IOCバッハ会長を喜ばせた、演出家・宮本亜門のクリエイティビティ

 今年10月、日本を視察に訪れた国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長を迎え開催されたショーの演出を手掛けたのは、ブロードウェイをはじめ世界中で活躍し、ジャンルを超えた独自の演出で人々を魅了してきた演出家・宮本亜門氏。


 ショーのテーマは、『The Land of The Rising Sun』。日本文化にも精通する宮本氏は、たった30分という短い時間のショーの中で、古事記に記された日本の誕生から、いくつもの時代を経て現代、そして未来へ繋がっていく様子を表現した。


 写真家・蜷川実花氏が江戸時代のヴィジュアルを華やかに彩れば、市川海老蔵氏が伝統文化・歌舞伎で魅せたり、デジタルアートの最先端を行くチームラボが舞台背景の技術面で協力、ボーカロイドの初音ミクも登場するなど、ジャンルを超えたコラボレーションが実現した。

 各界から錚々たるメンバーを集め、「国」という壮大なテーマを演出した宮本氏。


 「今回は実を言うと、スポーツ文化ワールドフォーラムということがあって、バッハ会長含めて世界各国から色々な方がいらっしゃる。実を言うと文化よりもスポーツとか経済の方もたくさんいらっしゃると思ったので日本のことを知って欲しかったんですね。なので、少しでも日本がどうしてこうなっていったかということを、面白く、楽しく30分、日本の魅力満載でお届けしたいというのが目的でした」と振り返る。


 「おかげさまで大変良かったです。最後にワーッと歓声や拍手もあがって、熱かったですね。ちょっと日本人は真面目なので、多彩で生き生きしてエネルギッシュで魅力的なんだということをショーは伝えてくれた」と、バッハ会長をはじめ、海外の人々の反応は好評だったそうだ。


 この演出を手掛けることになった時の気持ちを、「プレッシャーがないと言ったら正直ウソになるし、日本というのはあまりにも多彩で、そして伝統もあれば未来的なテクノロジーもある。色んなものがうごめいている島国と僕は意識していて、それをどう30分で出せばいいのって感じ。どこを取るかでいくらでも違う形を日本は表現できる」と語った宮本氏。


 中でも一番伝えたかったのは、「日本ではあらゆるものに神が宿るということ」だったという。


 度重なる自然災害に悩まされても、創造を繰り返してきた日本人。その過程で生まれた人への優しさも表現したかったという。

 「天変地異があっても日本はこうやって生き延びてきたというか、もう一回自分たちが知恵を集め、次へ向かっていくこのエネルギーがあるんです。それは自然と共に生きていることになるので、そういうものがやっぱり根底に流れている。こんな面白い国ないですよ、というのを伝えたかったし、日本人にも、お互いに文句言っている場合じゃないよ、と。世界にアピールした方が面白いよっていう風に思っていただきたい、というのもありましたね。」


 未来へ向かって生きる心構えについて宮本氏は、「まず絶対に怖がらないということを最初に何が起きても怖がらない、というかどうせ変わっていくものだということを楽しんだ方がいいと思います。あとは自由な発想、こういう考え方もある、ああいう考え方もあるっていうことに自分の脳を柔らかくしていくこと。ただ部屋で待ってちゃ全然ダメですね。あらゆるものを見て、美術館でもなんでもいいし、ネットでもいいけど、ただこれだけではない体験を全部若いうちにしておく。すると、アンテナが自由に鋭く動けるようになった時に面白いと思います」と、自らの創作活動の源泉を語った。


 世界に日本を発信する宮本氏の活動にこれからも注目だ。

(C)AbemaTV

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