パンサー向井が被害に遭いかけた体験を激白 "痴漢ビジネス"対策とは

 日本特有の犯罪とも言われる痴漢。その一方、見に覚えのない痴漢の疑いをかけられる「痴漢冤罪」の被害に遭う人も後を絶たない。お笑いトリオ「パンサー」のツッコミ担当、向井慧もその一人だ。22日放送のAbemaTV『AbemaPrime』で、5、6年前に遭遇したという痴漢冤罪体験について、向井が告白した。


■「"100%やっていない"という証拠もない」

 向井が被害に遭ったのは、浅草から渋谷へ向かう東京メトロ銀座線の車内だった。パンサーの尾形貴弘や芸人仲間4人で乗車していたところ、隣に座っていた女性が豹変、「お前ずっと触ってんだろ!」と痴漢の疑いをかけてきたという。向井は「まったく触っていないので、もしどっか当たってたらすみません」と対応したものの、女性は「触ってただろ!」の一点張りだったという。

 あまりに非現実的な状況だったため、向井たちは思わず笑ってしまい、改めて触っていないことを説明、女性に背を向け、無視し続けたという。その間、ずっと「痴漢だ」と罵倒し続けたという女性は、渋谷で降りた後も彼らを尾行。今度は向井ではなく、車内で離れたところに座っていた尾形を掴み「この人痴漢です!」と叫び出したという。人通りの多い渋谷でのこと。周囲の視線を集めてしまい、パニックになった尾形は周りからは本当に犯人のように見えたという。


 駅員が駆け寄り、事務所に連行されようとしたところ、電車で乗り合わせていた乗客が向井たちの無実を証言、おかげで事なきを得た。「確かに、"100%やっていない"という証拠もない。やっている証拠もないが、やっていない証拠もないわけで、そう言われたら立場が弱いと思った」。


■"痴漢ビジネス"の可能性も

 「向井さんのようなケースは、いわゆる"痴漢ビジネス"に巻き込まれた可能性が高い」。

 この女性の一連の行動は、やってもいない痴漢をでっちあげて示談金として金銭を巻き上げる詐欺行為の可能性が高いと指摘するのは、痴漢冤罪問題に詳しい山口政貴弁護士だ。向井のケースを見てみると、痴漢ビジネスに当てはまるポイントがいくつかあるという。

 1つ目は「座っている状態で声をかけられた」という点。「隣の人に肘や体が触れてしまう。それで謝らせるという作戦だった可能性が高い」。2つ目のポイントは「満員電車ではない状態だった」ということ。「満員ではないので、周囲の人にターゲットだと注目させることができる。ひょっとしたら同じ電車内にグループがいたかもしれない」。そして3つ目のポイントは「最終的にターゲットを変えた」ということだという。「本当の痴漢被害の場合、ターゲットを変えるなんてことはあり得ない」。


 また、痴漢ビジネスの特徴として「グループ(カップルや友達)になって犯行を行う」「被害者役、目撃者役、証言者役などを用意する」「痴漢を訴えるが警察沙汰にしようとしない」「基本的には示談目的」といったことが挙げられるという。2008年、大阪の地下鉄内で当時大学4年生の男が交際していた女と共謀し、乗り合わせた50代の男性を示談金目的で痴漢として捕まえ警察に突き出した事件があった。また近年ではSNSなどで仲間を募り、違う高校の女子高校生同士がグループとなって電車内で男性から示談金を巻き上げたという事件もあったという。


 山口弁護士によると、こうした犯罪の場合、示談金として40〜50万といった、1回で払えるギリギリの金額を定時してくることが多いのだという。


 向井は「もし証言してくれた人が向こうの仲間だったとしたら、全然状況が変わっていただろうなと思う。『やっているのを見ました」と言われたら、もう手立てがなかったかもしれない」と振り返る。


■「駅長室に真っ直ぐ向かうのは、絶対にダメ」

 では、このような被害から身を守るにはどうしたら良いのだろうか。向井のケースのように、相手の発言や行動が変わっていくことがあるので、最初から記録しておくことが武器になるのだという。


 客観的証拠を残すためにやりとりを撮影し、状況に応じた対応方法を手順に沿ってナビゲートしてくれる「痴漢冤罪防止ナビ」というアプリを監修しているモノリス法律事務所の河瀬季弁護士は「供述の変遷」に着目した対策を教えてくれた。「言っていることがどんどん変わっていくという意味だが、これが冤罪を防ぐ上では重要なポイントになる。例えばスマートフォンで証言を録画しておく。そのデータがあれば、それが明確になる」。

 また、手と指の位置や動きを詳細に記録して潔白の証明を手助けしてくれる「冤罪STOP」というアプリもある。これは起動して画面を触ったままスマホを握って電車に乗り、もう片方の手で吊り革につかまっていれば、画面に触れている手の状況が記録され、アリバイを作ることができるというものだ。


 さらに物的証拠も重要になる。科学鑑定を行い、裁判所や検察庁などの公的機関から依頼を受ける、いわば「民間の科捜研」ともいえる法科学鑑定研究所では、痴漢冤罪における無実を証明するための「DNA鑑定」を行っている。もし痴漢をしていた場合、犯人のDNAは被害者の衣類に付着しており、犯人の手には被害者の衣類の繊維が付着している可能性が高い。DNAや繊維鑑定は、強く触った場合と軽く触れた場合の繊維の付着量の差などからも、かなり有効な証拠になり得るのだ。

 ただ、こうした鑑定のためには設備を整える必要もあり、鑑定費用も6万円ほどと高額。すぐに駅構内で実施できるようになる可能性は高くない。痴漢冤罪に遭いそうになった場合、まずは自分で自分の身を守る必要がある。山口弁護士は「とにかくその場を離れて、すぐに弁護士に相談する。これが一番。駅長室に真っ直ぐ向かうのは、絶対にダメ。その場ですぐに現行犯逮捕されてしまう」と訴えた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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