「最後は文科省に電話をしてください」尾木ママ、いじめに苦しむ子どもたちに緊急メッセージ

 原発避難者へのいじめ問題がクローズアップされている。


 まず、神奈川県横浜市で起きたいじめ問題。いじめを受けた13歳の男子生徒は福島県から自主避難中で、手記に「いままでなんかいも死のうとおもった。でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」と綴っていたことが報じられた。


 同じく、福島県から新潟県に避難していた小学生がいじめを受けた問題。同級生や担任の教師から「菌」付けで名前を呼ばれ、不登校になっていると報じられている。


 いじめ問題を考える上で、象徴的な事件として記憶されているのが、5年前に起きた”大津中2いじめ自殺事件”。


 2011年10月11日、滋賀県大津市の自宅マンションから、当時中学2年生だった男子生徒が飛び降り自殺した。原因はいじめだった。


 男子生徒の死亡後、学校が生徒に行ったアンケートには、


「死んだハチを食わされていた」

「弁当をわざと落とされていた」

「何回も自殺の練習をさせられていた」


 など、壮絶ないじめの実態が書かれていた。さらに、「先生も見て見ぬふり」と、学校側が適切な対策を講じていなかったことを伺わせる記述もあった。

 校長は翌年7月の会見で、「彼が亡くなるという痛ましい事故が起こるまでは、学校として”いじめがあった”というようなはっきりした認識がなかったのは事実」とコメントした。


 しかし自殺の6日前、別の生徒から担任に「いじめだ」との訴えがあり、教員の間で「いじめの可能性」についての話し合いも持たれたという。


 その後、学校や大津市教育委員会の調査が不十分だったとして市長が謝罪、全容解明のための第三者調査委員会も設置された。委員6人による本格的な調査をもとに提出された調査報告書では、さらなる事実が明らかになった。


 委員は遺族側が推薦した委員3人、市側が推薦した委員3人で構成され、委員長は裁判官経験者で、事実確認をしっかりと行ったという。


 当時、その調査委員会のメンバーだったのが、”尾木ママ”こと尾木直樹・法政大学教授。


 段ボール11箱分の資料に目を通した。「子どもの手書きのアンケートの筆圧から伝わってくるものがあった。心を込めて一生懸命書いている。裏を見ると親も書いている」。


 大津市に何度も通った。「僕だけでも3か月の間に21回通った。委員会としては51回やっている」。


 黒塗りの資料を出された時には激しい怒りを覚え、学校の隠ぺい体質を批判した。学校は裁判を見越して「いじめと自殺の因果関係は認めない」などのシミュレーションを行っていたという事実も発覚した。


 この事件を受け、2013年9月にいじめ防止対策推進法が施行された。法案にの制定には、自殺した男子生徒の父親が要望を行うなど、遺族も大きな役割を果たした。父親は会見で「今回の法律については、息子が今生きている子どもたちを助けるために命がけで作った法律だと思っています」と話している。


 同法では「いじめ」が「当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義づけられた。また「重大事態」として、「生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い」「相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑い」という基準も定められた。


 尾木教授はこの法律の意義について「担任の当たり外れで事態が左右されないように、いじめ対策委員会を設置せよと法律で義務付けられたこと」と話す。


 一方、法律ができたことによっていじめが可視化されるようになったのは前進だというが、「地域や学校で温度差がある」と残された課題を指摘する。文部科学省のデータによると、2015年度のいじめの報告件数は22万4000件だが、この数字も氷山の一角である可能性は捨てきれない。


 尾木教授はいじめを受けている子どもたちに対し、「最後は文科省に電話をしてください。絶対に対応しますから。児童生徒課に連絡してくだされば動きます。必ず救いますから」と語りかける。


 大切なことは、必ず助けてくれる人やチャネルがあるので、絶望してはならない、死んではならないということだ。

(C)AbemaTV


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