「中等、高等教育の改革は待ったなし」堀江貴文氏が設立した『ゼロ高等学院』が目指す教育とは?責任者と顧問に聞く

 「これからの時代に必要なのは、座学よりも行動だ。何が起こるか分からないが、1期生はすごく面白いヤツがくると思う。こういうのに来る1期生は才能があると思う」。


 26日、ホリエモンこと堀江貴文氏が記者会見を開き発表した「ゼロ高等学院」。高校卒業をしていない人が対象の教育機関で、入学年齢の上限はない。神奈川県の鹿島山北高校(通信制)と連携することで、高卒資格を取得できる。3年間の学費は約138万円(ゼロ高等学院に108万円、鹿島山北高校に約30万円)で、定員は400人を予定している。

 かねてから日本の学校教育に対し"無駄が多い、好きなことができない"などと異を唱えていた堀江氏。会見では「AI、ロボット時代になるとホワイトカラーの仕事から無くなっていく。記者の皆さんの仕事だって無くなるかもしれない」と指摘、「生き方を変えなければならないし、中等、高等教育の改革は待ったなしだと思っている。今の学校教育の弊害は、自分と同じようなプロファイルの人たちとばっかりつるむことで、多様性を受け入れられなくなる文化を作ってしまうこと。親に言われて高校の普通科に行っても、3年間を無駄にするだけ。高卒認定資格はペーパーテストで取ることができるし、通信制だっていい」と、設立の契機について説明した。


■「"何のために私は学校に行っているのか?"という人がゼロになる」

 堀江氏は著書で「インターネットの登場によって、旧来型の国民国家が解体されつつある現在、もはや『国民』の養成機関としての学校には何の価値もない」と書いている。会見でも「今の教育は積み上げ型。微積分を覚えるモチベーションがない。でも実際にプログラミングで必要だと言われれば学ぶ気にもなる。皆さん、ロケット作ろうと思ったら、まず何をします?高校で頑張って勉強して、宇宙工学科のある大学を目指して、大学院にも行って、でしょう。でも、ウチなら開発の現場にもすぐに行けるし、自治体や漁協との交渉まで、全部見てもらうことができる。これから必要とされる人を作ることが最終目的だ。バラエティ豊かな選択肢を用意しようと思っているので、合うものを一生懸命にやればいい。寿司職人は足りないのでお勧めしている」と訴えた。

 顧問に就任した坪田信貴氏は"ビリギャル"(『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』)の著者でもある。坪田氏は「子どもの人生のために、たくさん選択肢をあげましょうと。たかだか5教科の点数で価値なんてつけてんじゃねえよ、という話だ」と説明する。

 「優良な労働者を量産するという点で今までの学校教育は非常に効率的だったと思うし、明治以降の政策として非常に正しかったと思うが、今それが必要かというと、そうではない。AIやロボットによって生活も変わるし、求められる人材の質が明らかに変わっていくと思う。子どもたちと接していると"何で学校に行かないといけないのか?何のために勉強するのかが分からない"と言われる。それに対して"集団行動を学ぶため。数学を学ぶ目的は論理的思考を学ぶため"というのが今までの答えだった。しかし集団行動も論理的思考も、学校以外でも学ぶことができる。むしろ、学校教育では遠回りになっていて、やることを全部決められ、卒業したら"指示待ち人間だ"と言われ、社会で大いなるムダをやって、赤字を出してしまう。だからゼロ高等学院は、シンプルに言えば"経営者"を育てる。寿司学部やドローン学部で操縦やビジネス、マネジメントを学べば、"何のために私は学校に行っているのか?"という人がゼロになると思う。そういう意味でも"ゼロ"高等学院だ」。

 また、坪田氏は「いままでは親しか頼れなかったが、オンライサロン『堀江貴文イノベーション大学校(HIU)』にはお金持ちもいっぱいいて、面白いな、熱いなと言う子に対して出して出資してくれるので、提案することもできる」と展望を述べた。


■「必ずビジネスとしても成り立つ」

 堀江氏と共に会見に出席したゼロ高等学院の責任者・内藤賢司氏は「例えばテレビ番組に関わるためにはどうすればいいか、生まれた土地や環境によって分かる人は分かるし、分からない人は分からないという状況がある。ゼロ高としては選択肢をたくさん用意してチャレンジしてもらい、自分の道を探すというのが大前提。それだけでは意味がないので、通信制高校として高校卒業の資格も得られるという二軸でやっていく」と話す。

 「自分自身も高校時代には社会に対する怒りや不満、失望を感じていた。そういう中で色々な方に出会い、今がある。経営者になるのであれば、ゴミ拾いや近所の人に挨拶をする必要があるといったことも必然的に学ぶと思う。温もりのある人間が生まれる可能性の方が高いと思う。既成のもので正しい部分は受け継ぎながら、無駄なものは省いた方がいい。例えば"3年間は皿洗いしかさせない"というのは、寿司を握ることに関してはあまり意味がない。ただ、生徒がすぐに寿司職人になれるかと言えば、それも違うと思う。ゼロ校が寿司職人を作る、という概念がそもそも間違いだと思っていて、寿司職人の包丁を作るとか、様々な可能性にトライして学んでいく場所にしたい」。


 堀江氏は「カドカワ」とその傘下のIT大手「ドワンゴ」が一昨年に設立した「N高校」の設立にも携わっており、「最初は『H高校』にしようとしていた。『N高校』に協力しノウハウを学んだ」と明かしている。N高校はインターネットを通じた通信制高校で、VRのヘッドセットをつけた入学式やヘッドセットを使ったチャットによるホームルームが話題を呼んだ。高校卒業資格に必要な授業を「Basic Program」で、自分のやりたいことを「Advanced Program」で学習。大学受験対策のほか、より多くの時間をとる選択科目でゲームプログラミングや小説の執筆、声優やパティシエなどの技術を学べ、さらに農業や酪農などを実地で体験することができる。現在、全国で6700人以上の生徒が学んでおり、去年は早稲田、慶応、上智、筑波大学などの合格者も輩出している。

 内藤氏は「N高は全日制の中学校がダメだった子の受け皿になっているが、もっと色々なパターンがあっていいと思う。N高には、すでに人生を決めていて、座学の時間を無くして自分のキャリアを進めたいという子も多いが、ゼロ高は"何かしたいけどどうしたらいいか分からない"子を受け入れる。学校に行きたくないとか、イジメられているという子に対しても選択肢を提示したい。子どもが少なくなってもそれは必要なので、必ずビジネスとしても成り立つ」と力を込めた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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