『地球征服』放送は存続! お蔵入り企画もネットで話題に テレ朝・三枝D「恋愛番組がこんなに笑えるなんて」

【インタビュー】『陸海空 地球征服するなんて』放送は存続! 地上波でお蔵入りした「ラブアース」もネットで話題に テレビ朝日・三枝ディレクター

 先月、一部ネットニュースで放送終了がささやかれたテレビ朝日のバラエティー番組『陸海空 地球征服するなんて』(毎週土曜よる10時10分から放送中)。しかし、この報道は完全なデマで8月18日の「世界で今1番有名な日本人は誰だ!?世界1万人大調査!!」の放送では、番組の“打ち切り説”を否定。急きょ「※終わりません。番組は続きます」のテロップを表示した。この状況に番組MCのバイきんぐ・小峠英二(42)も「情けないよ、ホントに。終わるってデマが流れる番組」と苦笑いしていたほどである。


 9月9日(日)には「U字工事&破天荒ナスDの大冒険 大アマゾン4時間SP」の地上波放送も控えており、YouTube版の「ナスDの大冒険」も話題だ。2日12時現在、12本の動画がアップされており、動画の合計再生回数は約500万再生を突破。SNSでも「ナスDのYouTubeチャンネルほんと面白い」や「こんなに面白いことが地上に存在していいのか」などの声が寄せられている。


 AbemaTV(アベマTV)では、現在『陸海空 地球征服するなんて』から飛び出した企画「ラブアース」、そして「イケメンマネーアース」(※放送終了)が放送されており、ナスDが活躍する「部族アース」に続く人気企画になっている。


 強烈な個性を持つメンバーが信じられないようなトラブルを連発させ、現場は収拾がつかない修羅場を何度も迎えた「ラブアース」。その結果「地上波では放送できない」とお蔵入りになっていた。しかし、満を持して「ラブアース」がネットテレビに登場するとSNSでは「恋愛リアリティーショー番組でこんなにおもしろい人いる?」「過酷な旅すぎる&個性的すぎるメンバー間の摩擦が面白い」「恋愛する余裕ないのにラブミッションを食い込ませてくる面白さがある」と個性豊かなメンバーや恋愛模様に反響が殺到。

 そこで今回『陸海空 地球征服するなんて』の総合企画・三枝健介ディレクターにインタビューを敢行。「最初は『あいのり』(フジテレビ系)のような旅と恋愛の組み合わせを考えていた」と当初の計画を語る三枝ディレクター。恋愛リアリティーショーにもかかわらず、恋愛以外の角度から注目を集めてしまった「ラブアース」の誕生秘話を聞いた。


地球征服・三枝D「恋愛番組を作れなかった」地上波でお蔵入りもネットで話題に


―― 「ラブアース」は、男女6人が12日間のベトナムの旅で、真実の恋愛を見つけるため、“路線バスの旅”に出る企画でした。さっそくなのですが、なぜ『陸海空 地球征服するなんて』の「ラブアース」がお蔵入りしてしまったのでしょうか?

三枝D:もともと『陸海空 地球征服するなんて』の番組自体が、いろいろなテーマで世界を一周するっていう企画で始まっていて。ラブアースは、その中で「じゃあ恋愛しながらやってみよう」って切り口だった。お蔵入りになってしまった理由はいくつかあるのですが、最も大きな理由は「僕らが恋愛番組を作れなかった」っていう。


―― 視聴者からは最初「あいのりみたい」という声もありました。

三枝D:最初は『あいのり』を目指したんですよ。でも『あいのり』のスタッフはやっぱり優秀だったんだなって身に沁みて分かりました。『あいのり』の番組を観て育ったスタッフも多いので、試しにやってみたけれど、僕らが恋愛について不慣れなばかりに、なかなかうまくいかなかった。第1話は地上波でやったのですが、そのときの視聴率もお母さんお父さん世代にウケが悪かったのか、その回だけ数字が凹んでいて……。

▲「ラブアース」に参加したメンバー6人(左からりなぷう・もっちゃん・るみ・祐・マヤ・マサキ)


―― 第1話の反響を見て放送のタイミングを悩んでしまったと。

三枝D:結果「ラブアースは一回作り直してもう少し温めよう」となって。一定期間熟成させたら、どんどん、蔵の奥の方に入って行ってしまったんです。蔵でずっと眠っていた。


