「どっちのパフォーマンスも見たい…」2つの会場のファンを唸らせた乃木坂46の"シンクロライブ"

 6日〜8日、毎年恒例となっている乃木坂46の『真夏の全国ツアー』東京公演が開催された。昨年に引続き、メモリアルな『6th YEAR BIRTHDAY LIVE』という意味も含んだ公演だが、今年はそれ以上に神宮球場と秩父宮ラグビー場での「2会場同時併催」という点が目を引いた。観客動員数は神宮球場3万5千人+秩父宮ラグビー場2万5千人の計6万人。3日間でトータル18万人という規模になった。


■"シンクロライブ"という試み

 前代未聞の企画が発表されたのは、5月の握手会でのこと。同一アーティストによる単独ライブとしては初となる試みだけに、どのような内容になるのか、ファンはもちろん、メンバーも困惑を隠しきれない様子だった。

 この日のオープニングは神宮が渡辺みり愛、和田まあや、斎藤ちはる、相楽伊織、秩父宮が高山一実と山下美月がそれぞれ影ナレ。『Overture』をバックに、東京メトロ乃木坂駅のホームへと降りていくメンバーの姿が映し出され、両会場に千代田線の車両を模したトロッコが登場、中からアンダーメンバー(神宮)、選抜メンバー(秩父宮)が現れて本編が始まった。


 スタートは神宮が斉藤優里の「神宮騒げー!」という掛け声から『自惚れビーチ』『13日の金曜日』など、アンダーメンバーによるキュートな楽曲群が披露された一方、秩父宮では『夏のFree&Easy』『太陽ノック』など、"夏曲"を選抜メンバーが元気いっぱいに披露。それから桜井玲香の「私たちも神宮行きたくなっちゃったね」という一言とともに『走れ!Bicycle』に合わせ、走ったり自転車に乗ったりして会場間を移動。選抜、アンダー、そして3期生が2会場を交互に行き来して曲を披露するという展開となった。

 それだけではなく、MCでは両会場を繋いで掛け合い、"シンクロライブ"のコンセプトどおりに、もちろん"同時パフォーマンス"も実施された。西野七瀬の「2会場、シンクロしましょう!」という掛け声で始まった「命は美しい」ではお互いの会場の様子がスクリーンに映し出されるなど、2倍楽しめる演出も盛り込まれた。さらにメンバーの合図で両会場の観客が交互に声を出したり、神宮=赤、秩父宮=青とサイリウムを統一したりするなど、全体の一体感も巧みに演出。全体がまさに"シンクロ"した瞬間の空撮映像がスクリーンに映し出されると、会場は感動に包まれた。

 そしてクライマックスでは神宮での『裸足でSummer』、秩父宮での『アンダー』の大サビ前で両会場のメンバーが一斉に空を指差すと曲が停止、460発の花火が打ち上がると、雰囲気の異なる2曲を使った"シンクロ"に、観客たちは息を飲んでいた。

 3日間で披露される曲が異なっていたこと、単に選抜/アンダー/3期として移動するだけでなく、選抜に入った大園桃子、与田祐希らが慌ただしく選抜・3期として会場間を行き来していたことなど、両会場を繋いでの感動的な同時パフォーマンスの裏には、メンバーひとりひとりの全体構成への理解、スタッフによる秒単位での細かな運営・タイムキープが行われていたことを伺わせた。(なお、今回のライブのスタッフ数は3日間と14,500人と、乃木坂史上最多だったという。)


■アンダー、3期生の変化

 去年の同じ時期に開催された東京公演は、3期生、2期生、1期生、そして全員と、"期生ごと"にパートを分けて出演、それぞれの歴史やメンバーの思いを印象づける構成だった。他方、今回は3期生が合流したアンダーメンバーと、3期生単独での楽曲が披露され、それぞれの変化や成長を感じさせる内容となっていた。

 去年はトップバッターということもあり、どこか不安げな雰囲気も漂わせていた3期生だが、この1年の活動を経て、圧倒的な成長ぶりをアピールした。

 グループ最年少の岩本蓮加は神宮で「本番が始まる前は不安ばっかりで、ちゃんと3日間乗り切れるのかって感じだったんですけど、初日が始まったらあっという間で。寂しいなって気持ちもあるし、『三番目の風』の最後で真ん中にみんなで集まって目を合わすんだけど、本当に泣きそうだった」「感動できるのはいいメンバーだからかな。3期生が大好きです」と充実感をアピール。秩父宮では梅澤美波が「今度うちにおいでよ。みんなも来る?入んない入んない家が壊れる」と巧みな仕切りで会場を煽ると、"よっしー"と呼ばれることが嫌いだと暴露された吉田綾乃クリスティーに観客が"よっしー"と声を掛けると、「握手会で言ったら口きかないからね!」と笑わせていた。また、向井葉月は「3期生ライブがしたい」と七夕にお願いしたことを明かし、さらなる飛躍を誓っていた。

