「文字と写真だけでは伝わらない」沖縄戦、基地問題…沖縄メディアが語る、これからの“歴史”の伝え方

(画像「沖縄戦デジタルアーカイブ~戦世からぬ伝言」首都大学東京 渡邉英徳研究室 x 沖縄タイムス x GIS沖縄研究室より)


 第二次世界大戦末期である1945年3月23日、沖縄本島に連合軍による空襲があり、翌24日に日本側の反撃が開始された。沖縄戦が始まり、住民を巻き込んだ地上戦に突入した。3カ月以上も続いた激戦による死者は日本人とアメリカ人を中心とした連合軍を合わせて20万人以上。その中で沖縄県民の12万2228人が亡くなった。(沖縄県平和祈念資料館によるおよび、沖縄県援護課資料1976年3月発表)


 今では温暖な気候でリゾート地として知られる沖縄県だが、この“沖縄戦”では、沖縄県民のおよそ20%、つまり、5人に1人もの命が失われた。

 今回の『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』(AbemaTV/アベマTV※毎週土曜23時から放送中)では、東京を飛び出し、沖縄の離婚率、基地問題、報道現場の現実……など、沖縄について調査。さらに、産休中の番組MC・SHELLYに代わり、いとうあさこが“お留守番MC”として登場。番組後半では、沖縄のメディアに関わる記者やライターをゲストに迎え、沖縄の報道について語り合った。

(SHELLYに代わり、いとうあさこがお留守番MCとして登場)

 沖縄タイムスのデジタル部記者である與那覇里子さんは、Web媒体では「きちんと全国に届く」を意識していると話す。沖縄には亡くなった人たちを祝う「グソーの正月」と呼ばれる正月があり、新聞にも“グソーの正月”という見出しが掲載されるが、デジタル版で「グソーの正月」という見出しにしても、他県の人には伝わらない。そのためデジタル版では「グソーの正月」を「あの世の正月」に表記を変えているという。

(沖縄タイムスのデジタル部記者・與那覇里子さん)

 現在、仕事の合間を縫って東京の大学院にも通っている與那覇さんは「いつも六本木にいる気持ちで書こうって意識している」と説明し、全国の人が見たときに、伝わる表現にするために日々試行錯誤していることを明かした。


 「県内だけではなく、全国に沖縄戦の歴史を伝えたい」。そんな思いから、與那覇さんは「沖縄戦デジタルアーカイブ~戦世からぬ伝言」(首都大学東京 渡邉英徳研究室 x 沖縄タイムス x GIS沖縄研究室)を制作。沖縄戦の経験者が逃げた道のりの可視化や、戦没地のマッピング化、“命の足跡”を記録し、体験記を動画や文字で見られるよう全国へと発信した。沖縄の基地問題を扱うと、賛否両論を生み、ネット上で批判されることもあったが、このコンテンツには批判もなく、純粋な気持ちで見てもらえたという。

(琉球新報社の記者・玉城江梨子さん)

 一方で、琉球新報社、編集局の記者である玉城江梨子さんは、沖縄戦や基地問題は県外では通じにくい話題であると指摘。玉城さんは「(沖縄)県外の高校生は、太平洋戦争でアメリカと日本が戦っていたことすら分からない子もいる」と説明したうえで、戦争を経験していない多くの人に内容を伝えるために「話の入り口をもっと広くしていかなければいけない」と述べた。


 玉城さんは沖縄戦の歴史を伝える中で「文字と写真だけでは伝わらない」と日々感じていた。「沖縄戦について知らない人や興味を持っていない人にも届けたい」。そんな思いから、昨年Yahoo!ニュースと琉球新報の共同プロジェクトで『3分で分かる沖縄戦』『5分で知る沖縄』という2本の動画を制作。動画は「スマホを使って短時間で見られるもの」にこだわった。


 この動画は再生回数も多く、沖縄県外の人たちからも多くの感想が寄せられたと話す玉城さん。動画に感動した人が、直接玉城さんに感想を伝えに来たこともあり、「メディアの懇親会で駆け寄ってきた人から『私、沖縄出身なんですけど、いいコンテンツでした。本当にみんなに見てもらいたい』って言われたんです。感心はあるけど、文字がいっぱいだと読みたくない。そんな人にもちゃんと届いたのだと思います」と告白。動画を活用したことで、より多くの人に届けることができたと明かした。

(AbemaTV/『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』より)

※編集部追記:導入文における沖縄戦の記載につきまして、文言を一部修正しました。


(ライター・小林リズム)

(C)AbemaTV

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