小林よしのり氏、「男系天皇にこだわることは本当にいいのか?」

 天皇退位特例法案が衆議院を通過した。付帯決議には女性宮家検討が盛り込まれた。また、眞子さまがブータンを公式訪問されたが、これが最後のご公務となるのだろうか。眞子さまの婚約準備が明らかになり、女性宮家創設に関する議論が注目を集めている。


 眞子さまと婚約された小室圭さんの会見と同じ日、民進党の蓮舫代表は「皇族の減少という現実に私たちは今、直面している。女性宮家の早急の検討を、期限を区切って行うべき」と述べた。


 去年の秋、秋篠宮さまも「今は女性の皇族が多いわけですけれども、結婚すれば皇族ではなくなるわけですね。今の活動をそのまま今後も量を同じようにできるかというと、私は、それは難しいと思います」と述べ、公務の担い手が減少することに危機感を示された。


 女性宮家の創設とは、これまで結婚すると皇籍を離脱してきた女性皇族が結婚後も独立して宮家を営むことだ。2005年、小泉政権が女性天皇とその子である女系天皇にも皇位継承を認める報告書をまとめた。しかし翌年、悠仁さまが誕生し、一旦議論は収束した。


 2012年、旧民主党の野田政権が皇族減少の対策として、女性宮家の創設を検討する論点整理を行った。しかし、皇位の男系継承にこだわる安倍総理の登場で議論は立ち消えになった。安倍総理は今年1月、「男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえつつ、安定的な皇位継承の維持について引き続き検討して参りたい」と国会で答弁している。しかし、眞子さま婚約報道の3日後、安倍政権が天皇退位等に関する皇室典範特例法案を閣議決定し、国会に提出すると、民進党は付帯決議案に「女性宮家創設の検討」を明記し、法成立後1年をめどに国会に報告することを求めた。

■万世一系2600年 皇族減少の危機


 今上天皇は神武天皇から125代目にあたる。2600年以上にわたる皇位が、全て父方の血統を組む男系で受け継がれてきた。女性天皇は過去に8人・10代が存在したが、男系天皇が成長するまでの中継ぎの役割だった。女性天皇の子どもが女系天皇になった例はない。


 特例法案の付帯決議案では「安定的な皇位継承」や「女性宮家の創設」などについて先延ばしできない重要な課題、と指摘している。民進党に配慮する形で自民党が難色を示していた女性宮家の文言が明記された。その一方で、検討開始の時期については「特例法成立後1年」とする民進党案ではなく期限を区切らず「特例法施行後」の与党案が採用され、両者痛み分けの決着となった。特例法案の施行日は天皇退位の日とされており、早くとも2018年12月と見込まれている。女性宮家問題の検討開始は少なくとも1年半先送りされることになる。


 なお付帯決議とは法案可決に際して国会の意見や希望や意見を表明するもので、法的拘束力はない。皇位継承の歴史についてしばしば「万世一系」と表現されることについて明治天皇の玄孫である竹田恒泰氏は「万世一系というのは、あくまでも比喩表現。1万の世代が続いてきたという事実を述べているのではなく、未来永劫、天皇がずっと続いたらいいですよね、という気持ちを込めて昔の人が言ってきた」と解説した。


 神道学者の高森明勅氏は「大日本帝国憲法の第1条に万世一系という言葉が使われてポピュラーになった言葉だ。使われた時はそんなに古い言葉ではなくて、岩倉具視が作った言葉だろうと言われている。2600年というのも歴史学的には正確ではない」と竹田氏の解説を補足した。

 現在の皇族で皇位継承を持つのは4人だけだ。第1位が皇太子殿下、2位が秋篠宮さま、3位が悠仁さま、4位が常陸宮さまだ。30代以下の皇族が現在8人いるが、悠仁さま以外は全て女性だ。そのため、悠仁さまが即位する頃に皇族が1人もいらっしゃらない可能性があると指摘されている。


