掃除機や写真のピースサインから個人情報が盗まれる時代が到来

 凶悪化したサイバー犯罪は、時に国をも脅かす。米中央情報局(CIA)が、大統領選挙でのロシアからのサイバー攻撃をプーチン大統領の指示によるものだったと結論づけた報告は全世界に衝撃を与えた。


 日本ではサイバー犯罪の検挙数は増加傾向にあり、2015年は8096件に上り、インターネットバンキングの不正送金の被害は過去最高の30億円を超えた。インターネットセキュリティのトレンドマイクロの岡本勝之氏は2016年を日本における「サイバー脅迫元年」と位置づけ、注意を呼びかけてきた。


 サイバー犯罪の中でも特に多かったのが「ランサムウェア」だ。ランサムウェアとは「身代金要求型不正プログラム」とも呼ばれ、PCやスマホをロック、ファイルを暗号化することなどして使用不能にした後、元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求する不正プログラムだ。侵入源はアダルトサイトであることが多いとも言われ、トレンドマイクロ社の調査によると、日本での検出数は昨年11月までに6万件で、2015年の約8.7倍になっているという。


 元ハッカーでネットワーク犯罪評論家の石川英治さんによると、急増の理由として、ランサムウェアのキットはネット上で無料で手に入れることができるほか、比較的容易に相手のデバイスの動きを止めることができるということ、さらに被害に遭ったことを恥ずかしがって告発しない人が多いことも理由に挙げられという。


 予防策としては、まず見慣れないサイトにはアクセスしないこと、大事な情報をその端末にしか保存していないという状態にせず、大切な写真やデータはクラウドなど、別な場所に保存しておくのも有効な対策の一つだ。


 このほか、新たな脅威となっているのが「ビジネスメール詐欺」だ。経営者や取引先になりすまし、財務や会計の担当者に偽の送金指示のメールを送る。世界的に大きな被害をもたらしており、1件あたりの平均被害額は1600万円と規模も大きい。


 今後、サイバー犯罪はさらに身近な生活領域にまで影響を及ぼす可能性が高い。その最大の要因は「IoT機器」の普及だ。IoT(=モノのインターネット)とは、すべてのモノがインターネットにつながるという概念であり、スマートフォンやPCが家電とつながることで、それらから個人情報が漏れることも考えられる。


 石川さんによると「IoTのロボット型掃除機」は自動的に障害物を避けることができるようにカメラを搭載しているが、それが外部からの攻撃により、第三者に家の中が丸見えになってしまうというようなことも起こり得るという。こうした家庭内IoT製品への侵入は、家のWi-Fiルータを経路としていることも多いため、買った際のIDやパスワードをそのまま使わずに変更するなどの予防策が欠かせない。


 また、ハッカーによって盗まれた個人情報は、闇ウェブサイト上で取引されており、Twitterアカウントがひとつあたり2.7円、Facebookアカウントがひとつあたり1.2円、メールアドレスは0.6円から2.7円というのが相場だそうだ。一度に数万人分、数億人分にもなると取引も巨額になり、犯行は後を絶たないという。また、仮想通貨で取引されると、検挙されにくいという問題もある。


 さらに技術の向上により、写真のピースサインから指紋のデータを取るなど、今まで思いもよらなかった犯罪の手法が可能になってきている。個人情報の管理だけでなく、ソーシャルメディア上での露出にも気をつけなければならない時代が来ている。


(C)AbemaTV

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