堀 潤氏が語る“保育園落ちた日本死ね!”ムーブメントの影に潜む危うさ

 12月24日深夜に放送された『ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT』に、元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤氏がゲスト出演した。堀は、先頃『オックスフォード英語辞典』が、2016年を象徴する単語「ワード・オブ・ザ・イヤー」に、形容詞「post-truth」を選んだことを紹介。

 “暴言王”と揶揄されていたにもかかわらず、大統領に選出されたトランプ氏などについて触れつつ、「post-truthの時代には、正面きって本音を言う。タブーを恐れずに本音を言うことが重要視されている」という時世であると解説。しかし、その一方で、先日、日本の流行語大賞にノミネートされた「保育園落ちた日本死ね!」の選考理由を説明した詩人の俵万智が、ネット上で強烈なバッシングを浴びたことについて触れ、「結局、現場の実態事実よりもその手前の感覚的な話で世論が行ったり来たり(している)」状況にあるとコメント。


■村本、感情論ばかりが噴出する現状に苦言を呈する

 これに対し村本は「たとえば、“保育園落ちた日本死ね!”。どのくらいの人が、ホンマ、“死ね”にばかり目が行き過ぎて、その保育園落ちた的なことが(当事者たちにとってどれだけの問題なのかを)、みんな結構スルーしてるじゃないですか。“死ねって何なんだよ、流行語大賞に!”ってなってるけど、それよりも保育園(に落ちてしまったことで当事者たちにどんな影響があるかという課題に対して)の話を、まずするべきなのに」と、本質的な議論を置き去りにして、その手前にある感情論ばかりが続出している現状を指摘しつつ堀に同調。


 そうした状況に陥る原因について「この保育園のことは(考えたり、意見を言おうとしても)たぶん思考が働かないから。(それに対し)“死ね!”なんて(発言するのは)簡単じゃないですか」「“死ね!”に対してはみんな食いつきやすいじゃないですか」と分析。


 それを受ける形で堀は、「今年の事件や騒動に共通している点として、一部の人に対しての利益が、やっぱ気に食わないという傾向があるのかもしれない。“保育園落ちた日本死ね!”の対象っていうのは、基本的にお子さんのいる家庭の話じゃないですか。そのお子さんがいる家庭に対しての、何かしらの手厚い保護だったりとか、特定の施策っていうものに対しては、やっぱりその…なんて言ったらいいのかな…“なんであいつらだけ優遇されるんだ?”みたいな声っていうのが(少なからず)あるのかもしれないよね」と、一部の人への利益となる事象について、世論がバッシングしがちな風潮があるとした。

■「仕掛けやすい社会」で「意見をコピペ」する人々が増えている

 また、こうした“作者未詳”のフレーズが一人歩きする形で、流行語大賞にまでノミネートされたことについて「みんなが共感する言葉としてここまで上り詰めるのはすごい」と語る村本に対し、「難しい。この類の話を、今までしていない人がいるのか?っていうと、そんなのはまったくなくて、様々なニュース番組を含めて、色んなブログやTwitterも含めて、顔も名前も出していなくて、実際の保育園に入れないルポも含めていっぱいやってきている」と、このフレーズにだけが世論を巻き込む形で政治をも動かすことになったことに対し、「事実よりも事実かどうかもわかんないけど、“だよね!”っていう話が共感を呼んで、政治が動くっていうのは、“やったねー!”っていう話の一方で、(それが一方的な意見だった場合には)“やっぱ危ういよね”っていうことも頭の片隅にどっか置きながらニュース全体を見たほうがいい」と、そのムーブメントの影に潜む危うさについて指摘することとなった。


 さらに、堀と同じフリーアナウンサーで、今年、透析患者への暴言で物議を醸した長谷川豊を引き合いに、「(彼は)本当は事実を丁寧に調べて、意見よりも意見の前に小さな事実をつかみ出して発信する役割を与えられている人間。僕らの役割は“保育園落ちた日本死ね!”って言う役割じゃない」と語った。


 また、堀は他人の意見を鵜のみにし、それに同調した意見が拡散するような「仕掛けやすい社会」になっているとし、外部からの声にそのまま反応してしまう傾向に関して、村本も最近の人はどこからの情報をそのまま飲み込み、「意見をコピペ」していると指摘した。

(C)AbemaTV


■『ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT』

■『AbemaPrime』

  • 放送日時:毎週月曜~金曜 夜9時~夜11時
  • 放送チャンネル:AbemaNews
  • 番組公式サイト:http://news-prime.abema.tv/
  • ※村本大輔は毎週月曜日にレギュラー出演

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