 アンダーメンバーにも変化があった。休養から復帰し、久しぶりにファンの前に姿を見せた北野日奈子が気持ちを込めて『アンダー』を歌う様子が大型スクリーンに映し出されると、両会場ともに暖かい声援が送られた。秩父宮でのMCで北野が「21枚目のシングルから、私のやれることを少しずつやっていきます」と語りかけると、伊藤かりんが「日奈子の笑顔は人を幸せにするからね」とフォロー。絆の強さを見せた。

 また、初披露された21枚目のシングルのアンダー曲『三角の空き地』で6年ぶりにセンターに抜擢された中田花奈は、神宮でのMCで「なんで?なんかあったっけと思った」と笑わせながらも、"七福神"、ユニット曲などの経験豊富な中田らしく「私はアンダー歴が長いので、アンダーっていうものを皆さんに分かっていただけたらというか、改めてアンダーの魅力を伝えていける期間に私はしたいと思っています」と決意表明していた。


■斎藤ちはる、相楽伊織がラストステージ

 グループからの卒業を発表していたアンダーメンバー、1期生の斎藤ちはると2期生の相楽伊織にとっては、この日のライブが最後のステージとなった。


 この日2度目の『アンダー』(秩父宮)では2人が涙を流しながら歌う様子がスクリーンに映し出され、神宮でのアンコール後には斎藤が「楽しかったです。みんなと一緒のステージに立てて、すごく素敵なサイリウムの景色を見られて本当によかったです」、相楽も「4年間、乃木坂をやってきて、ステージの上に立ってみなさんにパフォーマンスを見てもらうのがすごく楽しかったから、これがもうないんだなと思いとすごく悲しいし、この景色が見られなくなるのは寂しいんですけど。これからもいろんな形で頑張っていこうと思ってるし、次の乃木坂の全国ツアーも成功して欲しいと思っているから頑張ってください」と話し、マイクを通さずに「ありがとうございました!」と客席に感謝を伝えた。斎藤は目に涙を浮かべ、相楽は同じ2期生の北野日奈子と熱い抱擁を交わしていた。

 さらに秩父宮でのアンコール、ダブルアンコールを終えると、斎藤と相楽は客席に向け再び深々とお辞儀。感慨深げな表情のメンバーを前に、相楽は「本当に3日間ありがとうございました!」と絶叫、斎藤は「7年間お世話になりました! 楽しかったです。ありがとうございました」とコメント、2人で「大好きー!」と叫に、会場を後にした。

 メンバーは同じ曲を1日2回ずつパフォーマンス、両会場で聴くことのできる楽曲も同じというライブではあったが、曲順が異なるため、同じ曲でも衣装が違えばMCも変化。神宮がメンバーの心境そのものを歌った『アンダー』で感慨深い雰囲気に包まれている間、秩父宮では衛藤美彩の「せっかくなのでバースデーソング歌いませんか?」との呼びかけで『ハッピーバースデー』を合唱すると、前日にはミュージカルに出演していた生田絵梨花がオペラ風にハモり、会場を爆笑させる、といった具合に、日没による雰囲気の変化、会場のレイアウトの違いもあいまって、いわば"別のライブ"と言っても過言ではなく、まさに"あっちの会場でも見たかった""どっちのパフォーマンスも見たい"と思わせるライブだったと言えるだろう。(ちなみに21thシングルの表題曲は秩父宮の観客が、アンダー曲は神宮の観客が"最速"で聴いたことになる)。

 9日には坂道合同オーディションが締め切られ、乃木坂46にとっては"四期生"となるメンバーの選考がスタートする。また、『三角の空き地』とともに初披露された21thシングル『ジコチューで行こう!』(来月8日リリース)の握手会と並行して全国ツアーも控える。アンコール前に齋藤飛鳥が会場を沸かせた「お前ら、これで終わりだと思っただろ〜」という煽り文句通り、下半期もますますパワーアップしていく乃木坂46を見ることができそうだ。


<AbemaTIMES取材班>

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