「死ぬまで戦う」東京入管で収容された外国人たちが抗議の”断食”

■隠れて弁当を食べている人もいる?

 東京入局管理局に収容されている外国人ら約40人が、9日夕方から長期収容などに抗議し、飲まず食わずのハンガーストライキを行っているとロイター通信が報じた。長期収容や職員による威嚇行為に抗議したもので、取材に応じた1人は「死ぬまで戦う」と話したという。


 東京入国管理局によると、抗議しているのは約20人で、国籍は様々だという。支給された食事は拒んでいるものの、部屋には水道があり、隠れて弁当を食べている人や、施設内で購入できるお菓子などを食べている人もいるとしている。


 また、抗議に対しては「ハンガーストライキをしたところで何が変わるということはないので、適切ではない」としているが、要求書を提出、医療や食事、自由時間などの処遇改善を求めているとロイター通信は報じている。

 入国管理局に収容されるのは「在留資格がない」「不法入国」「不法就労者」など、主に強制送還の行政処分を受けた人で、東京入国管理局の施設に現在収容されているのは560人に上る。国籍はタイ、中国、フィリピンなどアジア系が大半だという。


 収容に至った事情は様々で、日本人と結婚し子どもも生まれたが、在留資格が得られなかったり、母国に帰国すれば政治的・宗教的な理由で迫害を受ける可能性があったりする場合や、在留資格が無く、難民申請も却下され続けているケースもあるという。

 東京入国管理局によると、被収容者の部屋は板敷と畳張りの和室で冷暖房は完備。支給される食事は、朝食はパンにゆで卵、昼と晩は白米とスープにおかずが3品。また、一定時間に限り、部屋以外の収容エリアで自由に入浴、洗濯、運動ができるという。さらに施設には医師および看護師が常駐し、必要に応じて外部の病院に入院ができるとしている。


■「海外と比べて非常に劣悪な環境」

 日本の収容施設は、海外と比べて非常に劣悪な環境であると言われている。ジャパンタイムズの2015年の記事によると、イギリスの刑務所監督官が日本の入国管理局を視察し「刑務所のようだ。イギリスの施設ではオープンスペースで家族と自由に会える」と感想を漏らしたという。


 実際、過去には悲劇も起きている。今回ハンガーストライキが行われている東京・品川の施設では、2014年にスリランカ人男性が急性心筋梗塞で死亡、茨城・牛久の施設でもイラン人男性とカメルーン人男性が2日連続で死亡している。

 谷垣法務大臣(当時)は「2人が亡くなったのは特殊なこと。常勤医師の確保は難しいがしっかり取り組むべき」とコメントしたが、今年3月には再び牛久の施設でベトナム人男性がくも膜下出血で亡くなっている。


 医療、食べ物、自由時間における処遇改善を求めている「牛久入管収容所問題を考える会」の田中喜美子代表によると、「男性は3月17日に、収容されていた部屋で大きな声を出して血を吐きながら倒れ失禁した。同じ部屋にいた外国人が職員を呼んだが、医務室の隣のベッドに置かれただけで次の日には単独房に入れられた。週末だったため、翌週月曜(21日)まで施設には医師がいなかった。しかも、入国管理局側は仮病の可能性を疑っていたようだ」と憤る。


■「外国人に対し、人権や人道的配慮が足りない」

 入国管理が専門で、ハンガーストライキを始めた被収容者から「心配しないでください」との連絡を受けたという暁法律事務所の指宿昭一弁護士も、入管の実態について「とても酷い状態だ」と話す。

 指宿弁護士によると、収容期間は平均で1〜2年、短い人でも7〜8カ月に及び、出所しても再び収容されることも多く、ストレスや病気で体調を崩してしまう人たちもいるという。


 しかし、施設の医師不足や職員の体制の問題もあり、十分な治療が受けられず、施設外の病院で受診させてくれることはほとんどないのだという。指宿弁護士自身も、過去に救急車を呼んで、外の病院に連れて行ってもらおうとしたことがあるというが、入管が救急車を中に入れてくれなかったのだという。


 「基本的に、人権や人道的配慮が足りないと思います」(指宿弁護士)。


 一方、入国管理をめぐる問題は報道が少なく実態がなかなか見えてこないのが実情だ。今回の問題も、当事者と入管との話の間に必ずしも一致しない部分もある。

 

 指宿弁護士は「もちろん色々な意見があると思うが、そもそも取り上げる機会も少なく、入国管理について考える機会がないのも確かだ。今回の問題をその機会にしてほしい」と話している。(AbemaTV/AbemaPrimeより)


(C)AbemaTV

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