―― そうやって“お蔵入り”という言葉が生まれたんですね。

三枝D:そんな中、ちょうどAbemaTVでテレビ朝日の“バラステ”(日曜よる8時〜)という枠ができたので、視聴者層的にも若い人向けで「そっちのほうがいいんじゃないか」ということで、ネット放送が決まったんです。


―― 隠れラブアースファンも多いです。番組を観たお笑い芸人の方もSNSで絶賛しています。

三枝D:できれば、隠れないで公にSNSなどで感想をつぶやいていただけたら。「ファンです」と公言しづらい番組かもしれませんが(笑)。お笑いコンビのニューヨーク・屋敷さんは「漫画の『キングダム』と同じくらい面白いですよ!」と言ってくださって。みなさん僕らが意図してない、霊の話やドキュメンタリーチックなところで笑ってくれているようで、こんなに反響をいただけて驚いています。


路線バスの旅なのにヒッチハイク? まさかの下調べミスが発覚

―― ラブアースでは、路線バスの旅と言いつつ、ヒッチハイクや徒歩での長距離移動がかなり多く映っていましたが……。

三枝D:バスに関しては完全に制作側の下調べ不足です。まず僕らが住んでいる日本ってバス大国なんですよ。バスという手段しかなくても、日本を横断できるよう、しっかり路線が組まれている。

でも、ラブアースの舞台になったベトナムでは、そこまでバスが発達していなかった。ベトナムは、8省と5つの中央直轄城舗(市)でできているのですが、省と省の間をつなぐようなバスがほとんどなかった。日本でいう県と県の間をつなぐようなバスは、高速バスしかなくて路線バスは不足していて(※番組では高速バスの使用はNG)。だから、省を超えて移動するときはどうしてもヒッチハイクや徒歩での移動しかなくなってしまったんです。


―― ベトナムのホイアンにある来遠橋のときは、ベトナムの観光地としての紹介が若干ありましたが、あれも下調べをしていたのでしょうか?

三枝D:最初は蛭子能収さんがご出演されている『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)を参考にして、ご当地情報を組み込む予定だったんです。笑える範囲でのメンバー間のふれあいや、観光地の紹介を入れて、番組を観ている人たちがキュンキュンするような恋愛もしてもらいながら、ゴールのハノイを目指す計画だったんです。


―― メンバー(りなぷぅ・マヤ・るみ・もっちゃん・祐・マサキ)の中では、マサキさんとるみさんが、番組のキーパーソンのような存在になりました。

三枝D:マサキさんはもともと旅人で、僕が出会ったときにはすでに地球を3周半くらいしていた。『陸海空 地球征服するなんて』の「ミステリーアース」にもオオカミ少年・片岡さんと共演してくれて、地球一周しながら都市伝説や怪奇現象、いわゆるオカルトですよね。そういうものを追う企画でした。マサキさんが嘘をついたり、号泣したりいろいろありましたが、僕はマサキさん自身が一番のミステリーだったと思っています。

(▲過去『陸海空 地球征服するなんて』の「ミステリーアース」に出演したマサキ)


―― そんな中、今回「ラブアース」にもマサキさんを選んだ理由は

三枝D:「ラブアース」の企画を話したとき、マサキさんも興味を持ってくれて。ただ、メンバーはオーディションで決める予定だったので「行きたかったらオーディションに来てください」って伝えたら、本当にオーディションに来てくれた。で、恋愛について聞いたら「12年間彼女がいないので、恋愛をしてみたい」って熱く話してくれて。来てもらうことになりました。

―― 同じく男性メンバーのもっちゃんは、芸人としても活躍していますよね。

三枝D:もっちゃんもオーディションのときに「彼女がいなくて、恋愛に対して受け身になってしまう。芸人という職業上、生活も安定しないし、恋愛が二の次、三の次になってしまう」と言っていて。ただ、性格が明るくて爽やかでリーダーシップがあるところがマサキさんと相性良さそうだなと。

もっちゃんがずっとラブタイムでハグをする相手に選んでいたマヤさんは、本当、自分が父親だったら娘として誇れるような。いかめし屋の会社のお嬢様なのに、会社を継ぐ人間として経営的なところもしっかり考えている。英語もできるし、性格も品があって。でも、リーダーシップを取る場面や、恋愛に対して「他の人がいるなら私は……」って遠慮しがちな面があった。その気持ちが旅で成長して、いい経験になってくれればって気持ちでマヤさんに来てもらいました。


―― 最終回の直前ですが、りなぷぅさんの隣に座っていたマサキさんから、祐さんが席を奪い取るシーンもありました。

三枝D:りなぷぅさんは、オーディションのとき、熊本から東京に出てきたばっかりで。方言がそのまま残っていて、またマヤさんとは違った良さがあった。可愛くて守ってあげたくなるような雰囲気が良かったので、メンバーに決まりました。

祐さんはもともと「番組をきっかけにスターが生まれるといいよね」ってみんなで話していて。今もモデルとして活動していますが、若手のイケメンとしてチームを引っ張っていってくれるかなと。

―― ちなみに、塩をまくのが趣味のるみさんは、オーディションで霊の話はしていましたか?

