漫画村、今度は利用者のパソコンやスマホを仮想通貨"強制マイニング"に使用し荒稼ぎか

 違法アップロードされた漫画がタダで読める「漫画村」などの漫画海賊版サイトを若者が中心に利用し、大きな問題になっている。ビデオリサーチインタラクティブは漫画海賊版サイトのユーザーを月30万人ほどと推定しており、日本の漫画文化の衰退を憂慮した出版社や政府が対応に乗り出している。

 そんな中、トレンドマイクロの調査で新たな問題が明らかになった。なんと、「漫画村」にアクセスした利用者が、自動的に仮想通貨の採掘(マイニング)をさせられているというのだ。


 トレンドマイクロの岡本勝之氏は「コンピューターの計算能力を使うことで仮想通貨がもらえる様々な不正サイトの監視を行う中で、著作権を侵害している海賊版サイトに仮想通貨採掘のスクリプトが埋め込まれていることがわかった。仮想通貨の取引に必要な計算を手伝うことで、お礼に仮想通貨がもらえる仕組みだが、こうしたサイトを見ている人のパソコン・スマホの計算能力を使って仮想通貨のマイニングを勝手に行っている」と話す。

 マイニングとは、ブロックチェーン(取引記録)を作っていく過程で計算処理を行う代わりに仮想通貨をもらうというもの。ITジャーナリストの三上洋氏は「仮想通貨の動きがあったときに、"それ本物?""その取引本当に行われたの?"ということ世界中の参加者全部できちんと認め合う、そのための計算をする。これには膨大な計算能力が必要で、その計算をしてくれた方にご褒美に仮想通貨をあげますよということ」と説明する。


 しかし他の参加者に先駆けて計算を行うには処理能力が高いコンピューターと、それを動かす膨大な電力が必要になる。そのため、電気料金が安い中国の山間部に工場を作り、大量のコンピューターを動かしてマイニングしている人々もいるのだ。そこでサイトにアクセスしたスマートフォンやパソコンの計算能力を仮想通貨の採掘に利用するという仕組みが生まれ、それを使って利益を得る管理者が現れた。

 三上氏によると、サイトの運営者が閲覧者に仮想通貨を発掘させ、その収益を受け取ることができる『コインハイブ(Coinhive)』というサービスが去年の秋からスタートしたという。この仕組みを利用すると、採掘された仮想通貨は一旦コインハイブにわたり、そのうちの何割かがサイト管理者のものになるといい、アダルトサイトが利用していたり、サイバー攻撃をして他人のサイトに埋め込んだりするケースもあるという。「元々コインハイブ自体は害を与えるウイルスなどではなく、計算をさせるだけのプログラム。ただ今回は見ているたちに許諾なく使っていることが問題だ」と話す。

 ネットの問題に詳しい田中一哉弁護士は「事例がないのではっきりとは言えないが、サイト利用者の了解をとらずに他人の端末を利用したということで、不正指令電磁的記録供用罪に問われる可能性がある」と説明する。


■稼ぎは月に200〜300万円?

 岡本氏が「アクセスする人が多ければ多いほど処理も行われるので、収入も多くなる」と話すように、これまで広告で利益をあげてきたと思われてきた海賊版サイトにとって、新たな資金源が得られることになる。漫画村の管理者に取材班が連絡を試みるも、返答は得られなかったが、三上氏は「コインハイブが去年10月に始まったとき、個人のブログに埋めた方がいる。ただ、その人は2週間やっても700円くらいにしかならなかった。今回のマイニングではモネロという仮想通貨が対象になっているが、普通のパソコンの場合、一日動かし続けても20〜30円。ハイスペックなパソコンだと100〜150円。また、かかった電気代と、マイニングで生まれた仮想通貨と、どちらが高いのかという問題。ただ、漫画村は見ている人の電気を使うので、電気代はゼロ。月に1億6000万PVあるので、200〜300万円稼いでいそうだ」と推定した。

 また、サイトが計算能力を100%使う設定にしていた場合、処理能力の低下や電池の消費が早くなってしまうという。ネット上には「漫画村重いな」「漫画村一時期見ていたけど、重いし広告うざかったらすぐやめた」といった書き込みがあった。街の人たちからも「こっちも違法サイトとしてタダで見ているから、その代償じゃないけど通信料とかそれくらいならいいかなと思っちゃう」という意見の一方、「もう開かない。すぐ携帯調子悪くなる」「怖い。使うのをやめようと思う。気持ち悪い」といった声も聞かれた。


 しかし、問題はスマホが重くなるだけではない。岡本氏は「不正プログラムに感染してしまったり、詐欺サイトに誘導されたりする危険がある。危険なサイトにはなるべくアクセスしないことを認識してもらうことが必要だ」と指摘する。三上氏も「著作権、クリエイターのことをまったく無視してお金儲けをしている上に、利用者のことも騙している。サイトを開いてはダメ」と厳しく批判した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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