西田敏行さんも被害に!デマをネットに投稿して一儲けする人々

■「ブログなどのアクセス数を増やし、広告収入を得ることが目的だった」

 俳優の西田敏行さんを中傷するデマをネットに投稿した男女3人が偽計業務妨害の疑いで書類送検された。書類送検されたのは40代自営業の女、40代会社員の男、60代無職の男の計3人で、拡散していた内容は、「西田敏行さんが違法薬物を使って、日常的に暴力をふるっている」というもの。警視庁によると、自分で運用しているブログなどのアクセス数を増やし、広告収入を得ることが目的だったという。

 西田さんの所属事務所は「事実無根の話がネットを通じて広がってしまう。本当に迷惑した。単なる噂であっても、噂が出ただけで進んでいた仕事が一時延期になったり、止まってしまったり、仕事に深刻な影響があった。真摯に仕事を続けている役者に、あのようないわれのない誹謗中傷をしたのは許せないこと。でも今回、無実であることが証明されて良かった。捜査にあたってくれた警察に敬意を表したい。今後このようなことが起こらないことを願っている」とコメントしている。


 西田さん自身は、去年10月のドラマの制作発表会見で「ネットのニュースで色々書かれたりなんかしまして、結局は『シャブ隠しのためにあそこに入院したらしいぞ』みたいなことまで言われちゃいまして。本当にあえてこの場を借りて申し上げますが、私シャブ中じゃございませんので、ひとつよろしくお願い申し上げます」と、冗談を交えながらも疑惑を全面否定していた。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「昨年、週刊誌が"清原元選手の次に逮捕されるのは大河ドラマ主演級の大物俳優"と報じたことで、2ちゃんねるなど、ネット上の掲示板では誰なんだろうという議論になった。そこで名前が挙がった人について、まとめサイトを作って拡散させた。」と説明する。


 今回の容疑である「偽計業務妨害」とは、嘘を用いて人の業務を妨害する罪で、刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっている。

 「今までは、ひどいことや嘘を書いた場合、名誉毀損で警察が逮捕に至ったことはある。しかし名誉毀損は被害を受けた人が告訴しければ警察は動かない親告罪。また従来は"ネットではこう書いてある。俺はこう思うと決めつけているのではない"という書き方で逃げてきた部分もある。今回、偽計業務妨害として検挙したのは、フェイクニュースやネットでの誹謗中傷が仕事や業務に影響を及ぼすなら、きちんと取り締まるという姿勢に警察も変わりつつあるのかもしれない」(三上氏)


■誰でも始められ、儲けることができてしまう現実

 今回書類送検された3人が利用していたとみられる「アフィリエイト広告」の報酬の仕組みとはどのようなものなのだろうか。簡単におさらいしておこう。


 ネットの検索結果ページやサイトに表示されている広告を読者がクリック、広告主のサイトなどに遷移した場合や商品購入により、そのサイト運営者に報酬が支払われるというのが基本的な仕組みだ。つまり、サイトのアクセスが増えれば増えるほど、それに比例して売上もアップする。


 「Amazonが商品へのリンクを設置できるものを出したり、GoogleがAdsenseという簡単に設置できるフォーマットを出したりと、誰でも簡単に登録ができるようになった。住所、氏名、銀行口座、自分のブログを開設すれば、すぐに収入を得ることができるようになる。」(三上氏)


 また、読者の興味本位のワンクリックがサイト運営者の収入源に直結するため、少しでも話題になるよう、きわどい言葉を並べクリックを誘発し、アクセス数を稼ごうとする人たちもいる。


 「どのキーワードを、どの順番で出すとページビューが上がるのかも研究するし、タイミングがどうなのかということもする。おカネ儲けのためなので、より悪質になってしまう。最近では動画サイトの方が収入を得やすい傾向にあり、話題になっているタレントの動画などを勝手に短く編集してYouTubeに出す人もいる」(三上氏)


■プラットフォーム企業、広告主の責任は?

 こうした誹謗中傷やフェイクニュースは時として選挙にも大きな影響を及ぼすことから、海外では対策も始まっている。また、まとめサイトに対し、ブログサービスなどのツールを提供しているプラットフォーム企業の責任も問われている。

 「例えばFacebookはフェイクニュースが拡散されないよう監視を始めている。Googleも英語版ではファクトチェック機関が疑義あると判断したものには、検索結果にその旨が表示されるようになった。Twitterは規約違反とみなしてアカウント停止も行うなど、比較的厳しい対応をしている。日本は多少遅れていたが、ファクトチェックをする団体が先月立ち上がった」(三上氏)

 また、悪質なサイトなどに広告を出稿した側の責任も議論の対象となっており、三上氏によると「YouTubeの差別的な動画に大手企業の広告が出ていたことが問題になったこともある。しかし、自動的に広告が配信しているため、広告主は自分の広告がどこに出ているか分からない場合も多い。広告配信会社も今後はこういったニュースの質、サイトの質も見ていかないといけない、という声が出ている」と指摘した。

 SmartNews(スマートニュース)の松浦茂樹氏は「長年やっていると、まとめの記事をよく見る。昔は新聞や週刊誌の記事をもとにみんなでワーワー言っていたが、最近ではTwitterで何かしらの発言があったとか、噂が元になって記事が作られているものが多くなってきたなという印象はある」と話し、「スマートニュースもファクトチェック団体に対して記事のデータベースやアルゴリズムの面でサポートしたり、ファクトチェック国際会議に社員を派遣したりしている」と話す。


 お金儲けのためにデマの記事を作成・拡散させる悪質な行為を防ぐことはできるのだろうか。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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