三枝D:はい。霊の話はオーディションのときに聞いていて、それを含めて成長の旅にしてもらいたいなって。


―― 旅の中でスタッフさんにたびたび旅の不満を訴えていたるみさんですが、どんな状況だったんでしょうか。

三枝D:僕は日本にいて、旅の期間中は毎日スタッフから「今日はこういうことがありました」っていう日報が上がってきていたんです。

るみさんが所属事務所に電話して「私はマリーアントワネットの死刑台」と訴えていたシーンは、スタッフによると「地獄だった」みたいです。


―― AbemaTVの視聴者コメントでは「スタッフが大変そう」と気遣う声もありました。

三枝D:ロケには僕の後輩で20代の女性スタッフも同行していて。帰って来たときに感想を聞いたら「今までの人生の中で一番いい経験になった。ありがとうございます」と言っていました。でも「もう一度行きたい?」って聞くと、なぜかみんな無言なんですよね。


反響次第で「ラブアース」続編も?  地上波ではナスDの4時間スペシャルが放送決定


―― ラブアースでは、マサキさんが夜の街に消えたり、るみさんの霊問題があったり、かなり濃厚な旅になったようですね。

三枝D:マサキさんが夜の街に消えた件は、最初にスタッフから日報が上がってきたとき、僕はボジティブに捉えていたんですよ。「マサキさんがみんなの行き先を調べるために街を散策したんだな」って。でも、上がってきた映像を見たとき衝撃で。映像を確認して「これは散策じゃない、逃亡だ!」みたいな。かなり笑ってしまいました。

―― 全くやらせがない。マサキさんの逃亡劇は観ていてお腹がよじれるほど笑いました。

三枝D:全く構成は狙ってないんです。むしろ僕たちは恋愛番組をやりたくて、旅の中でラブタイムをやりたくて、企画しているんです。恋愛番組を作ろうと思ったのに、こんなに笑えるなんて、全く意図していませんでした。

ただ、恋愛を真面目にやるってことは貫きたかったので、メンバーたちも思いは同じで。9月2日の放送で「ラブアース」は最終回ですし、恋愛リアリティーショーで爆笑するなんてあまりないことかもしれませんが、ぜひ楽しんでもらいたいです。


―― AbemaTVのコメントでは続編を望む声も寄せられています。

三枝D:続編はラブコールがあればぜひ。地上波だと“ながら見”で見逃されてしまいそうな企画でも「ネットでやっている『地球征服するなんて』のラブアースっていう番組が気になるから観てみよう」って、目的視聴してもらえるようになったらうれしいです。

お蔵入りしたとき「こんなに一生懸命撮ったのにお蔵入りするのは遺憾です!」とスタッフから強い意見があったので、無事に世の中に出すことができて本当によかったです。でも、「ラブアース」に関しては反省点がものすごく多いので「これじゃ終われない!」とも思っています。


―― 地上波ではナスDがとうとう4時間スペシャルで登場しますね。

三枝D:過去、ナスDが自腹でボラ族の部族民芸品を買いまくったことがあって。それを応募者プレゼントにしたら37個しかないのに、2万枚のハガキが来て大変なことになったのですが、今回もそんなナスDが出る「部族アース」がスペシャルで放送されます。

今回、ナスDは過去に会ったことがある部族にまた会いに行ったのですが、あまり時間が経ってないのに部族たちの生活が激変していて……。本当の未開の部族、アマゾンの奥地にいた部族たちが短い期間の間に近代化の波に飲まれていたという。詳細は地上波で9月9日(日)の夜に放送の4時間スペシャルを観ていただければ。


―― 部族に近代化の波?!  今後の『陸海空 地球制服するなんて』の放送を楽しみにしています。


▼ナスDの大冒険YouTube版【番組公式】

▼『陸海空 地球征服するなんて』ラブアース<新シーズン放送中!>

(C)テレビ朝日

写真:オカダマコト

テキスト:鈴木ミユキ

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