大統領不在の韓国 危機的な経済、東アジアの安保など難局を乗り越えられるか?

 9日 、韓国国会で朴槿恵(パク・クネ)大統領への弾劾訴追案が可決し、朴大統領の権限は即日停止となった。

 弾劾訴追案の採決をうけ各国政府もコメントを発表した。米国務省のトナー副報道官 は、「アメリカは韓国と変わらず同盟国、友人、そしてパートナーであり続ける。大統領代行の黄首相 と仕事をするのを楽しみにしている」と北朝鮮外交や経済、貿易を含むこれまでの政策を一貫して継続することが最も重要だと述べた。中国外務省は「中国はほかの国の内政には干渉しないのが原則です」「隣国として韓国が早期に安定を回復することを望み、韓中関係も前向きに発展することを希望する」とコメントした。


 一方、弾劾案が可決され、朴大統領の権限が停止したことで、今月19日に東京で開催する予定だった日中韓首脳会議の開催は延期になる見通しだ。


 これまで韓国では6週連続で大規模な抗議集会が行われてきたが、弾劾訴追案の可決を受けた10 日は、"勝利集会”という形で集会が行われた。現地の様子を、時事通信社ソウル支局の原田憲一特派員 に聞いた。原田氏によると「緊張感が少し薄れたかなという印象」で、一部ではお祭りムードも見られ、まさに”勝利集会”といった様相だという。

 しかし、韓国にとってこの内政の不安定は”勝利”とは言い難い。今後、韓国はどのように動いていくのか。まず180日以内に憲法裁判所の判事9人が弾劾訴追について審理を行う。そこで憲法裁判所が(朴大統領が)法律に違反していると判断すれば罷免ということになり、60日以内に次期大統領選が行われる。一方で、違反していないとの判断が下れば、大統領職に復帰することになる。


 大統領不在の期間中、権限はすべて首相に移行するが、ここにも問題はある。大統領の職務代行にあたる黄教安(ファン・ギョアン)首相 だ。コリアレポート編集長の辺真一氏 によると、野党からは朴派だと批判されており、改めて首相を弾劾しようという声も上がっているという。


 しかし、首相も弾劾してしまうとなると韓国の政治空白は致命的なものになる。ジャーナリストの七尾藍佳氏は「韓国の経済は待ったなしの本当に危険な状態に落ち込んでいる」と指摘する。そんな危機的状況下の韓国経済にとって、大統領不在によるダメージは大きい。また、東アジアの安保面に関しても影響があると指摘する。中国はかねてから韓国と米国が合意して配置した迎撃ミサイルに反発しており、日本にとっても、もちろん韓国にとっても安保面での影響は大きい。


 大統領不在の韓国――。与野党がうまく協力し、この難局を乗り越えることが求められている。

(C)AbemaTV

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