なぜか偏る先手・後手 将棋・藤井聡太七段に思わぬ“壁”今年度22局で先手は6局のみ

 将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(16)の前に、想定外の“壁”が立ちはだかっている。9月3日の棋王戦決勝トーナメント2回戦で、菅井竜也王位(26)に敗れた藤井七段の今年度の成績は18勝4敗で、勝率.818。これでも高校1年生のプロ棋士としては十分過ぎる、むしろ快進撃と言っていい数字だが、今年度の対局の先手・後手を見てみると、先手がわずかに6局、後手が16局と、4局指すうち3局弱は後手番で指していることになる。しかも4敗は、すべて後手番だ。今後、菅井王位のような強敵とぶつかる機会も増えるだけに、将棋の実力とは関係ない「振り駒」の部分で、まさかの悩みが出てきた。

 藤井七段の年度別の先手:後手を見てみると2016年が全10局で6局:4局。続いて2017年度は73局で32局:41局と、9局も後手番が多かった。そして2018年が22局で6局:16局。なぜか今年度は、ことごとく後手番で指すことが多くなっている。順位戦のように、予め先手・後手が決まっているもの、番勝負のように先手・後手が交互に入れ替わるものを除けば、対局前の振り駒によって決まる。いわば今年度の藤井七段は「振り駒運」が、ついていないわけだ。なお、過去105局の勝率を見ると、先手番なら.909(40勝4敗)、後手番なら.803(49勝12敗)と、どちらも驚異的な数字であることに変わりはないが、とはいえやはり先手番の方が1割以上、勝率が高い。


 そもそも将棋は、相手の玉を先に詰ますことができれば勝ちのゲーム。実力が伯仲するほど、この先手・後手が勝負の大きな要素になる。かつて羽生善治竜王が、ここぞという対局で先手番となることから「振り駒まで強い」と言われたこともあり、その羽生竜王はかつて「後手番というのは、持ち時間を1時間ぐらい多く消費しなければいけないようなハンディを背負っているようなもの」と語ったこともある。


 なお、過去に振り駒が先手・後手に偏りが出るか、ということが本格的に調べられたことがあり、結果としては振り駒に偏りはないという結論が出た。確率が収束すれば、いずれ藤井七段の先手が続くこともあるかもしれない。今年度は、残念ながらタイトル挑戦の可能性がなくなったが、まだまだ最年少タイトル獲得の可能性が大いにある藤井七段。タイトルホルダーとの対決や挑戦者決定戦、さらには番勝負といったところで先手番を引けるかどうか。振り駒から注目したい。

(C)AbemaTV

▶9/4(火)8:30~ 第66期 王座戦 五番勝負 第一局 中村太地王座 対 斎藤慎太郎七段

続きを見る

0コメント

  • 1000 / 1000