長渕剛“魂の叫び”でマスコミ・政治批判 生放送で事件を起こしたミュージシャン列伝

 シンガーソングライターの長渕剛が7日、フジテレビで生放送された「2016 FNS歌謡祭 第一夜」に出演し、マスコミや政治に向けた痛烈な批判を込めたスペシャルバージョンの「乾杯」を披露し、話題になっている。


 4時間におよんだ「2016 FNS歌謡祭 第一夜」の大トリを務めた長渕剛。フリーアナの加藤綾子アナが「歌は時代と共に変わっていくもの。震災や様々な災害が起こる日本の中で『乾杯』の意味が変わってきた」という長渕のメッセージを紹介すると、長渕は「うおぉーーー!!」と雄叫びを上げながら、激しくギターをかき鳴らし、“魂の叫び”を歌い出す。その歌詞は「アメリカの大統領が誰になろうと凶と出るか吉と出るかって そりゃ俺たち次第じゃないか」で始まり「今日もマスメディアの誰かが無責任な話ばかりしている」「日本から歌が消えていく 日本から言葉が消えていく」と、まるでフリースタイルのラップのように矢継ぎ早に言葉をまくしたてる。それは、歌というよりもまさに“魂の叫び”そのものだった。


 長渕は今から26年前の「第41回紅白歌合戦」でも“事件”を起こしている。ドイツ統一の歴史的な年であった1990年、紅白はドイツのベルリンから初の海外生中継を行った。長渕は歌唱直前に現地入りしたスタッフに対する批判を口にして、司会者の松平アナウンサーを青ざめさせた。その発言とは「現場仕切ってるの、みんなドイツ人でしてね。ともに闘ってくれる日本人なんて、1人もいませんよ。恥ずかしい話ですけど、今の日本人、タコばっかりですわ」という過激なものだった。長渕は2曲歌う予定だったが、「いつかの少年」「親知らず」「乾杯」の3曲を歌い、この時の歌唱時間15分以上は紅白史上最長で、他の紅白出場歌手達にも不評を買ったという。長渕はその後、「NHKへの出入り禁止」となったと報道された。


 長渕が紅白に初出場する5年前、1985年の『第36回NHK紅白歌合戦』では、この年のトップバッターを務めた吉川晃司もハプニングを起こしている。吉川はシャンパンを口から撒き散らしながら登場し、さらに観客に向けて吹き出した。そして、当初予定になかったステージから客席に降りる行為を行った上に、撮影中のカメラに衝突。さらに、本来の出演時間をオーバーして歌い終えると、ギターにオイルをかけて火をつけ、ステージに叩きつけて破壊するというジミ・ヘンドリックスばりの過激なパフォーマンスを行った。もちろんリハーサルでは一切なし。オイルの影響で、次の次にステージに立ったシブがき隊の布川敏和が2度転倒するアクシデントも起き、以降、吉川はその後、NHK側に十数年間出入り禁止となった。

 

 RCサクセションの忌野清志郎によく似ている人物の“ゼリー“率いるザ・タイマーズも生放送中に故意に事件を起こしている。1989年10月13日放送のフジテレビの音楽番組「ヒットスタジオR&N」に出演したザ・タイマーズは、生放送の演奏中にFM東京を罵倒する曲を披露。この曲ではFM東京を名指しし、性的な放送禁止用語を交えて歌った。これはゼリーの友人である山口冨士夫との共作でゼリーが作詞を担当したティアドロップスの曲「谷間のうた」をFM東京とFM仙台で放送禁止にされたことと、「COVERS」収録の「サマータイム・ブルース」、また「土木作業員ブルース」が放送禁止、放送自粛にされたことに対する抗議だったとされる。同番組の司会をしていた古舘伊知郎は演奏終了後に「不適切な発言があったようでございます。お詫びして訂正させていただきます」と謝罪。放送後にはこの行為が新聞に掲載されるなどメディアでも話題となり、フジテレビはタイマーズに対して3年間の出入り禁止措置をとった。


 生放送番組には、収録番組と比べて、現実との即応性というメリットもあるが、編集ができない故にこのようなハプニングが起きてしまうことも多々ある。我々視聴者はハプニングをただ面白がっていれば良いが、生放送番組を制作しているスタッフは、常日頃から気苦労が耐えないだろう。


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