暴力団の資金源に?「月刊実話ドキュメント」休刊の背景とは

 先月、38年続いた暴力団雑誌『月刊実話ドキュメント』が、現在発売中の5月号で休刊することを突然発表した。


 同誌は暴力団組員の最新情報や刺青などを紹介する人気雑誌で、雑誌不況の時代にありながら年間50万部以上と、売上は比較的好調な中での休刊。一部ではメインバンクから「発行をやめないと今後の融資はしない」という圧力が出版社に対してあったという噂も流れている。別会社で実際に雑誌を作っている編集会社に休刊理由を確認したところ、「銀行からの圧力ではない」との返事があった。


■宮崎学氏「ヤクザのことをテーマにしてはいけないという法律はない」

 しかし、過去には暴力団雑誌をめぐって訴訟問題にまで発展したケースもある。2009年12月、福岡県のコンビニから暴力団を題材にした70種類以上の雑誌やコミックなどが消えた問題だ。

 その中の1冊の暴力団雑誌に連載していた作家の宮崎学氏は、「ヤクザのことをテーマにしてはいけないという法律はないんですよ。ところがヘアヌードに関してはわいせつの法律があるわけですよ。法律のある方は緩くて法律のない方が厳しいというのはどこかでさじ加減が行われているということでしょ?」と振り返る。


 宮崎氏はコンビニが雑誌を撤去したのは警察の圧力ではないのかと、2010年4月、福岡県を提訴。しかし裁判所は警察の圧力ではないと判断。さらに「青少年が誤った憧れを抱く」などとして「撤去は妥当」との判決が下された。判決について宮崎氏は「警察の力は強いんだなと暗黙の力っていうのはね…。圧力がなかったらこんなことないですよ」と訴えた。

 弁護士の尾﨑毅氏は、暴力団排除条例が全国で制定されたことによって、「ヤクザ雑誌を出版する企業に融資している銀行自体が暴力団に対する助長・援助をしている、と見られる可能性は法令上ある」と説明する。


 果たして、ヤクザ雑誌の発行などヤクザをネタに商売をすることは許されないのだろうか。「表現の自由」との線引きも難しい問題だ。


 暴力団の問題を取材しているノンフィクションライターの西岡研介氏は「犯罪を助長する可能性のある内容で、なおかつお金を儲けている。仮に暴力団に対してお金が流れているのならば、これは暴排条例の対象になる。だが、ヤクザへの金の流れがないのであれば、"表現の自由"に含まれるはずだ。法律が規制しているわけではなくて、あくまで自主規制。出版業界側の問題もあると思う」と指摘した。


 元山口組系組長の猫組長は「自分たちのことを取り扱っている媒体なので、ヤクザにとってはやっぱり面白くないこともあるだろう。だけど、実話ドキュメントはそれに乗って、ヤクザ礼賛、広報みたいなことをやっちゃったのは問題があると思う。だからといって、何かの圧力があったとすれば、報道の自由や表現の自由の面で問題だ」と話す。


■西岡研介氏「現役の団体のリアルを伝えると権力はとたんに介入する」

 ヤクザをネタに商売しているものといえば、出版以外にも、映画やVシネマがある。しかし、そこでは今回の問題は起こっていない。この違いは何なのだろうか。


 西岡氏によると「『仁義なき戦い』など、昔あったことを取り上げる形であれば、それに対しては規制がない。ただ、今ある団体、現役の団体のリアルを伝えると権力はとたんに介入する」と指摘する。


 尾﨑氏も「フィクションかノンフィクションかなど、いろんな考え方があると思うが、やはり内容だと思う。例えば現役の組長が今後組をどうしていくかなどのインタビューが載る雑誌と、組長役の人がピストルで撃たれたり、任侠の世界のいいところも悪いところも見せる作品とでは全く違う」とした。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

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