金正男氏暗殺で振り返る 北朝鮮の暗殺と処刑の歴史、国の功労者や近親者までも…

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄にあたる金正男(キムジョンナム)氏が、13日にマレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害され世界を震撼させた。


 今回の犯行を主導したとみられているのは北朝鮮の工作機関である「偵察総局」で、これまでも金委員長の「最高尊厳死守」を名目に手段を選ばないテロ行為を繰り返してきた。偵察総局は海外での情報収集や破壊工作、サイバー攻撃を任務とし、要人暗殺を専門とする「暗殺組」という組織も存在するといわれている。「暗殺組」の実態は不明だが、数十人の暗殺専門工作員が所属するともいわれる。


 北朝鮮の工作機関は、過去にも近親者の暗殺を実行したことがある。1997年2月15日、金正日(キム・ジョンイル)総書記(当時)の夫人のおい、李韓永(イ・ハンヨン)氏が殺害される事件が起こった。


 李氏は、韓国・ソウル市郊外のアパートで撃たれ倒れているところを発見された。犯行現場には北朝鮮の工作員が用いる拳銃の薬きょうが残されており、韓国当局は事件の3日前に発生した「ファン・ジャンヨプ労働党書記亡命事件」に対する北朝鮮の報復という可能性が高いとみて捜査。しかし検挙することはできず、実行犯が北朝鮮へ戻った後、ようやく北朝鮮工作員の犯行ということが判明した。


 2011年に北朝鮮の最高指導者に就任した金正恩氏は、これまでに北朝鮮の朝鮮労働党幹部など北朝鮮の要職にあった人物や親族を100人以上処刑しており、処刑人数は年々増加の一途を辿っている。


 2013年12月12日には、金正恩氏の叔父で、政権ナンバー2の人物と見られていた張成沢(チャン・ソンテク)氏が処刑された。処刑された理由は、党行政部の利権を軍に回すようにとの金正恩氏からの指示を、張氏がすぐに実行しなかったことが原因だといわれているが、名目上の理由は張氏が金正恩体制を転覆させようとしている、いわゆる国家転覆を画策したからとされており、その後、直系親族全員が処刑されている。


 軍の序列2位にあたる、朝鮮労働党の要職も歴任するなど陸軍大将(国防相)として金正恩氏の軍掌握を補佐していた玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)氏は、金正恩氏に対して面と向かって「やっぱり若い人は、政治できないよね」と批判したり、数回にわたり金氏の指示に従わなかったりしたほか、軍訓練幹部大会で居眠りしたという理由で2015年4月30日に処刑された。名目上の処刑理由は「反逆罪」だった。


 金日成総合大学の副総長を務めた後、教育相に就任し、科学技術担当副首相を務めていた金勇進(キム・ヨンジン)氏は、朝鮮労働党大会に出席した折、金正恩氏の演説中に眼鏡を拭いた行為などが不敬な行為であるとして金氏に指摘され、最高人民会議に出席した際には座る姿勢が悪いとして問題視され、これらが原因で処刑された。名目的な理由は「反党、反革命分子、現代版分派分子である」と判断され処刑されたと言われており、時期は2016年7月初旬頃とされている。


 暗殺や処刑を続けることにより、北朝鮮内外で孤立を深める北の暴君。金正恩政権下では、今後も多くの血が流されるのだろう。


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