芸能界の「副業芸人」たち 飲食店経営からロケバス運転手まで

 厚生労働省が事業主向けに示している「モデル就業規則」が2018年1月、原則副業・兼業を認める方向に改定され、それと同時に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が発表された。民間企業で今後「副業の自由化」が浸透していくのか気になるところだが、日々収入が不安定であるお笑い芸人の世界では堂々と副業が行われてきた。

天津木村はロケバス運転手としても活躍(画像は天津木村の公式Amebaブログより)


副業に取り組んできた芸人たち

 成功者の中で多いのが、芸人による飲食店の経営やプロデュースである。先日、業界最高賞金の1億円をかけたリアル人生逆転リアリティーショウ『リアルカイジGP(グランプリ)』の番組MCに就任したお笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次は、10年以上前にジンギスカン鍋の店「成吉思汗 ふじや」を中目黒にオープン。クセのないラム肉が人気を呼んでいる。

(画像/過去記事:極楽とんぼに直撃 復帰後初レギュラーで「命さえ取らなければ苦情来ない」)


 千原兄弟の兄・せいじは吉祥寺にある居酒屋「せじけんビーフ酒場」を経営しており、この店ではまだ売れていない芸人をアルバイトとして雇っている。芸人は急にオーディションが入ったりライブが入ったりするため、アルバイトのシフトを変えてもらうことがよくあるのだが、せいじの居酒屋のように、周りがみんな芸人だと理解もされやすく、働きやすい環境だと言える。


 他にも飲食店を経営している芸人は数多くいるが、芸人として成功している彼らはプロデュース力が備わっているため、飲食店経営を成功させやすい。また、人脈が幅広い芸人も多く、独自で安く食材を仕入れる交渉もできる。


 たむらけんじは「炭火焼肉たむら」を運営する株式会社田村道場の代表取締役という顔を持つ。2008年に食中毒被害を起こし謝罪会見を行ったが、その困難を乗り越え、2016年には大阪にて新車・中古車の販売・買取・整備を行う「株式会社フィッシュブル」を開店し、「たむ犬.com」という犬の手作りご飯もプロデュース。「炭火焼肉たむら」は炭火焼肉ながらカレーメニューが人気で、そのおいしさは有名カレー研究家が太鼓判を押すほど。(過去記事:年間833食のカレーを食した“カレー研究家” お勧めは「炭火焼肉たむらのスパイスカレー」


勉強しながら不動産投資、企業顧問を行う芸人も

 お笑いで得たお金を元に不動産投資や企業顧問などを行い、稼いでいる芸人もいる。劇団ひとりは『幸せ!ボンビーガール』(日本テレビ系)で「実は僕、大家やってて……」と副業を明かしており、芸能活動の他に賃貸マンションを経営している。


 一発屋芸人と言われているコウメ太夫も売れているときに約5000万円のアパートを購入し、副業でアパート経営を始めた。自分が一発屋で終わることを予想し、将来を計画しながら不動産投資するという賢い選択をしている。


 過去、お笑いコンビ・カラテカの入江も1月に放送されたバラエティ番組『エゴサーチTV』(AbemaTV/アベマTV)で副業である企業顧問の仕事の月商が450万円であることを明かしており、本業よりも副業で稼ぐ額が多いことを告白している。(過去記事:カラテカ入江、副業収入は月450万円? その事業内容は…


 「副業で稼いでいる」と世間に大々的に明かすと、一般の人からSNSなどネット上で叩かれるという理由で、口外しない芸人もいる。これについて、お笑いコンビのキングコング・西野亮廣は自身のブログにて、「副業で稼いでいる」と口外することで、批判にさらされてしまう現実に警鐘を鳴らしている。


 西野自身も絵本作家として活動するだけでなく、企業顧問などの副業を行っている芸人だ。2017年には、ネットサービス「レターポット」も立ち上げた。2月23日に更新した自身のブログでは、「レターポット」についてテレビ番組やSNSなどで説明すると「西野が儲けている!」「西野が稼いでいる!」という批判の声が西野の元に寄せられることを明かし、その声に「『レターポット』の運営会社は、慈善団体ではなく、ただの株式会社で、利益を出さないと潰れてしまうし、スタッフさんは食いっぱぐれてしまう」「『お金教育』の必要性をあらためて感じた。説明するまでもないが、他人の稼ぎを認めない道徳観は確実に国を沈める」とつづっている。


アルバイト経験を生かして起業 ピン芸人「たかくら引越センター」

 芸人としてまだ知名度がなく、お金がないところからのスタートでも、副業が成功している人もいる。ピン芸人の「たかくら引越センター」がその一人だ。


 彼は学生時代に引っ越しのアルバイトをしており、その技術を活かして引っ越しの会社を設立。会社名も芸名と同じ「たかくら引越センター」である。芸能人の引っ越しの場合、一般の引っ越し業者だと家をバラされてしまうかもしれないという恐怖があるが、口が堅い引越し業者として「たかくら引越センター」が業界に広まった。先輩芸人からの信頼も厚く、引越当日の手際の良さもあり、芸能界に特化した引っ越し屋さんとして高評価だ。


 エロ詩吟で一世を風靡したお笑いコンビ・天津の木村卓寛は、最高月収が390万円と超売れっ子芸人であったが、その後収入が不安定に。天津は結婚して子供もおり、どうにかして稼ぐ必要がある。よって副業として、ロケバスの運転手を始めた。今でもお笑いの舞台には立っており、あくまでもロケバスの運転手は副業という位置付けだ。


 副業をしている芸人はそれぞれさまざまな理由があるが、芸人はいくら売れていても不安定な職業。彼らの副業を生き方として認め、自身の立場をうまく利用した働き方に、学ぶべきものがあるのかもしれない。



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