「ガソリン車にできて電気自動車にできないことはない」 3.1秒で時速100km、EVで躍進続けるテスラ

 パナソニックや掃除機で有名なダイソン、グーグル、アップルも参入を発表するなど、「EV=電気自動車」の開発競争が激化している。そんななか、躍進を続ける企業を『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)は取材した。


 徳永有美キャスターが試乗したのは、2003年に創業したアメリカの電気自動車メーカー・TESLA(テスラ)の「モデルX」。最速のSUVを目指して開発され、1回の充電で走行できる最大距離は565km、なんと最速3.1秒で時速100kmまで加速できるのが特徴だ。

 テスラをはじめ、各国の自動車メーカーも続々と電気自動車を発表するなど世界的に注目が集まっている。なぜ、いま電気自動車が注目されているのか。


 今年7月、イギリスやフランスが相次いで、2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を発表。そして先月9日、深刻な大気汚染に対応するため、中国政府がガソリン車やディーゼル車などの生産と販売の停止を検討していることを明らかにするなど、この数カ月間で自動車を取り巻く環境が大きく変化している。


 世界的に環境対策への機運が高まる中で開発競争が進んでいるのが電気自動車、そして躍進を続けているのがテスラだ。

 「運転が楽しくないと、ガソリン車から電気自動車に買い替えていただけない」と話すのはテスラ広報の土肥亜都子さん。「どうやってガソリン車から電気自動車に乗り換えていただくかが非常に重要なので、ガソリン車よりいい車、ガソリン車にできて電気自動車にできないことはないというビジョンで車を作っている」と語る。


 実際に車を運転し、「ちょっと新しい扉を開けてしまった感じ」「電気自動車のイメージと全然違う」「アクセルを踏んでちゃんと手ごたえを感じられる」と感想を述べる徳永キャスター。

 なお、現在日本で販売しているのは1000万円クラスの高級タイプのみで、2019年にはコンパクトで価格を抑えた新型車「モデル3」を発売予定だという。


■電気自動車増加の裏で“充電渋滞”も

 訪れたのは、栃木県佐野市に先月末開設された「スーパーチャージャーステーション」。テスラ車は基本的に無料で利用できる急速充電施設だ。車のバッテリーサイズによるものの、30分で270km分、大体半分から7割を充電できるという。

 長距離ドライブを快適にするために設置が進み、国内にあるスーパーチャージャーステーションは現在15カ所。この施設のほかにも、テスラ車専用の充電設備が全国約100カ所のホテルや旅館、カフェなどに設置されており、アダプターを使用すれば国内にある7000カ所以上の公共の急速充電設備などで充電することもできる。しかし、全国に3万以上あるガソリンスタンドと比べると、まだ数が少ないのが現状だ。


 テスラ広報の土肥さんは今後の課題として「電気自動車が増えたのはとてもいいことだが、すでに充電渋滞のようなものが全国で起きているので、適切な場所、電気自動車ユーザーが使うところに充電器をつけていくことが必要だと思っている」と語った。


 高い加速性能や充電費用の安さに加え、排気ガスも出ない電気自動車。しかし、いいことばかりではないと国際自動車ジャーナリストの清水和夫氏は指摘する。

 「日本が今一番EVの風が吹いているが、それは正しい見方とは違う。ガソリン車、エンジン車すべてを悪者にして、電気自動車が白馬の王子のような、環境にやさしい乗り物だというのを信じて疑わないような政策は多いが、電気自動車のための電気をどこでどうやって作るのかを考えないと決して環境には優しくない」。


 たしかに原油を精製したガソリンや軽油を燃料として使うエンジン車に対して、電気自動車はエネルギーを電気に頼っている。この電気も、発電方法の多くを占める火力発電なら元は原油や石炭に依存していて、どちらが環境に対して影響が大きいのか検証が必要だ。

 「エンジンを悪者扱いしている限り、EVは正しい方向に進化できない。ガソリンエンジンもEVを悪者にしてはいけない。それぞれの特徴を生かしながらもっと色々な、多様な価値を作り上げていくことが、21世紀的な車の進化の方向だと思う」と清水氏は述べた。


 取材を終えた徳永キャスターは「加速度、乗り心地ともにエンジン車を超えているんじゃいないか」と感想を述べる一方で、「エネルギーを供給するためのインフラ整備が課題」と指摘。また、電気自動車が普及するカギとして、東京工業大学准教授の西田亮介氏は環境をコンセンサスにした「規制の強化」と、海外の影響を受けた需要増を狙った「ビジネス戦略の必要性」をあげ、「両方がうまくかみ合えば普及するのでは」と語った。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)


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