶺氏が勝つことになった。そして4年後の市長選では、むしろ基地問題が争点となった。つまり基地問題と経済振興は必ずしも対立するものではなく、県民が常にバランスで選択してきたということ。本土にいると見えにくい、この点を理解した方がいいと思う」と話す。

 津田氏が指摘するように、今年2月に行われた名護市長選挙の出口調査の結果(琉球新報調べ)では、基地移設に「反対」が46.5%、「どちらかといえば反対」が15.2%だった一方、「賛成」は13.4%、「どちらかといえば賛成」が14.5%にとどまっていた。それでも開票結果は、移設反対派の稲嶺市長が敗れるという結末に終わった。

 津田氏は「名護市に関して言えば、沖縄の経済格差や、このまま争っても、どうせ国に負けてしまうのではないかという諦めもあったかもしれない。取材の中で見えてくるのは、基地に対する忌避感や、本土にある程度は引き取ってもらって、負担を少しでも減らしてほしいという県民の気持ち。これは各種世論調査でも明らかだ。1955年の由美子ちゃん事件や1995年の少女暴行事件など、日米地位協定によって十分な捜査ができないということが繰り返されてきた歴史もある。有権者は基地問題も大事、経済問題も大事、という中で常に迷っているんだと思う」と分析した。

 これに対し作家の竹田恒泰氏は「沖縄の基地負担が大きいというのは幻想で、オール沖縄や基地に反対している人たちが"数字のマジック"で言っているだけだ。よく"沖縄は日本にある基地の70%を負担している"というが、それは米軍専用施設の話であって、実際の基地の多くは日米共同利用。米軍関連施設を全て含めれば、沖縄にあるのは22%程度でしかない。佐世保や横田の周辺住民が米軍を嫌悪しているような話を聞かない。私も基地の近くに住んでいたことがあるが、そうだった」と話すと、津田氏は「それは普天間・嘉手納の隣で暮らしてみればわかることだ。沖縄が1972年に日本に復帰したときは58%くらいだったし、返還される基地は本土のものが多かったので、沖縄への集中度は上がっていった。そもそも本土復帰のときには"本土並みにする"という話だったのに、なぜ今も沖縄だけが、という不満があるはずだ」と反論した。

 日本沖縄政策研究フォーラムの仲村覚氏は「反基地の人が"70%"という数字ばかり出して世論を誘導しているのは事実だと思う。そして県民に嫌悪感があるのはマスコミが扇動するからだ。琉球新報、沖縄タイムスは本土復帰前から"反米扇動工作機関紙"だった。沖縄の復帰運動を始めたのは共産党で、世論誘導は1960年代から行われてきた。米軍の事件・事故はどこでもそれなりにあるし、たとえば横須賀がある神奈川新聞ではそういう報道はしない。米軍基地や米軍人に嫌悪感を抱いている人がマジョリティなのは報道の世界だけで、普天間基地の開放をすると、道路にまで行列ができて入れなくなる。ハロウィンパーティーを開けば、子どもから大人まで楽しく米軍と過ごしている」と主張。

 その上で「ただ、なぜ米軍基地がこれだけたくさん沖縄にあるのかという認識について、本土と沖縄の人では開きがある。本土の人は"安全保障上の要の場所だから""日米安保で守ってるから"とすぐに答える。しかしそれは歴史を無視した見方だと思う。安保の後に基地ができたのではなく、沖縄戦で米軍が上陸したからできた。そして誰が工事をしたかといえば、私の父や母、捕虜収容所に入れられていた人たちだった。そういう歴史を知っていれば、"基地はあったほうがいいですか"と聞かれたときに、やはり"ないほうがいいです"と答えるだろう。さらに今、中国は尖閣諸島に着々と手を伸ばしていて、那覇基地からは毎日1回以上のペースで自衛隊機がスクランブル発進している。台湾が取られる時は、間違いなく石垣、八重山が同時に取られると思う。沖縄戦の歴史、復帰の歴史、そして最新の安全保障情勢を共有しながら整理しないと、議論をするのは難しい」と訴えた。

 元防衛大臣で拓殖大学総長の森本敏氏は「アメリカ海軍と空軍は"沖縄勤務を命ずる"という辞令をもらい、家族と一緒にやってくる。土日は地元の人と一緒にバーベキューをするなどの交流もするので、県民の親近感もある。ただ、海兵隊の中には訓練だけ受けて、短期間で本国に戻る部隊がある。偏見で言ってはいけないが、そういう部隊の兵員がトラブルを起こしやすい傾向はある。アメリカ政府も沖縄の世論は大変気にしていて、できるだけ大きなトラブルを起こすことなく、安定的に基地と米軍を運営したいという思いが非常に強い。言い方は悪いが、そのために一緒に努力をしてくれと日本政府に圧力もかけてくる。政府としても、沖縄の負担軽減のために返還交渉、基地移転、必要経費を払うといった努力をしてきた。それでも戦闘機の音のせいで子どもが泣き止まない、庭の鶏が卵を産まないなど、米軍の活動によって日常的に様々な負担を受けながら生きている方々が確実にいる。そこはよく考えないといけない」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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