小保方氏の人権侵害報道 ジャーナリスト・津田大介氏「BPOは人権侵害とは言いつつも、番組制作の範囲を大きく認めた」

 NHKで2014年7月27日に放送された「NHKスペシャル調査報告STAP細胞不正の深層」についてBPO(放送倫理・番組向上機構)は10日、NHKに対し「名誉棄損の人権侵害で放送倫理上問題あり」という判断を示した。


 BPOの放送人権委員会は、STAP細胞の正体はES細胞である可能性が高いものの、ES細胞が何らかの不正行為で入手・混入された疑惑を示した放送内容は真実とは言えず、真実と信じるだけの理由も認められないため、(不正行為で入手・混入したという放送について)名誉毀損の人権侵害だと判断した。

 さらに取材を拒否する小保方晴子氏を執拗に追いかけた取材方法についても放送倫理上の問題があったと指摘。一方でプライバシーの侵害とされた小保方氏と笹井氏のメールのやりとりについては、「放送倫理上の問題があったとまでは言えない」とした。


 この見解について専門家はどう見るのか。立教大学社会学部の砂川浩慶教授は「申し立てている小保方氏がどう考えるかというところがあるが、全体的には妥当であろう」とした上で、どこに力点を置くかが重要だと指摘した。人権侵害に重きを置けば、今後の番組制作が萎縮してしまうことになりかねない。一方で、番組制作に重きを置けばメディアの集団リンチにもつながりかねない。

 小保方氏は代理人を通して「私が受けた名誉毀損の人権侵害や放送倫理上の問題点などを正当に認定していただいたことをBPOに感謝しております。国を代表する放送機関であるNHKから人権侵害にあたる番組を放送され、このような申し立てが必要となったことは非常に残念なことでした。放送が私の人生に及ぼした影響は一生消えるものではありません」という談話を発表した。


 この問題にジャーナリストの津田大介氏は「メールは秘匿性があまり高くなく、メールを報道で公開したことはプライバシーの侵害ではないと、BPOが判断した」ことについて、「BPOは人権侵害とは言いつつも、番組制作の範囲を大きく認めたことになる」。さらに津田氏は昨年のタクシーのドライブレコーダーが流出したASKA報道を引き合いに出し、メディアの制作側の配慮はまだまだ足りていないと指摘する。「これに対して批判的なマスメディアの検証が起きないというのは、考えないといけない」とした。


 人権侵害と報道の自由の問題はまだまだ議論が必要だ。(AbemaTV/AbemaPrimeより)


(C)AbemaTV

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