注目が集まるとSNSで一気に拡散、「ローカルCM」「地方PR動画」が多く作られる理由

 地方で放送されているテレビCMおよびPR動画を紹介するサイト「ぐろ~かるCM研究所」を運営するテムズが、今年最も秀逸だった作品を決める「ぐろ~かるCM大賞2017」を発表した。


 SNSで注目を集めると一気に拡散されるローカルCMや地方PR動画。ぐろ~かるCM研究所は、その中でも話題性のある動画を「ぐろ~かるCM」と定義し、優れた動画を「ぐろ~かるCM大賞」として毎年発表している。今年はサイトに掲載された152の動画の中から、大賞2つと特別賞5つが選ばれた。中でも特別賞は、選考の際に動画のコンセプトが重要視されている。

 例えば、「アイデア賞」を受賞した長野県×長野朝日放送のCM『声を聞き間違えるわけがない』は、オレオレ詐欺への注意を促したもの。森本レオさんがオレオレ詐欺への注意を訴えているが、その声はモノマネタレント・三四六によるアフレコだ。選考理由についてぐろ~かるCM研究所の鷹野義昭所長は「まさかの展開!森本オレオレCM、ユーモアがあってストーリー感もあって、非常にいいアイデアのCM」と評価する。


 さらに特別賞の中で鷹野所長イチオシの動画が、長野県小諸市のPR動画『小諸がアツ・イー!』。ご当地キャラ・こもろんが、突如あらわれた悪者に名産を与えて改心させるという内容だ。驚くべきは、動画の制作費が9500円(人件費除く)と破格の安さであること。「第1弾のPR動画が出た2016年12月、ふるさと納税が劇的に増えている。前年度に対して数千万円以上増加した」と鷹野所長が話すとおり「コスパ賞」を受賞した。


 また奈良県王寺町は、聖徳太子ゆかりの地としてペットの犬「雪丸」が主人公の動画『雪丸散歩』を制作。CGを使わずに、雪丸がドローンで空中散歩する様子が他にはない動画として評価された。


 その他にも、JAFのアンケートで“運転マナーが悪い”とされる岡山県で、運転マナーを見直す目的で作った岡山トヨペットの『Bubblepack Town』、ウォーキングの町として社会問題の歩きスマホへ警鐘を鳴らす動画を制作した広島県・坂町の『ATTACK of smartphone』など、特別賞受賞作品それぞれに理由がある。


 そんななか、大賞に選ばれた2つの動画は再生回数が50万回以上(13日時点)と影響力の大きいものが受賞した。

 「ぐろ~かるPR動画大賞」を受賞したのは、広島県呉市の「呉ー市ー GONNA 呉ー市ー」。90年代に大ヒットしたTRFの「CRAZY GONNA CRAZY」の替え歌と、ご当地キャラのダンスが審査員の目にとまった。


 そして「ぐろ~かるCM大賞」を受賞したのが、2017年末の閉園が決まっている福岡県北九州市のテーマパーク「スペースワールド」のPR動画『所信表明篇』。オープン時の様子やショーなどの映像に「閉園、申し訳ありません」のナレーションが重なり寂しさを感じさせるが、ラストは「なくなるヨ!全員集合」と閉演告知とは思えないテンションになる。


 インパクト重視の「ぐろ~かるCM」。しかし、これからは新しい話題性が必要だと鷹野所長は指摘する。「これからのPR動画としては、PR動画だけでは終わらない、例えばイベントとリンクしたり多面的な展開をしていくという傾向が強くなってくると思う」。実際にリアルのイベントをリンクさせた山梨県小菅村のPR動画『小菅オブザデット』は成功例といえるだろう。

 ローカルCM・地方PR動画は年間1000本以上作られるというが、なぜ地方PR動画は多く作られるのか? 鷹田所長は「2015年以降、総務省がPR動画制作の助成金を打ち出したこと」「ご当地キャラは維持費や稼働が必要な一方、動画は制作してアップするだけで管理する必要がないこと」の2つを挙げた。

(AbemaTV/『原宿アベニュー』より)


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