グーグルでの「忘れられる権利」 最高裁が「検索結果の削除」で初の基準

 逮捕歴をめぐり、インターネットの検索結果の削除を求めていた裁判で、最高裁判所が初めての基準を示した。


 2011年に児童買春の罪で、罰金刑を受けた男性が、「インターネットで自分の名前などを検索すると当時の記事が表示される」として、グーグルに検索結果の削除を求める仮処分を申し立てていた事件について、一昨年、さいたま地裁は「忘れられる権利がある」と判断し、グーグルの検索結果から逮捕に関する記事の削除を命じる決定を出していた。

 「忘れられる権利」とはネット上に残り続ける個人情報の削除を求める権利のことで、3年前、ヨーロッパ司法裁判所の判断をきっかけに注目された言葉だ。さいたま地裁が「忘れられる権利」を明示し、削除を認めたのは日本では初めてだった。


 しかし、去年、東京高等裁判所は、表現の自由、知る権利など公共の利害にかかわるとしてグーグルに削除を命じたさいたま地裁の判断を取り消した。最高裁は「検索結果の提供が違法かどうかは、当該事実の性質や内容、プライバシーの被害の程度、記事の目的や意義などを比較して判断すべき」としたうえで、「プライバシーを公表されない利益が優越する場合に、削除が認められる」との判断を示した。今回の男性の申し立てについては「明らかに優越するとは言えない」として削除は認められなかった。


 ネット上での表現の自由と規制について詳しい、東京大学大学院客員研究員の成原慧氏は「今回の最高裁の決定は、従来の日本の判例を踏まえつつも、ネット上の情報流通において検索エンジンが果たす役割を考慮して、表現の自由とプライバシーというどちらも重要な人権をどのようにバランスをとるか。両者のバランスを表現の自由を重視する形をとったということで評価できる」と話す。


 今回の最高裁の決定によると検索エンジンには、事業者の方針に沿った結果が得られるように検索結果を作成する表現者としての側面と、ネット上の情報流通の基盤として大きな役割を持つインフラとしての2つの側面があるという。


 「表現の自由」や「知る権利」との兼ね合いもある「忘れられる権利」。ネットのプラットフォームとしての検索エンジンは、どこまで情報を統制すべきなのかに注目が集まる。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

(C)AbemaTV


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