「今こそ与野党で安保法制を語り直す機会だ」細野豪志氏が北朝鮮危機、安全保障を語る

 6回目の核実験を強行、さらに9日の建国記念日に向けミサイル発射の動きを見せていることが報じられた北朝鮮。国際社会にも手詰まり感が漂う中、あるべき日本の外交・安全保障の姿は一体どのようなものなのだろうか。AbemaTV『AbemaPrime』では、細野豪志・衆議院議員を直撃した。


 細野氏は日本政府のこれまでの対応について「ここはきっちりと圧力を強める時期で、対話の時期ではないということも含めて、今のところアプローチは間違っていないと思う」と評価。「朝鮮半島で戦争が起これば、『重要影響事態』に該当する。その場合、米軍を後方支援することも絶対に必要。また、ミサイルがグアムに発射された場合、集団的自衛権の行使が必要になってくると思う。安保法制の中でこういうことをやらせてほしいと、その必要性を説明する機会になる。2年前、安保法制で与野党はものすごく対立していたが、仕切り直しをする機会になると思う。自身が政権の中枢いたとしたら、与野党に国会での対話を呼びかける」とした。


 しかし、北朝鮮によるミサイル実験の脅威は今に始まったことではない。そんな中、民進党を中心とした野党は森友学園や加計学園問題などを中心に論戦してきた印象があることは否めない。この点について、党内でも訴えてきたという細野氏だが、「なかなか大きな声にならなかった」と振り返る。


 「内政についてはガンガン議論すればいいが、安全保障についてはあまり与野党で違いがない方がいい。2002年の有事法制の際には与野党が歩み寄ったのに、今はむしろ冷戦期に戻ってしまったような気がするのは残念。当時の小泉総理のように、安倍総理にも野党の考えを取り入れる努力をする必要があったと思う。ただ、"安倍政権だから反対だ"とか、世論が流れているから反対しよう、という態度を民進党が取ったのは間違いだった。


 むしろ野党の側から、そういう事態になった時には政府に全面的に協力をするという姿勢が示されていいし、きちっと話し合える環境を整える必要がある。この2年間、野党側から歩み寄る余地もあったが、それができなかった。背景には民進党と共産党の協力関係も要素としてあったと思う。それが、私が民進党を離党した理由でもある。野党をまとめよう、協議しようと言ってきたのは自分だという自負があるし、長島昭久さんもその立場だった。二人とも党を出てしまったが、前原さんはそういう思いを持っていると思う。民進党の議論のあり方を変えられるか、もうちょっと注目して見ていたい」。


 元産経新聞記者でジャーナリストの福島香織氏は、細野氏のスタンスについて「非常に真っ当なことをおっしゃっている。なんで民進党におられた時にちゃんとできなかったのかという気もする。民進党は安保法制についての考え方や、もっと国家の危機にしては、一致して協力する準備があるよと国民に向けてアピールすれば、安倍政権も歩み寄りを視野に入れるのではないか」と指摘。

 慶大特任准教授の若新雄純氏からも「民進党内で様々な意見があっても、民主党時代からの支持者や、反安倍政権の支持者を失うのが怖いから変えられないのではないか。周りで民進党を支持している大人たちを見ると、言葉は良くないが"中途半端インテリ"のような人が多い気がする。僕の両親も教員で、まさに典型的なハト派。"憲法を変えるなんてことを言う政治家は消さなければいけない"と、地域の寄り合いでも言っている(笑)。対話しようとしても、長年そのスタンスでやってきたので今更態度を変えられない。そういう人たちへの説得がうまくできなかったのではないか」との指摘も出た。

 細野氏は「鋭い指摘だ」とした上で「安全保障はあまりぼわっとした概念で語らない方がいい。戦争はやらないほうがいい、平和がいいのは当たり前なんだけど、北朝鮮と対話すれば核開発やミサイル開発やめますかといったら、するでしょうと。過去に対話して一旦は収まったかのように見えたが、裏では開発を続けていて、結局その脅威は増してしまった。朝鮮半島で戦争が起こった場合、後方支援しなかったことで日米が離反することで何が生まれますか、などを丁寧に説明することができなかった」とした。


 そんな細野氏の国防および国家観についての考え方とは、どのようなものなのだろうか。『中央公論』(5月号)の中で細野氏は、「国論を二分して憲法9条について議論するより、厳しいわが国の安全保障環境に対応した防衛力を着実に強化することを優先すべき」との提言をしていた。

 この提言の真意について細野氏は「私は政治家になる前から、憲法9条に自衛隊をきちっと書いたほうがいいと思ってきた。安倍総理の考え方とも近い。しかし、国論を二分して、そこにエネルギーを投じることの大変さもわかっている。一番恐ろしいのは、自衛隊を明記する条文が国民投票で万が一否決されたら、自衛隊の存在そのものが否定をされたという風にとられかねない。それだけは避けなければならない。憲法改正を前向きに議論するのは悪いことではないが、国民の理解が得られるまで投票にはかけないほうがいい」と説明する。


 その上で目の前の課題として「朝鮮半島にはソウルを中心に5万人以上の日本人がいる。衝突が発生したら陸路で釜山まで移動し、船で帰ってこなければならなくなる。そういうシミュレーションを徹底してやった方がいい。米軍の支援体制の整備、ミサイル防衛技術の向上が急務だ」とし、過去最大となる5.2兆円を計上した防衛予算についても「中身自体は悪くない」と評価した。

 また、日米同盟については「本当にグアムが北朝鮮に狙われて、被害が出るかもしれないという時に、近くにいる日本が迎撃もできるのに"集団的自衛権の行使だからやりません"と言うべきではない。外交は対等が原則だけど、"強いアメリカが付いていますよ"というのが日本の現状。補い合うことによって、アメリカにもメリットがあるという状況をつくり、それによって日米同盟を継続し、アメリカ国民の理解も求めていかなければいけない」と訴えた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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