沢尻エリカ、コムアイと初共演で一気に仲良く 昨年末は2人でタイ旅行

 犬童一心監督の最新作『猫は抱くもの』が6月23日(土)より全国公開される。本作は、“夢を諦めきれない、妄想好きのアラサ―女性”沙織(沢尻エリカ)と、“自分を沙織の恋人だと思い込んでいる猫”の良男の関係を描いた、自分らしい生き方を模索する物語。今回、AbemaTIMESは主演を務めた沢尻エリカと、良男の友達となる猫のキイロを演じた「水曜日のカンパネラ」のボーカル・コムアイにインタビュー。ユニークな作品の裏側、2人の関係について話を聞いてきた。

劇中の現実と想像の世界に境界線はなし「受け取り手の自由でいい」

ーーオファーが来たとき、脚本を読んだときの感想を教えてください。


沢尻:脚本を読んでも正直想像できない部分がほとんどでした。 “舞台”のシーン(※)が本当にどうなるんだろうって読んでいても全然わからなくて、(完成した作品を)見るまでわからなかった。できたものを見て、「あ、こうなったんだ」っていう感じでしたね。


(※)ロケ地として使用された群馬会館では、“舞台”を使ったセットが組まれて撮影された。


コムアイ:野外のシーンを“舞台”で撮ったりしているもんね。しかも“舞台”でも、劇場のステージを使っているシーンもあれば、そうじゃないシーンもある。ねこすて橋のシーンなんかは劇場で撮っているんですけど、客席の上に河川敷のセットを作って撮っていました。

沢尻:この作品には、現実と想像の世界があるんですけど、“舞台”で撮影されたシーンがどうだとか、そういうことでもないし、明確な線引きがないんです。そこはちょっと曖昧にしといて、受け取り手の自由にしてもらおうっていう話になって。

私も撮っているときは思わなかったんですけど、見た後に「もしかしたらゴッホ(峯田和伸)は幻だったのかなー」とか思ってきて、そこは(受け取り方の)自由でいいのかな、と思いました。


ーー“舞台”となった前橋の群馬会館は雰囲気のある場所でしたね。


沢尻:すごく素敵なクラシックな場所でした。ノスタルジーも感じるような。独特な空間で、作品にマッチしていたと思います。


沢尻エリカ、吉沢亮の猫役に「驚くほどマッチしている!」

ーー沢尻さんは猫の良男役の吉沢さんとどのように向き合いましたか?


沢尻:「良男」として自分の中で思っていました(笑)。


ーー違和感はありませんでしたか?


沢尻:違和感しかないです(笑)。でも、良男の普段の姿のロシアンブルーがすごく端正な顔していて、吉沢くんも本当に美形なので。だからすごくマッチしていて「似ているなぁ」って思っていました(笑)。


コムアイ:私たちにはもう一緒にしか見えないけどなあ。性格も似すぎている感じがしました(笑)。


ーー膝枕も猫だと思いながら?


沢尻:そうですね。猫を撫でる時に、毛が気持ち良い感じで撫でていたんですけど、実際は毛じゃなくて洋服なので、ひっかかったりするんです。うまくサラーって撫でられない。それを工夫して撫でたりしました。


コムアイ:結構遠慮なくいっていて良いな、と思いました。わしゃーって(笑)。


ーーコムアイさんは猫役でしたが、ハードル高くありませんでした?


コムアイ:私はそんなに猫を意識しないでやりました。キイロは、猫のキイロなんだけど、キイロの考えていることとかすごく理解できて、人間より理解できるくらい(笑)。キイロはいろんな人の感情とかシチュエーションとかを見て感じとって、でも別にその中に入るわけでもなくて、すーっと流れていく感じ。観察しているような感じ。自分もそんな感じだし、そのまんまでした。無理して別物になったりするっていう感覚はなかったです。


沢尻:猫の自由気ままさっていうのを、多分(コムアイは)元から持っているんでしょうね。すごいぴったりきていました。


コムアイ:ポーズとかも、だらしなさが猫っぽいからかな(笑)。

ーーお気に入りのシーンや苦労したシーンがあれば教えてください。


コムアイ:(お気に入りのシーンは)歌っているシーンですかね。


沢尻:私もそう!森の中で歌っているシーン、すごくいい!楽曲も良くて、雰囲気、世界観にすごくハマっているんですよね。


コムアイ:あのシーンの前のシーンも好きです。ゴッホが沙織にいろいろ言うシーンなんですけど、そこに峯田さんが実際にライブで言ったセリフがあって。監督がそのMCを気に入って書き足したセリフなんですけど、それを聞いたときに、それまでゴッホのモヤっとしていた像がはっきりしてきて。沙織の感情もすごいグラグラ揺さぶられている。それまでほのぼのした雰囲気だったのに、急に映画の強さが増すんです。すごく面白いなと思いました。


ーー書き足されたのはどんなセリフなんですか?