 漫画家の小林よしのり氏は「女性の皇族が結婚すると民間人になる。皇室典範に書いてある。これを改正しないと残ることはできない」と現状について解説した。小林氏の発言を受けて、竹田氏は「典範に書いている云々の話の前に、皇室の歴史上、そうなっていた。民間の男子が皇族になるということは、かつて一度も先例がない」と述べた。


 高森氏は「明治以前は民間の女子が入っても皇族にはなれなかった。明治以降になって、結婚した民間の方々が皇族に入るという新しい例を作った」と説明した。


 高森氏の発言に対し、竹田氏は「皇族になるかどうかではなく、私が申し上げているのは、民間の女性が結婚と共に宮中に入るという言い方が正しい。当時、皇族という身分になれるということはなかった。民間の女子は結婚と共に宮中に入る。しかし、民間の男子は1人も宮中に入ったことがない。だから、『女性の宮家は何でダメですか?法律に書いてあるから』というが、なぜ法律に書いてあるかというと、2000年来ずっとそうやってきたからというのが答えになると思う」と持論を述べた。


 小林氏は「美智子さまが宮中に入る時にもものすごい反対運動があった。右翼方面から」と当時の様子を述べた。さらに「でも美智子さまが入られて、今は誰も違和感を持ってないでしょ。右翼も思ってない」と民間の女性が皇族になることについて、現在の世論が認めていると指摘した。

 自民党・柴山昌彦衆議院議員は「男系を維持するということについては、過去において、それが絶えそうになると女性がピンチヒッターという形で天皇になった。しかし、そのお子さんは皇位継承(者)ではないと。このルールを当時の方々は何が何でも守るために、先祖に遡って男系の別の男子を天皇陛下にするということをやってきた」と述べ、女系天皇に反対する立場を示した。


 竹田氏は「これまで皇位継承の危機というのは経験している」と述べ、さらに「遡って男系の子孫を探してきて、その方に天皇になって頂いた」という25代、26代の天皇の例を紹介し、先人が知恵を出し合って維持してきたことを尊重するべきとの認識を示した。


 小林氏は「学説も色々ある。女性天皇、女系天皇の問題にしても、古代の女性天皇は必ずしも中継ぎではなかったとか色々な説がある」と述べた。さらに「こだわることは本当にいいのかという問題。男系で本当に続くのかという問題。側室がいたから続いてきた。側室がいなくなって一夫一婦制になった今、必ず男の子、男の子と生まれていくのか」と皇室の存続の観点から、男系天皇にこだわる意見の問題点を指摘した。


 竹田氏は「側室がいないと男系が維持できないとよく言われるが、私はそうは思わない。側室を作れという話ではない。一定数の皇族をきちんと確保することによって、男系を継承する」と反論した。


 柴山氏も「傍系には男子皇族の候補となる方がたくさんいる。小林さんがおっしゃったのは、今の皇室に男子の子どもが誕生しなければ、その家系は確かに困るということ」と男系天皇にこだわることは問題ではないとの認識を示した。

■皇族減少の危機 旧宮家復活させるべき?


 旧宮家は1947年、GHQによって11の宮家の廃止が決まり、51人が皇籍を離脱した。


 竹田氏は「11宮家がなぜ今民間人かというと、GHQの圧力によって。日本が戦争に負けたということで、昭和天皇も(11宮家が民間人なることを)望んでいなかった(がそうなった)」と歴史的な経緯について解説した。さらに、「お母さんから娘に、これを女系継承だと言うのは自由だけれど、事実として男系の血筋をひかないものが天皇になったことは一例もない」と述べ、女系天皇を認めるべきだとの主張を否定した。


 柴山氏も「女系天皇という制度が過去にあったと何とか理屈付けたい人たちがそういうふう(女系天皇が過去にいた)に言っているにすぎない」とし、天皇は男系であるべきだとの立場をあらためて明確にした。


AbemaTV/みのもんたのよるバズ!より)


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