清水富美加の出家騒動を宗教学者が解説 「幸福の科学は世代交代を狙っているのでは」

 女優の清水富美加(22)さんが、家族と信仰する宗教団体「幸福の科学」に"出家"し、芸能界から引退する意向を示し、半年間の休養後「千眼美子(せんげんよしこ)」として講演などの宗教活動を行っていくことが明らかになり、波紋を広げている。


 騒動を受け、12日夜には幸福の科学と所属事務所がそれぞれ会見を開いたが、その内容は大きく食い違っていた。

 幸福の科学側は会見で「水着の仕事、そういう仕事は嫌だと言った。しかし事務所から突然のようにあさって撮影だと言われた」として、望まない仕事を強要されていたと主張。清水さん本人も、幸福の科学を通じて発表した直筆コメントで「お仕事の内容に、心がおいつかない部分があり、しっかりとした生活が送れず毎日がギリギリの状態でした。なので今、出家したいと思いました」と、仕事の悩みを抱えていたことを吐露していた。

 これに対し、所属事務所であるレプロ側の弁護士は「本人が望まない仕事を無理やりやらせることは断じてなかった」とし、「1ヶ月30日休みなしで働いて月給5万円という生活が続いた」とする幸福の科学側の主張に対しても「そういう時期があったということ。現在はかなり高額な報酬をお支払いしていると聞いている」と反論した。


 清水さん自身は、新たに開設したTwitterアカウント「@sengen777」で「出家だけではなくて誰かギリギリだと言った部分に隠された事誰か気付いてくれてますようにまた一つの事実がもう消されそう」などとツイートしている。


■「守護霊インタビュー」とは?

 新宗教にも詳しい宗教学者の島田裕巳氏は、幸福の科学のイメージについて「みなさんが知った頃と今とでは、だいぶ変わってきている。大規模な宣伝や、批判した出版社に激しい抗議活動をしていた80年代〜90年代初期と今とでは随分違う。結果的に認可はされなかったが、大学を作ろうとした頃から変わり始めたと思う。取材対応や、今回の対応を見ていても、外に向けてオープンだ。新宗教のなかでも一番オープンなのではないか」と指摘。


 その上で「ほとんどの新宗教は、信者の高齢化に伴って衰退してしまう傾向がある。幸福の科学も、ちょうど会見に出てきた広報担当の方のような世代が中心になっている。いかに世代交代を図っていくかを考えているのではないか」とした。


 今回の騒動は、幸福の科学が清水さんの「守護霊インタビュー」を公開・書籍化したことについて、マネージャーが本人と話をしたことが発端だという。「守護霊インタビュー」は、本人へのインタビューではなく、その"守護霊"にインタビューしたものを"霊言"として公開しているもので、非常に多くの書籍が出版され続けている。

 その一方で、"霊言"が書籍化された深田恭子さんやローラさんの事務所は「本の存在は知っている。勝手に作られて困っている」「勝手に名前が使われている、内容は事実無根」とするなど、出版に伴う打診・許可について連絡がされていないことも知られている。


 島田氏は「僕の本も出ていますよ。彼らが考える僕を想定して、その僕に言ってほしい内容、という感じがしました」と苦笑交じりに説明。「とにかく3日に2回くらいインタビューをやっていて、あらゆる人の本を出しまくっている。その時に世の中で起きていることや、話題の人の本音はこうだという"解説本"とみたほうがいいのでは」と説明した。


■清水さんの"出家"が持つ意味

 宗教を語る上で、"洗脳"と"教育"の線引きはどこにあるのかも気になるテーマの一つだ。


 島田氏は「"洗脳"というと、どこかに連れ去って無理やり…というイメージになる。日本ではミッションスクールのような宗教系の学校に行けば学ぶことがあるが、基本的に宗教を教わる時間はなく、大学で宗教学を学ばない限り、ほとんど接することもない。


 しかし、イスラムやキリスト教圏では、みんなで子どもに伝えようとするのが当たり前で、日本でも、神道と仏教が混じったようなものを伝えようとする"教育"の部分はあると思う。例えば、ほとんどの家庭が"お宮参り"をする。もちろん赤ん坊自身が"嫌だ"と思うことはないけれど、本人が選んでないのに神社に連れて行かれるという意味では、一つの信仰の強制とも言える」と話す。


 清水さんについては「親が信仰を熱心に伝えようとすると子ども側が抵抗するケースもあるが、清水さんは本人が受け入れたというケース。だから"ホームグラウンドに戻る"という感覚ではないか」とした。


 また、「今回、"出家"という言葉が重く受け止められているが、昔の日本では出家は珍しいことではなく、人生に一つの区切りをつける手段で、天皇や武士で出家した人も一杯いた。それが今の社会ではなくなってしまった。幸福の科学では、教団の職員として働くことを"出家"と呼んでいるものの、清水さんの理解はそれを少し超えているのではないか。その意味で、清水さんの"出家"というのは、ある意味で興味深い現象だと思う」と指摘した。


 清水さんの騒動は、働き方についての議論や、現代を生きる人たちの心の拠り所についての議論ともつながってくるのではないだろうか。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

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