コムアイ: 「部屋に一人でいて、誰からも連絡がこなくて、ベッドに横になっていると外から聞こえてくる、笑い声に耳をふさいだりして。窓から見上げた空が青空だとうんざりして…思いっきりカーテンを閉めた気持ちも分かる」という台詞です。


沢尻:そのシーンも含まれているんですけど、後半にゴッホのアトリエに入って、そこからスナックに行って、またアトリエに戻ってくるという一連のシーンがあるんです。そこは“舞台”のシーンだったというのもあって、ノーカットで撮影したので、かなり緊張感がありました。アングルを変えなきゃいけないので何回か撮っていて。体力的にも精神力的にも大変で、終わった時にどっときました。


コムアイ:猫たちもそのときは先に帰っていて、現場には触れられない感じでした(笑)。


2人で海外旅行へ 沢尻エリカは面倒見のいいオーガナイザー

ーー沢尻さんとコムアイさんがお話しているのを見ているととてもいい雰囲気ですが、劇中での共演シーンは少ないですよね。仲良くなったきっかけを教えてください。


沢尻:撮影でみんな前橋に行っていたんですけど、待ちの時間に一緒になることが多くて。


コムアイ:しかも東京に帰れないっていう。前橋だから(笑)。

沢尻:そう(笑)。待ち時間はみんなで話してたりしていたんですけど、楽屋で2人で待ちのときがあって。それでずっと話して、趣味の話とかして打ち解けました。


コムアイ:よく旅行されるっていうのを共通の友人から聞いてて。みんながいると詳しくは聞きづらいていうのもあったんですけど、たまたま聞いたら、去年、東京じゃない海外で同じ日に同じ場所にいたというのがいくつかあって。


沢尻:それすごくないですか?去年、私アメリカに行っていたんですけど、同じフェスに行っていて。


コムアイ:もう数十メートルみたいな。


沢尻:「会ってないけど、絶対すれ違ってたよね!」みたいな(笑)。そういうのがあって、その話をしたら「嘘でしょ!」「そんな偶然あるの!?」ってビックリしちゃって。それで、音楽の趣味とかもすごく合うから!


コムアイ:遊びに行ったね。そのあとも。


沢尻:一緒にクラブ行ったり(笑)。コムアイがタイのフェスに誘ってくれて、二人で行きました。


コムアイ:あれも楽しかった!!12月、寒い日本を脱出した(笑)。

ーーかなり仲良しですね! 共演する前と比べて、お互いの印象は変わりましたか?


沢尻:最初はすごく不思議な子だなって、変わっているなって思っていたんですけど、でも共通の友達とかもいて、音楽の話もして、近いところにいるなってわかって。そこからコムアイの作品とか見てみたりとか、すごくユニークでクレバーで、私に持ってない新しい感覚を持った才能ある人だなと思いました。すごく感化されました。


コムアイ:いろんな話を本人から聞いて、イメージが変わりました。とてもまっすぐで、丁寧に生きている人だなと。そして無邪気で、電柱にぶつかって、笑いながら、「痛ーい!」とか言ってるタイプ。意外だったのが、いつでも準備が万全なところです。旅行にしても、キャンピングカーやチケットの手配を人の分まで、数ヶ月前からやるようなところ。自分が全くできないので信じられないです。


沢尻:ある意味自己中なのかもなんですけど(笑)、私は全部自分でオーガナイズしたくて。「こういう完璧なルートで行きたい!」って決めているんです。何から何まで自分で手配して、「あとはみんな飛行機乗ってスケジュール空けて来てね!」ってやりたいんです。


コムアイ:それが意外でした。頼れるって感じ。一緒にいたら、何も考えないで飼い猫のように「はーい、そうしまーす」ってしていられる(笑)。


沢尻:結構面倒見がいいタイプなのかもしれないです(笑)。


ストーリー

 主人公の沙織(沢尻エリカ)は、とある地方都市のスーパーマーケットで働くアラサ―女性。かつてはアイドルグループ「サニーズ」のメンバーとして芸能界で活動していたが、歌手としては芽が出ず、すべてに嫌気が差して都会から逃げてきた。今の自分を好きになれず、周囲ともうまく馴染めない彼女にとって、心を許せる唯一の存在は、ペットショップで売れ残っていたロシアンブルーのオス猫「良男」(吉沢亮)。嬉しかったこと、哀しかったこと、腹が立ったこと……。すべてを受け止めてくれる「良男」に向かって、沙織は日々、妄想を交えながら語りかける。そして「良男」は、いつしか自分を人間だと信じ込み、恋人として沙織を守らねばと思い始める。そうやって過ごしてきた、こじらせた1人と1匹の日常にも、変化が訪れて……。

写真:yamaguchi mayuko

テキスト:堤茜子


(c)2018『猫は抱くもの』製作委員会

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